「ジバンシィ(GIVENCHY)」は3月7日、クリエイティブディレクターに就任したサラ・バートンによる2025年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。アルフレッド・ド・ヴィニー通り8番地に建つ邸宅の改装中、隠し戸棚の中から偶然発見されたユベール・ド・ジバンシィのデビューコレクションで使用したキャリコ(綿織物)のパターンが、アーティスティック・ディレクターとして迎えるサラ・バートンの初コレクションのインスピレーション源となっている。
“GIVENCHY 1952”と刻印されたストックマンから始まるサラ・バートンのデビューコレクションは、テーラリングを軸に、男性的な技術と女性らしいシルエットが融合し、対照的に表現。シンプルで美しいサロンの空間で、力強く洗練された女性像が再構築され、あらゆる角度からその魅力を解放している。
モダンなクチュールの精緻なシルエットには、象徴的な要素と空気感が宿り、力強いショルダーとウエストを強調するジャケットやコート。洗練された2種類のトラウザーは、スタジオで行われていた自由なフォルムの実験と対をなしている。布地がそのまま背中を大胆に見せるドレスや、結びのあるスカートに変化。覆い隠された前面と背中の開きは女性的なセクシュアリティをもたらし、黒のレザーペンシルスカートの後ろに施されたスリットが、視線を強烈に引き寄せている。
ユベール・ド・ジバンシィのエッセンスは、単なる再現ではなく、モダンな視点で再解釈されている。シャンテリーレースのドレスはマイクロミニ丈にカットされ、ボディラインを引き立てる。50年代のバレットブラは、挑発的なアプローチへと昇華。ブレスレット丈のスリーブ、コクーンバックのシルエットは、コートやジャケットに落とし込まれている。彼の象徴的なスカーフやリボンは、グラフィカルなレザーのスカーフやノット、オーガンザのエアリーなネックラインに変換。
ジバンシィの象徴である白いシャツは、ドレスとして新たな命が吹き込まれている。過去のオートクチュールの価値と未来の創造的エネルギーが交差し、融合しているのだ。
サラ・バートンは「私にとって、パターンカッティングやクラフツマンシップに立ち戻るのは本能的なもの。カット、シルエット、プロポーション——それが私の感覚であり、クリエイションの本質です」「私は、現代の女性のすべてを表現したい。強さ、繊細さ、感情的知性、パワフルであること、そしてセクシーであること——そのすべてを」とコメントしている。
フロントロウには、ジャパン・アンバサダーを務める俳優の菜々緒やルーニー・マーラ、シンガー・ソングライターのレイなどが集い、サラ・バートンのデビューに華を添えた。