“池袋店に一日何人来店があるか”、といったデータも実店舗だとなかなか集計できていないことが多いファッション業界ですが、ついに実店舗のデータを見ることができるWebサービスが盛り上がってきました。
これらのサービスを活用することで、実店舗におけるお客様の動きをデータ分析することが可能になります。
| [わかること1] 何名来店しているか
これがわかることで買い上げ率を知ることができますので、集客がうまくいっていないのか、商品提案がうまくいっていないのかを把握、切り分けることが可能になります。たとえば商品レイアウトを変える前と後で、改善しているのか改悪しているのかを知ることなどもできますね。
また、何曜日の、何時に、どれぐらいお客様が来店されているかを見ることも可能なので「客数の少ない木曜遅番は一名減らしてシフトを組もう」といったイメージでスタッフシフト最適化も可能です。
とある企業で年間1000万ドル以上のコスト削減に成功した、との事例も記載されています。
One of Prism’s international clients reduced their auditing costs by upwards of $10 Million annually
| [わかること2] どの棚を通る/商品を触ることが多いか
こちらにより、どの商品への興味、または触りが多いかを知ることができるので「もうお客様の気分は夏モノに変わってきている!」を知ることが可能になります。また、物理的な問題による”見られやすい棚”/”見られにくい棚”がありますので、これを把握し改善を行うことも可能です。
私ならば、よく見られる棚に「2回接客すれば1つは売れる。粗利も高い。他店は強化してない商品なので在庫がたっぷり」の商品を並べますね。
| [わかること3] どれぐらいの時間滞在しているか
お客様が長くお店にいるのか、すぐ出て行ってしまっているのかがわかるのですが、これをどう評価していくかはブランドの特性や方針次第な部分ではあります。例えば店頭においては、お買い上げいただけなくとも店内にお客様が滞留していることで他のお客様が入りやすくなるのですが、これができているかのKPIとして用いることができます。
また、長くお店でお話しさせていただいたお客様はその接客担当スタッフとより高いエンゲージメントを築けています。顧客満足度を測るKPIとして用いることも可能でしょう。他にもたくさんあるのですが今日はここまで。続いてどのようなサービスがあるのかを以下にご紹介します。
| Prism(プリズム)
URL:prism.com/
特徴:日本代理店複数あり
費用:非公開。メニューのみ参考程度に記載いたします。
最新版の情報ではありません。また、カメラの設置状況により変動いたします。各メニュー別詳細についてもこちらでは伏せさせて頂きます。
1) Basic Camera View(標準版) : USD$ ? /カメラ1台あたり
2) Advanced Analytics(機能充実版) : USD$ ? /カメラ1台あたり
3) Infinite Storage(長期データ保存版): USD$ ? /カメラ1台あたり
日本国内提供:あり
導入企業:Lolli & Pops, Brown Shoe Company,他多数
| RetailNext(リテールネクスト)
Wouldn’t It Be Nice to Know Your Shopper? from RetailNext on Vimeo.
URL:retailnext.net/ja/home-jp/
特徴:店舗内の監視カメラやWifiの電波強度、気象情報などを情報源に、買い物客の「振る舞い」を教えてくれる様々なツールを提供。
また、ユーザーの導線以外にも多数見れるデータがあり、例えば「どの棚に何人が何分立ち止まったか」や「トルソーの前に10秒以上立ち止まったらレジ裏でアラームが鳴る」などがある。効果として「店舗売上アップ 8-10%」「商品カテゴリ別購買率アップ40%」「メンバーカード入会率アップ 5-10倍」といった事例もあるようだ。
費用:非公開
日本国内提供:あり
導入企業:世界40カ国/250社以上(Sun & Sand Sports,Marine Layer,Bloomingdale’s,BucketFeet,b8ta,Avenue K Mall,Art of Shaving,Brookstone,Atlanta , HawksGordmans,Club Monaco,Gander Mountain, 他多数)
| Euclid Analytics(ユークリッドアナリティクス)
URL:euclidanalytics.com/
特徴:wifiを使用し計測。他サービスのようにカメラに設置する形式ではないので比較的導入は容易です。過去計測したwifi情報などから新規顧客なのかリピーターなのかも判別可能で、店舗前を通過した人の中で何人が入店したのかのCV率も計測できます。
費用:不明
日本国内提供:不明
導入企業:不明
| abeja dashboard
URL:service.abeja.asia/
特徴:日本企業。既に国内大手メーカーでの導入事例あり。
通行者の顔画像を取得し、年齢/性別を判別することができる。
店舗ごとのターゲット層の把握、客層に沿った店舗カスタマイズに活かす事が出来きます。
費用:月額15,000円〜(先着88社)
日本国内提供:あり
導入企業:三越伊勢丹,WEGO,JUN,GEO,ビジョンメガネ,東急,FOODiSON,SAKAZEN,Gulliver,他多数
| [特別編] Esasy(エサシー)
こちらは他サービスとは少々異なるサービスですが期待のサービスなのでご紹介です。
画像参照元:jp.techcrunch.com/2016/01/21/futurestandard-secured-130m-yen/
URL:www.esasy.tech
特徴: デジタルサイネージ(電子看板)が何回見られたかを計測することが可能です。顔認証を活用し、看板に対して正方向に顔が向いたことを自動検知し「1閲覧」と見なすようです。また、動画のリアルタイム処理による通行人数のカウントや、顔画像から年齢/性別を判別することが可能です。
個人情報保護の観点から、端末側でデータの処理を行い、画像や映像といった個人情報をクラウド上にあげなくても使えることも特徴なようです。LTEにも対応しているため、電源とネットワークさえあればすぐに利用可能。
費用:初期12.8万円,月額1万円/カメラ1台(wifiモデル)
日本国内提供:あり
導入企業:IN NATURAL等
| 実店舗解析ツールの使い方は難しい?どれを使ったら良いかわからない?
いずれのサービスでも基本的には来店数やヒートマップ、その顧客属性が見れるのですが、どのサービスを選ぶべきか決めかねてしまうかと思います。(導入事例数や値段だけでの比較をせざるをえないことでしょう…)
オススメの選び方としては、随時機能アップデートがなされているか否か(=開発体制が整っているか)、サポートがあるかどうか(営業チームがツールを使いこなしているか。事例を多数把握しているか)を見て判断する方法です。web解析ツールはまだまだ使用すること自体ハードルが高く、使いこなせないという問題に直面してしまいます。
そこにWebリテラシー、商売リテラシー、営業的なコミュニケーション能力を備えた営業担当が、サービスを利用するクライアントに結果を出してもらえるようサポートをしていく必要があります。
| ショッピングセンターでの活用
例えば大規模ショッピングセンターにおいては、場所の善し悪しに影響されない坪単価あたりの収益性を可視化することができ、収益性の高いテナントがどこなのかを知る事ができます。
この情報を持って最適化し、他モールへも横展開していったら。。。一体何億円分改善できてしまうのだろうとワクワクしてしまいまね。。。!!!
その他こちらのサービスもご参考までに。
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jp.techcrunch.com/2015/09/24/placemeter-measures-retail-shop-conversion-rates/
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brickstream.com
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