三越伊勢丹ホールディングスは、今夏、羽田空港に「イセタン 羽田 ストア(メンズ)ターミナル2」「イセタン 羽田 ストア(レディス)ターミナル1」を出店する。同社がウィメンズアイテムを取り扱うストアを空港内に出店するのは今回が初。これにより、12年4月より同空港国内線第1旅客ターミナルに出店中のメンズアイテムを取り扱う「イセタン 羽田 ストア」と合わせ、羽田空港内で3店舗体制となる。
イセタン 羽田 ストア(レディス)ターミナル1(以下、レディス店)は、7月18日、同空港第1旅客ターミナル2階出発ゲートラウンジにオープンする。敷地面積は約600平方メートル。レディス店の店舗デザインコンセプトは「オープンリビング」。開放感のある店内では、家の中や旅先でのシーンを想起させる空間演出がなされる。店内は4ゾーン」で構成され、衣料と雑貨を中心とした品ぞろえとなる。日常から旅へと、女性の気分やドレスコードの変化に沿うファッションやライフスタイルを提案するショップを目指すという。
一つめのゾーンは旅先でも日常で使えるアイテムを取り扱う「ウィークエンド」ゾーン。ここは、伊勢丹新宿店本館2階で展開する同社のプライベート(PB)ブランドを中心にしたコンセプトショップ「レディ フォア ザ ウィークエンド」が出店。「ボーダーズ アット バルコニー(BORDERS at BALCONY)」「コーヘン(coohem)」「マザー(mother)」などを取りそろえ、女性のトラベルワードローブを提案する。また、ハンドバッグ、財布、スカーフ、アクセサリーなどの雑貨もこのゾーンで展開。新ブランドとして、旅行をテーマにスーツケースやトラベルグッズを取りそろえる「フライトワン」が登場する。
二つめのゾーンでは「バカンス」をテーマに、リゾートを意識したサンダルやサングラス、帽子などの雑貨とコスメを中心に展開。日常から旅へ、気分をオフへ切り替えるためのアイテムを用意する。このゾーンには、伊勢丹新宿店地下2階の「ビューティアポカセリー」を大きく展開。「ジョンマスターオーガニック(john masters organics)」「ラ・カスタ(La CASTA )」「デイカ(DEICA)」など、ナチュラル指向のヘアケア、ボディケアアイテムも取りそろえる。
三つめの「トレンド」ゾーンは、伊勢丹新宿店の発信するトレンドファッションに加え、旅や日常における実用性を備えたファッションアイテム、ギフトアイテムを提案するエリア。ギフトは、”世界最新・最旬スタイルの提案”をコンセプトにした伊勢丹の自主編集ショップ「リ・スタイル」の感性でギフトを提案する「リ・スタイルギフト」を羽田向けに再編集して展開。また、東京で活躍するデザイナーとの限定性の高いコラボレーションアイテムを紹介する「東京デザイナーズ コラボレーション」をそろえ、「ミナ ペルホネン(mina perhonen)」「ハイク(HYKE)」などの別注品を販売する。同ゾーンはストアの中でも特別な位置づけのため、床の素材を他のゾーンとは切り替え、特別な空間を演出する。
四つめの「カフェ&リラックス」ゾーンには、伊勢丹新宿店でも展開中のカフェ「ローズベーカリー」とジューススタンド「スカイハイ」が並ぶ。ローズベーカリーでは空港店舗ならではのギフトボックスや、新しくオリジナルグッズを展開する。また、3席限定のネイルサロン「ウカ(uka)」もフライト前の時間に合わせて、幅広いメニューでサービスを提供する。
今夏の羽田空港内の2店舗出店は、三越伊勢丹が取り組んできた顧客接点拡大戦略の一環。羽田空港の乗降客は国際線国内線合わせて年間6,500万人以上といわれ、国内線第1ターミナルだけでも2,800万人が訪れる場所。今年3月の国際線大幅増便や2020年オリンピック開催を見据え、羽田空港は日本の玄関口としての役割を強めている。同社では、今後も空港の立地特性を踏まえた新しい店舗モデルの確立、空港店舗ビジネスの拡大を狙う考えだ。
メンズショップ「イセタン羽田ストア」は羽田空港第2ターミナルに6月13日にオープンする。後編に続く。
[元記事:三越伊勢丹、空港で出店加速。羽田にウィメンズ、メンズ店出店【前編】]
空港チャネルは、多チャネル展開が進むファッション業界にとっても重点戦略チャネルのひとつ。今回の”イセタン羽田ストア”も、前述のように独自性や編集力という伊勢丹の強みを活かした小規模店舗の事業化という新プロジェクトで、新規顧客の創造を目的として戦略的に推進強化しています。