矢野経済研究所は、「ホームファッション市場に関する調査結果 2015」を発表。ホームファッション業界のメーカーや小売業へ2015年8月~10月の期間に行った独自調査をまとめた同レポートでは、国内ホームファッション総小売市場動向と予測をはじめ、「ベッドリネン・寝具」「タオル製品」「ナイトウェア・ホームウェア」「ホームファニチュア」「インテリアファブリックス」「ホームライティング」「キッチン・テーブルウェア」7分野の各市場動向をみることができる。
今回の調査結果サマリーは以下の通り。
| 2014年のホームファッション小売市場規模は前年比101.3%の3兆4,359億円とプラス成長
2014年のホームファッション小売市場規模は前年比101.3%の3兆4,359億円であった。2009年以降は上昇に転じ、3兆円規模を維持するまでに回復している。2014年は消費税増税の駆け込み需要の反動減もあり、アイテム分野によっては前年割れもあったが、市場全体としては2013年の市況を引き継いで堅調に推移した。
| 2015年は機能性商品のさらなる高付加価値化・多様化が進展し、新たな需要開拓に期待
2015年のホームファッション小売市場規模は前年比102.0%の3兆5,041億円を予測する。新たな需要を開拓するために、男性向け、女性向け、子供向け、シニア向け、若年層向けや介護用途など細かくターゲットを明確化した機能性商品の多様化が進むことに加え、特に 寝装寝具分野では商品特性を説明するような第三者機関のデータや情報などをベースとした商品開発が活発化することで、新たな消費者需要が開拓されるものと考える。
アパレル業界として特に着目したいのは、「ナイトウェア・ホームウェア」マーケットだ。2015年小売市場規模は前年比101.5%の1,650 億円を予測する。ライフスタイルの多様化とともに、従来の「寝巻き」とは異なり、スウェットやパーカー、ショートパンツなど様々なアイテムが展開。2014年はアパレルメーカーのホームウェアや、インナーメーカーのデザイナーズ製品、ファッション系企業のホームウェアブランドが引き続き好調だ。かつては百貨店や量販店の寝装品売り場が主要な販売チャネルであったが、アパレルメーカーやインナーメーカー、ファッション系商社などの参入によって、現在は駅ビルやファッションビル、大型ショッピングセンターにまで拡大。商品価格も上下揃えて1万円前後となるような買い易い価格設定としたことで 20~30 代の女性層から高い支持を集めることに成功しているという。
ライフスタイルショップという言葉自体は既に使うことを避けるブランドが増えつつあるが、”ホームファッション”として市場規模をみてみると、やはり無視できないマーケットといえるだろう。
・矢野経済研究所「2015 ホームファッションブランド」
http://www.yano.co.jp/market_reports/C57118800