FASHION

「第18回東京ガールズコレクション」にみる、ガールズイベントの”マーケティング的”3つの活用ポイント



ファッションイベント「第18回東京ガールズコレクション 2014 SPRING/SUMMER」(TGC)が3月1日(土)、国立代々木競技場第1体育館で開催され、10~20代の女性を中心にのべ約3万3100人が熱狂。

ショー参加のファッションブランドは全16、メインモデルだけでも総勢88名が競演したほか、シークレットアーティストとしてTGC初登場となった浜崎あゆみやきゃりーぱみゅぱみゅ、GENERATIONS from EXILE TRIBEなどによるアーティストライブ、テレビ東京「ゴッドタン」やTBSテレビ「内村とザワつく夜」「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」などの番組タイアップによる人気お笑い芸人も多数出演。非日常体験を演出する「Tokyo Wonderland(トウキョウ ワンダーランド)」をテーマに多種多様なコンテンツが開場から閉演まで約8時間半も繰り広げられました。

イベントの全体レポートやショースナップはファッションメディアやオフィシャルレポートにお任せし、F.M.J.では当日取材でみた、”ファッション・マーケティング的”な活用ポイントを3つ挙げてみようと思います。

|1)ショーは”洋服を見せる”のではなく、”ブランドを魅せる”

TGC2014SS-EMODA.JPGトレンドステージのトップを飾った「EMODA」の長谷川潤

トレンドステージのトップを飾った人気ブランド「EMODA(エモダ)」は、長谷川潤が登場し、会場の空気を一挙に惹きつける演出。その後、玉城ティナ、emma、宮城舞、八木アリサ、マギー、エリー・ローズ、黒田エイミという「ViVi」を中心としたトップモデルからネクストモデルまでを豪華起用。トップバッターにふさわしいクールなランウェイを演出しました。

TGC2014SS-moussy.JPG「moussy」では、土屋アンナが”うねる”ウォーキングで観客を圧巻

また、同ステージのトリを飾った「moussy(マウジー)」は、ハードロックなBGMからはじまり、土屋アンナが登場。TGCオープニングでのクールなランウェイとは一変し、音楽に合わせた”うねる”ウォーキングでスタイリングを披露。”土屋アンナ×moussy”のまさにコラボレーションステージといえる、圧倒的な存在感と安定感で観客を魅了しました。

少し誤解が生じるかもしれませんが、もちろんファッションショーの一番の目的は、そのブランドの新作商品とスタイリングを軸に、ブランドコンセプトやテーマを伝えるということ。それはもちろん大前提ではあります。ただ既にご周知の通り、”その場で買えるファッションショー”として話題になった数年前から、現在は”エンターティンメント化”しているとされるガールズイベントにおいては、”洋服を見せる”ことよりも”ブランドを魅せる”ことで、いかに”五感でインパクトを与え、心にブランドを残すか”がマーケティング視点では重要であると感じています。

前述の2ブランドに共通するのは、人気モデルに”着せこむ”だけではなく、徹底的な”演出”によって”ブランドとモデルの掛け算のステージになっている”ということです。そこには、”ブランドを魅せる”ことを意識したブランドサイドやそれに関わるスタイリストなどの意図や意思がみえるように思います。

もちろん多くの参加ブランドがショー演出に趣向を凝らしてはいますが、終日さまざまなエンターティンメントコンテンツを見続ける観客に対し、1ブランド計8~9ルック・約5分程度の持ち時間でブランドにとっての”一定の効果”を実現するには、よりいっそう重要な視点となっているのではないでしょうか。

|2)企業協賛ブースでは、具体的にファン化する

企業協賛ブースにみられた傾向としては、アンケート回答やメルマガ登録、SNSへのいいね!やLINEの友だち追加を参加条件とすることで、企業と来場客のダイレクトな結びつきを作っていることです。サンプリングやタッチ&トライイベントを開催して終わりではなく、具体的なファン化という成果を出していることがわかります。

TGC2014SS-ResortWedding.JPG「リゾ婚」を打ち出すワタベウェディングは、アンケート回答でドレス試着やイケメン外人モデルとの写真撮影ブース
TGC2014SS-actus-colors.JPGキャリーバッグブランド「actus color’s(アクタスカラーズ)」はLINE@登録でハワイ旅行などを抽選でプレゼント

また、各ブースへのゲストもショーに出演したモデルではなく、そのためのキャスティング。ファブリックミストの「LAVONS(ラボン」ブースでは、人気テレビ番組「テラスハウス」の元メンバー”王子”ことイケメン俳優の岩永徹也が登場。トークショーを2回開催することで、ファン層へのブランド訴求を行っています。

TGC2014SS-LOVONS.JPGドラッグクイーン2名がMCとなって、イケメン俳優・岩永徹也のトークショーを盛り上げる

|3)COOL JAPANとして海外へのコンテンツ事業推進によるマーケティング活用

今回、TGCが新たに発表したのは、経済産業省とともに「COOL JAPAN」の一翼を担うキラーコンテンツとして、「TOKYO GIRLS TOWN(TGT)」プロジェクトを始動するというニュース。このプロジェクトのプロデューサーに就任した放送作家の鈴木おさむはステージにも登場し、プロジェクトを告知。夏前にはタイでイベントを行う予定で、その成功例をもとに他の国にも展開していくことを想定し、企業やブランドとともに「COOL JAPAN」戦略を推進していくといいます。

TGC_0133.JPG経済産業省の阪本裕子氏[左]と鈴木おさむ氏[右](C)TGC 2014S/S

2013年6月にシンガポールで開催された「ASIA STYLE COLLECTION」とのタイアップがきっかけになっているとのことですが、ASEANを中心にグローバル戦略を掲げるファッション企業にとって、本プロジェクトが成長の追い風となるのか、”ガールズイベント”の新たな活用法として今後の動向に注目できます。

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