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【インタビュー】ニューヨーク発日本製のジュエリー「ミラモア」が六本木ヒルズでポップアップ開催。稲木ジョージCEOが考える5年目の現在地



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ファインジュエリーブランド「ミラモア(MILAMORE)」が、東京・六本木ヒルズのヒルズボックスにてポップアップショップをオープン。会期は、4月6日から4月29日まで。

今年で設立5周年を迎えるミラモアは、ブランドビジョニアである稲木ジョージによって2019年に設立。ニューヨーク発、日本製のファインジュエリーブランドとして、自身のニューヨークでのデザインと、日本の熟練職人による手作業の融合で、「Designed in New York, Handcrafted in Japan」の理念を具現化するコレクションを展開している。

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5年間の集大成として開催される今回のポップアップでは、5周年記念商品をはじめ、実際に職人の作業を見られる工房スペースを設置するほか、 期間中は全て10%オフで購入可能になっている。

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F.M.J.マガジンでは今回、来日した稲木ジョージCEOにインタビューを敢行。設立から5年経った、ミラモアの“現在地とこれから向かう先”とは。

Photo: J.L.F.S Interview&Text: Madoka Takano Edit: YUKI SUGAWARA


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ー まず、ジュエリーブランドをスタートさせたきっかけを教えてください

もともとはPRやコンサルティングの仕事をしていましたが、2018年にミラモアの共同創立者である大和 梓さんに仕事を通じて知り合い、実家でジュエリーの生産を行っていた彼女に一緒にブランドを立ち上げないかと声をかけていただいた事がきっかけです。大学生時代に宝石販売の仕事をしていた際の知識を活かして、初めてクリエイターとしてスタートしました。

ー ブランドとして、ものづくりの基準や、大事にしていることを教えてください

ジュエリーやそのデザインに自分がどれだけ共感できるか。自分はシングルマザーのもとで育ちました。フィリピンで生まれ、9歳で日本に移ったので日本語も話せず、金銭的にも余裕のない幼少期を過ごし、常に葛藤や怒りを抱えていました。金継ぎの技法に出会った時、まさに自分自身の人生が金継ぎのようだと感じました。金継ぎは技法ですが、技法そのものより、ぼくはその哲学にすごく共感をして、それをシグネチャーコレクションのテーマにしました。

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ー アイデアの源は?

自分の人生での経験であったり、友人との会話などです。例えば、デュオハートコレクションは友人が結婚したタイミングで生まれたデザインです。何度目かの結婚だったのですが、一見ハートには見えないこのハートモチーフは、愛はこうであるべきだという世の中にある固定概念を取り払い、色々な愛のかたちがあっても良いのではないか、という想いを込めてデザインしました。

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ー 「Designed in New York, Handcrafted in Japan」ニューヨーク発、メード・イン・ジャパンブランドという切り口が新しいように感じます。その思いとは?

日本のヘリテージブランドを作る、というミッションが自分にはあると思っています。自分は親から受け継いだものがなかったので、自分で何かを作り上げることにとても興味がありました。自分はニューヨークに住んでいるので、そのエネルギーだったり、ニューヨーカーのファッションスタイルからインスピレーションを受けていますが、ただ、日本のプロダクトは世界一だと思っているんです。今まで外国の職人さんともお仕事をした事がありましたが、タイムイズマネーという言葉があるように、彼らにとっては早く作る事が重要で、そもそも考え方が日本の職人さんとは全然違いました。一概には言えないかと思いますが。日本の職人さんは、長く使えるものを作る事を一番に考えています。その考え方がかっこいいし、それが基盤となっています。

ー ニューヨークをはじめ、海外での評価はいかがでしょうか?

すごくいいですよ。日本というものが改めて見直されている時期だと思うんですね。世界中のセレブリティが日本を訪れていて、日本って最高だよね、とよく言っていますし、評価はすごく良いです。実際にニューヨークタイムズに掲載していただいたりと、お陰様で注目していただいているように感じます。

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ー どんなひとに身につけて欲しいですか?

ミラモアは哲学のあるブランドだと思うので、その哲学の本質を理解してくださる人に身につけていただきたいです。またそれだけでなく、実際にジュエリーを身に着けることはできなくても、僕が伝えたい「人は誰でも持っているコンプレックスなど、 “壊れてしまった”自分も愛そう」というメッセージが世の中に広まって、フィロソフィーを身に着ける方が増えることが僕にとっての使命であると思っています。

ー ブランド設立5周年を迎えて、今の気持ちは?今後の展望を教えてください

日本のヘリテージブランドを作るために、コツコツと実績を積んでいきたいです。プロダクトとしては、ジュエリーに合うアイテムとして、サングラス、バッグ、時計なども作って行ければと思っています。

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ー では最後に、F.M.J.magazineは、“FEEL-GOOD THINGS for YOU!”をテーマとしているのですが、ジョージさんにとってのFEEL-GOOD THINGSを教えてください

みなさんが自分のデザインに対して共感を持っていただく事が一番嬉しい事です。ファーストジュエリーにミラモアを選んでくださったり、結婚のタイミングなどに来店いただく時は、やってきて良かったなと思う瞬間ですね。

|Recommend Items by George Inaki

「KINTSUGI」コレクション SAKURAゴールド
ピンクゴールドを桜に見立てたシリーズ。好きな和歌「桜花散りぬる風のなごりには 水なき空に波ぞ立ちける」をイメージソースに作った。桜ははかなく、長くは咲かないところに美学がある。身につけることによって美しい桜を連想してもらえると嬉しい。

輪島塗職人であり金継ぎ師の桐本滉平とのコラボレーション
桐本滉平さんは、2020年にコロナ禍で出会い、金継ぎの哲学を教えていただいた方。貝殻を割って漆で貼り付け、金粉を塗して実際に金継ぎをした今回の商品。売上げは全額彼に寄付をする予定。「壊れているのではなく継がれている」という意味のメッセージ入り。

JUN-KINTSUGI エメラルドリング
稲木ジョージ自らがワックスを手彫りし、ミラモア初の素材である純金を使用した。柔らかく変形しやすい24金をあえて用い、金継ぎの哲学と同様に、傷や変形を加えながら自分の指にフィットさせていって欲しいという想いが込められている。

KINTSUGI ヴィクトリアプラチナノワールシグネットリング・ペンダント
福岡在住の作家、福村龍太さんにインスピレーションを受けた作品。京都の茶室「然美」で和菓子とお茶と共に福村さんの作品に出会った事がはじまり。陶器なのにシルバーに見え、時間と共に変化していく様に惹かれた。その陶器をオマージュし、プラチナにブラックロジウム加工を施した。

|Information

ミラモア 六本木ヒルズ ヒルズボックス ポップアップイベント
日程:2024年4月6日(土)~4月29日(月)
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ2F ヒルサイド ヒルズボックス
営業時間:11:00~20:00、21:00(金・土・祝前日)

Official Photo: Shouta Ikegami

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連載:コピーライター小藥元の「美ンテージ採集」

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