ファッションと異業種企業によるコラボレーションは、F.M.J.が特に注目するファッション・マーケティング手法です。
8月20日(水)にアロマヨガをしながら”次世代アロマ”として発表されたのは、「消臭力」でおなじみの日用品メーカーのエステーと、クロスカンパニーの異業種コラボによる新商品「earth music&ecology アロマディフューザー」の共同開発。全国約240の「earth music&ecology」店舗とEC、エステー流通の全国バラエティショップで8月29日(金)から順次発売。初年度販売目標数は、35,000個とします。
「商品開発と価格競争力が高いエステーと組むことで、アパレルがどこもやってない新しいことができるのではと考えた」(クロスカンパニー・石川康晴社長)というように、アパレルにとどまらず雑貨も含めたライフスタイル展開を図っていきたい「earth music&ecology」と、日用品にファッションの付加価値をつけることで若年層にアプローチしていきたいエステーとの両社の思惑が一致し、今回のコラボの実現に至っています。クロスカンパニーは、同商品をシリーズ化することで今後、中国・台湾などでの海外展開も視野にいれながら、新たなチャネル・顧客開拓を目指すとともに、菓子メーカーなどその他の異業種コラボにも積極的に取り組みたい意向を示しています。
[左]No.1 VERBENA LEMON(ヴァーベナレモン)[右]No.2 FRUITY BOIS(フルーティボア)/ともに3,300円(税別)
また、8月21日(木)にリリースされたのは、東急ハンズがビームスとのコラボレーションによって新規事業として、2013年10月に開発された新ライフスタイルショップ「WORK HANDS(ワークハンズ)」初の単独店出店。これまで東急ハンズの既存4店舗内でのショップインショップとしての展開でしたが、ローンチからちょうど1年となる10月10日(金)、二子玉川ライズ・ショッピングセンター・タウンフロント3Fに約100平方メートルの店舗面積となる1号店オープンが決定しています。
ビームスの窪浩志クリエイティブディレクターと共同開発したオリジナルワークウェアブランド「WORK HANDS×BEAMS」をはじめ、ファッションアパレルと生活雑貨を展開する「WORK HANDS」の今秋のコンセプトは、”Neighborhood Lover ~ 近所を愛する人 ~ “。ホームパーティをテーマに、”おいしいお料理を友人に振舞う””インテリアは自分らしくカスタマイズする”といった趣味やオシャレを楽しむ、個性豊かなライフスタイルの提案を二子玉川ライズ S.C.店(仮)から発信するといいます。
東急ハンズ×ビームスによるライフスタイルショップ「WORK HANDS」が初の単独店出店をリリース
「アパレルと日用品の業界では、企業文化・発想が全く違う」(エステー・鈴木貴子社長)というように、エステーとクロスカンパニーによる今回の異業種コラボでは、商品開発やデザイン力といった両社の特性を活かしたシナジー効果があった一方で、両業界の”生産ロットの差異”という大きな課題が実現の障壁にあったといいます。
異業種コラボ実現のハードルとなるのは、コラボにかける両社の思惑や商慣習の違いが主です。その高い壁を乗り越え、両社が同じゴールを共有し、新たなマーケティングに果敢に挑戦できるかが、異業種コラボによるマーケティング成功のためのキーファクターといえます。