東京・世田谷に新たな飲食店「ヒア・カムズ・ザ・サン(Here Comes the Sun.)」が昨夏オープンした。
二子玉川と用賀を結ぶ瀬田交差点で営業中のヒア・カムズ・ザ・サンは、世田谷・瀬田に本社をおく株式会社FMJのサテライトオフィスと社員食堂を、飲食店としてカフェ&ダイナースタイルで一般開放する新業態。同社は、ファッションWEBマガジンをはじめ、編集制作プロダクションや撮影スタジオ、タレントキャスティング、空間デザインを手掛けるファッション業界のスタートアップ企業だ。
同名のビートルズの楽曲から名付けられた店名には、“パンデミックで淀んだ世の中の空気に終止符を打ち、前に進もう”という思いが込められた。実際の楽曲も、ジョージ・ハリスンが、エリック・クラプトンの自宅に遊びにいった際、部屋で暖かい陽射しを浴びているうちに自然にメロディが生まれたとされる、寒い冬から暖かい春への期待感が溢れる曲。同店のBGMでは、一定の頻度で同曲のさまざまなアーティストによるアレンジバージョンが流れる。
現在、提供されるのは、同社が2015年から展開するローカルスペシャリティショップ「エヌシー・トウー・ゴー(N.C. TO GO)」のパンケーキミックス「マミーパンケーキ(MOMMY PANCAKE!!)」を使用し、業務用の電気グリドルで丁寧に焼くオリジナルのパンケーキメニューが中心。北海道・留萌産で黄金の小麦粉ともいわれる「ルルロッソ」を使用しているため、しっとり・もちもちの食感が好評だ。コーヒーは、用賀「ウッドベリーコーヒー(WOODBERRY COFFEE)」のコーヒー豆を採用。浅煎りから深煎りまで常時3種を用意。同店監修のもと、最新エスプレッソマシンを導入し、バリスタがコーヒーやカフェラテを提供する。また、ボトルビールやクラフトビール、二子玉川の角打ちワインショップ「nico」からセレクトした、ヴァンナチュールのワインも楽しめる。
特徴的な内装は、オーナーのスガワラ ・ユウキ自らがデザイン。アメリカやオーストラリアなど海外のデザインホテルのレストランやロビーをイメージし、ビンテージとモダンをミックスした空間で開放感と居心地の良さを目指した。“ファミリーフレンドリー”もサービステーマの一つ。店内の通路を広めに取ることで、ベビーカーでの入店も歓迎している。テラス席では、ペット連れの来店客も飲食を楽しめるほか、テイクアウトカウンターでは、ほとんどのメニューをお持ち帰りできるようになっている。
働くスタッフもお店を作る重要なポイントと考えている。スタッフのファッションやキャラクターを大事にしながら、スタッフ自身も笑顔で楽しく働けることを意識するとともに、就職、独立、結婚、出産などさまざまな理由でいずれ職場を離れたとしても、気軽に立ち寄れたり、戻ってこれたりするようなアットホームな職場づくりを目指す。メニューにある、“コンフォートフード”のカテゴリーはオーナーの思い出の味。社員食堂としてスタッフにまかないとしても振る舞うメニューで、現在提供中のヒアサン風タコライスもその一つだ。
パンケーキカフェと誤解されがちだが、お店のコンセプトは、“地域に愛されるローカル食堂”。今後は、営業時間を拡大し、一品料理やお食事メニューも充実したい考えだが、昨夏から半年以上経つ今でもプレオープンというかたちをとっていたり、メディア取材を辞退していたのは、そのコンセプトにはまだ到底及ばないためだという。創業10周年を記念した同社の新規事業。今後のさらなる展開に注目が集まっている。
Here Comes the Sun.
住所:東京都世田谷区瀬田4-24-2 サンハイム瀬田1F
アクセス:東急田園都市線・用賀駅徒歩9分、二子玉川駅徒歩13分
営業時間:平日 10:00〜17:00(LO 16:30)
土日祝 9:00〜18:00(LO 17:30)
※プレオープン期間中
定休日:不定休 ※インスタグラムで随時営業日を更新
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