2014年も残るところ、あと1週間となりました。F.M.J.では、本日より数日間に渡り、”総まとめ”として今年の「ファッション・マーケティング」のキーワードや潮流を振り返ります。
| 2014年で話題になったブランド・商品のキーワードは、”復刻”
2014年で話題になったブランド・商品のキーワードとして挙げられるのは、”復刻”です。直近で記憶に新しいのは、ナイキ(NIKE)のアウトドアラインとして人気を博した「ACG(オール・コンディションズ・ギア)」の復活。都会を生きる現代のアスリートに向け、機能性とファッション性の融合を図ることで時代のニーズに合った新ライン「NikeLab ACG」として生まれ変わっています。
「アディダス オリジナルス(adidas originals)」はアイコンモデルの「スタンスミス(Stan Smith)」を2年ぶりに復刻。記念パーティーやSNSキャンペーン、ドーバー ストリート マーケット ギンザ(DOVER STREET MARKET GINZA)限定モデル発売をはじめとして、セレクトショップを中心に再販することでリブランディングに成功しています。
スニーカーでいえば、リーボック「インスタポンプフューリー」初代モデルの完全復刻版も即完売になり、先日12月5日(金)にさらなる再販で話題になっています。
ファッション史上に残るブランドコラボレーションといえるファッションデザイナー、ジル・サンダーとのコレクション「+J」も復刻。展開終了から約3年ぶりとなる今回は、厳選した約40アイテムを、”ベスト オブ +J(ベスト オブ プラス ジェイ)” としてリリースしています。また、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」のデザイナー・高橋盾とのコラボレーションによる「UU(ユニクロ アンダーカバー)」が、キッズライン限定で復活。2014年秋冬から、キッズ&ベビーをメンズ・ウィメンズに並ぶ3つ目の柱として位置づけるユニクロの特別企画として、再販されています。
このほか、ラコステ「フレラコ」の完全復刻やはるやま商事による「トランスコンチネンツ(TRANS CONTINENTS)」再復活など、スニーカーだけでなくアパレルにとっても大小さまざまな”復刻”のニュースがリリースされ、PRに成功しています。
復刻の波は、スニーカーやアパレルだけではなく、ファッションメディアにも見られます。90年代のリバイバルも相まって雑誌「Boon」が祥伝社ムック・2014秋冬号として6年半ぶりに復刊。誌面では、巻頭スナップの「STYLE SAMPLE」をはじめ、当時の「Boon」を支えたファッショニスタが集結。編集スタッフも、山口一郎・新編集長をはじめ、当時のエディター・ライター陣が参画し、業界内でも懐かしむ声が広がっています。
その次号も発売予定の来春には、1982年に雑誌「POPEYE」のガールフレンド版として創刊され惜しまれながら2003年に休刊した雑誌「Olive」が、特別号で復活することがリリースされ話題に。根強いファンを持つ”歴史的”な雑誌の復活に期待が高まっています。
| “復刻”商品に連動した巧みなWEB PR戦略が成功のカギ
過去の人気商品を現代版にモダナイズしたり、完全復刻で限定的に再販することで、話題化を図る取り組みが奏功してます。その背景にあるのは、魅力的な”商品ネタ”をニュースとして、いかに発信できるかというPRの視点。メディアとSNSの特性を考慮しながら、巧みなPR設計をする必要があり、その戦略が明暗を分けるといえます。事実、話題になったコトに共通するのは、WEB系ニュースメディアでのPRアプローチは確実に行っているということです。
2015年ははたしてどのような”復刻”がリリースされるのか、新たな復活劇に今後も注目することができます。