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TSIグループのEC戦略にみる、モール型自社ECとブランド単独のオムニチャネルサイトの関係性



TSIホールディングス傘下のTSIECストラテジーは、グループEC戦略のけん引役としてブランド単位のオムニチャネルサイト(O2Oサイト)を強化・拡充するのに加え、ポイント機能付きのブランドアプリ開発のほか、越境ECや海外ECモールへの本格出店などに乗り出す計画だ。

TSIグループは、実店舗については構造改革に伴うブランド廃止や店舗閉鎖などで減収傾向が続いているが、2016年2月期のグループEC売上高は前年比7・9%増の196億8400万円と堅調で、今後も安定成長を目指している。

成長のけん引役として期待しているのが、商品の店頭受け取りや取り寄せ(試着予約)、店舗在庫の確認などができるブランド単位のO2Oサイトで、前期はECストラテジー管轄でECを展開するブランドのうち14ブランドのO2Oサイトを新たに開設し、O2Oサイトは25サイトまで拡大した。

同社によると、O2Oサイトの開設ラッシュとなったのは、基幹システムの刷新で新サイトを立ち上げやすくなったことに加え、2年前に先行実施した5ブランドのO2Oサイトの成果をしっかりと検証ができたことが大きいという。

とくに、「マーガレット・ハウエル」と「ナチュラルビューティーベーシック(NBB)」(=画像)というテイストや価格帯が異なる主力ブランドを先行して開設したところ、ECと実店舗を併用する顧客の購買単価は、どちらか一方の販売チャネルだけを利用している顧客に比べ、前者のブランドではプロパー期で約2・7倍、セール期は約3倍に、後者もプロパー期で約2・5倍、セール期は約2・7倍となり、ブランドに触れてもらえる時間が多いほど購買額が高まる傾向が得られたことをグループ内で共有し、前期のO2Oサイトの開設ラッシュにつながったようだ。

グループのブランドを横断的に扱うモール型の自社通販サイト「ミックスドットトウキョウ」とは異なり、O2Oサイトではブランドごとの集客施策が奏功したことや、各ブランド事業部と店舗のECに対する意識が変化したこともあり、前期のO2Oサイトの売上高は予算比で40%増と好調に推移。「新規開設したすべてのブランドで成果が得られた」(柏木又浩社長)とする。

東京スタイルのブランドも着手
一方、モール型の「ミックスドットトウキョウ」については、テストマーケティングを行うためのプラットフォームと位置付け、ウェブ接客ツールの「カルテ」など、新規のソリューションやアプリケーションを導入してトライ&エラーを繰り返し、成果が出たツールをO2Oサイトに移植している。

加えて、モール型サイトでは前期、ウェブ広告やアクセス解析など外部サービスが発行するHTMLタグを管理するタグマネジメントに注力。「タグやフィードをしっかりと使えないECは成功確率が上がらない」(柏木社長)とし、バックヤードの精度向上に努めた。

また、顧客を5階層に分け、ウェブ上でも上位顧客を大切にする姿勢を明確にしたことなどもあり、「ミックスドットトウキョウ」の前期売上高も予算比で約30%増となり、マイナスとなった月はなかったという。

今期は、残りのブランドについてもO2Oサイトの開設を推進。6月までに東京スタイルが手がける「ヴァンドゥー・オクトーブル」や「ピンキー&ダイアン」など5ブランドを含む6ブランドでスタートする。また、一部のブランドでは、あえてネットでは販売しない店頭限定品を展開。店頭受け取りを促すことで、客数の少ない実店舗の来店促進策としてO2Oサイトを活用することにも挑戦する。
(つづく)
[元記事:TSIグループのEC戦略は?㊤ O2Oサイトがけん引役に]

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