2月14日から3月23日までギンザ・グラフィック・ギャラリー(以下ggg)では、YOSHIROTTEN個展「Radial Graphics Bio/拡張するグラフィック」を開催している。gggはグラフィックデザイン専門のギャラリーとして1986年にスタートし、同領域の進化と革新を記録していく場所として、高い芸術性や作家性を兼ね備えたグラフィックデザイナーやアートディレクターの展覧会を開催している。本展が第400回展となる。
本展は、YOSHIROTTENの「グラフィック」に纏わる原体験をテーマにしたアート・シリーズ《RGB Punk》の作品群で構成される1階展示室からはじまる。60台のモニターディスプレイの大型作品《Signal RGB》は、2019年に発表した作品を本展の空間に合わせて拡大。また、昨年アートイベント「EASTEAST_TOKYO 2023」で展示された《RGB Machine》も再展示されている。
モニターディスプレイの光と最小限の照明だけが光源の1階展示室から階段を降りると、白く発光する空間が地下展示室がある。この部屋全体がインスタレーション作品《R.G.B. (Radial Graphics Bio)》であり、全16台のモニター、発光する床、台座に設置された3つの物体と岩、空間全体を観賞・体験できる。モニターで再生されるのは、過去15年間に創作したグラフィックから選ばれた500を超えるイメージを組み合わせた動画だ。再生される16種類の動画の組み合わせは、その時一度きりしか現れず、そこに立ち現れる景色は偶然性と一回性を伴っている。
またgggの刊行する書籍シリーズ「gggBooks 世界のグラフィックデザインシリーズ」の最新刊として「gggBooks-136 YOSHIROTTEN」が発売。あらゆる種類のグラフィック、ロゴデザイン、空間デザイン、ファインアート作品など様々な機会とメディアのために創作されたものたちのイメージが網羅的に紹介される。
photo by Yasuyuki TAKAKI