一般社団法人日本ABC協会より2013年1月から6月の上半期雑誌販売部数が発表され、宝島社が発行する「sweet」が5年連続ファッション雑誌販売部数1位、「InRed」が2位となり、ファッション雑誌ランキングの1位、2位を占めるかたちになっています。
宝島社は、前年同期比で部数が伸びた雑誌は「InRed」が131%、「リンネル」が120%、「mini」が112%、「MonoMax」が109%、「GLOW」が108%として、ファッション雑誌における市場占有率、雑誌全体における市場占有率トップであることを本日リリース。また、「sweet」の大人版として2012年10月から刊行されていた「オトナミューズ」が月刊化し、2014年3月28日(金)に創刊予定、また「リンネル」の大人版として刊行されていた「大人のおしゃれ手帖」も月刊化、同月7日(金)に創刊を予定しています。
好調リリースのいっぽうで懸念されるのは、全体的な部数低下が顕著になってきている現状です。販売部数1位の「sweet」は、前年同期比85%の302,426部と経年でみても大きく部数を下げています。また、集英社の3位「MORE」は82%、4位の「non-no」は84%、5位の「seventeen」は88%と、2位の「InRed」以外は前年割れする結果になっており、直近となる前年下半期に比べると下げ率はさらに深刻といえます。その他メンズ誌においても、ランキングをみてもわかるように、軒並みシビアな数値が発表されています。
いっぽうで、ターゲットセグメントメディアであるファッション誌は、部数だけが全てではなく、より強い結びつきがある濃いファンをどれだけ読者として抱えているか=コミュニティ化しているかが、重要な視点でもありますし、大手出版社をはじめ、各社さまざまなかたちで、新たなコンテンツビジネスを模索しています。
“雑誌ではなく、デジタルの時代”などと業界を眺望するのではなく、ファッション業界の未来と密接に関わるファッション雑誌の動向を深刻に受け止め、F.M.J.としても次世代ファッション業界に向けて貢献のカタチをよりいっそう模索していきたいと考えています。