雑誌「Lula Japan」を発行するルラジャパンの出版プロジェクト「LulaBOOKS」は、写真家・田中雅也による初の作品集「Duality」を5月29日に刊行する。


本書は、田中雅也が‟相反するものの共存”をテーマに編んだ作品集だ。硬さの中にある柔らかさや、強さの中にある余白。矛盾する要素が共存する美しさに目を向けながら、日々のささやかな瞬間を切り取った写真から構成されている。フォルムや質感のユニークな魅力を写し出した淡く抽象的な写真群は、二元性を持つことの豊かさを鮮やかに物語る。


Lula BOOKSは、ファッション 誌「Lublapan」を発行するルラジャパンが2021年にスタートした出版プロジェクトだ。雑誌の調集的視点を起点に、写真やアート、ファッションと言葉が交わる場を本という形で届けている。第1弾では、俳優・モデルとして活躍するモトーラ世理奈のアーティスト性にフォーカスした「SERENAMOTOLA」を、第2弾では、写真家・熊谷勇樹による活動10年の節目をまとめた作品集「Interlude」を、第3弾では、俳優・アーティストとして活動するのんの30歳の節目を記録した「Non」を、第4弾では、写真家・横浪修が取り組む「Assembly」シリーズの最新作「Assembly Teshikaga」を刊行。


第5弾となる「Dusity」では、‟二面性の共存”という視点をもとにした田中の撮り下ろし作品をまとめている。構成・装丁に至るまで丁寧に調まれた本作は、今を見つめる作家によるひとつの写真表現としても、彼自身の新たな出発点としても位置づけられる一冊である。
田中は、「一見すると矛盾するもの同士が共存する感覚を大切にしています。硬いけれど柔らかい、柔らかいけれど強い、強いけれど抜けているといったように、対用的な要素が互いに暑い合いながら成り立つパランス。の中にある柔軟性、柔らかさが持つ強さ、強さの中にある遊びや余白――こうした対極にあるものが調和することで、より豊かな表現が生まれると考えています。光と影、静と動、整然とした形と偶然の揺らぎが交わる瞬間にこそ、美しさや深みを感じるのです。」とコメントしている。
















