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【インタビュー】松本恵奈の新たな発信とは?「クラネ」1周年で藤原ヒロシコラボ&メンズライン「クラネオム」デビュー



自身のブランド「CLANE」が1周年を迎えた、松本恵奈クリエイティブディレクター

松本恵奈が、新ブランド「クラネ(CLANE)」を昨年5月にデビューさせてから、1年が経った。元「エモダ(EMODA)」プロデューサーとして、独自のマーケットを築き上げた彼女のネクストステージは、ローンチ時から注目を集めている。

今回、ブランド1周年とともにリリースされたのは、メンズコレクション「クラネオム(CLANE HOMME)」の本格展開、さらには、藤原ヒロシ主宰「フラグメント デザイン(FRAGMENT DESIGN)」とのコラボレーションのニュース。

CLANE DESIGN株式会社の代表取締役社長として、そして、現在お二人目を妊娠中、ママとしての顔も合わせ持つ、クリエイティブディレクター 松本恵奈の”いま”について訊いた。

| ブランド 1周年を迎えて

ー まずはブランド1周年おめでとうございます。いまの心境をお聞かせください
松本:そっか。もうそんな時期なんですね。意外と長いような気もするし、どちらかというとまだ1年なんだ、って感じですね。毎日忙しすぎて考えたこともなかったなぁ。

ー 1年経ってみて、お客様の反応や周囲の反応はいかがですか?
松本:ブランドとしての課題が見えてきたところですね。立ち上がりの反応はすごく良くて、卸のほうも好調です。ポップアップショップは、特に百貨店さんの反響が良かったんですけど、その反面、ファッションビルの方は難しくて、MDとか変えていかなきゃいけないかな、など明確な課題がやっと見えてきた感じですね。お店も3月に出来たばかりで、反応もでてきたところなので、ここから軌道修正する時期に入っていくのかな、といったところです。

ー 今年3月には直営店もオープンしましたが、いまの顧客層は?
松本:一番多いのは30歳から40歳の間で、特に35歳くらいの年齢層高めの新しいお客様が多い印象です。前のブランドからの若い顧客の方は、ロープライスゾーンの買いやすいTシャツなどをメインで買ってくださっているのかなと思います。

ー CLANE DESIGNでは社長としての立場もあると思いますが、以前と違って難しいところや、考え方の変化などありますか?
松本:全然違いますね。まずはやっぱりコストに対しての意識はよりシビアになりましたし、大きな会社でしか働いたことがなかったので、その守られた環境と自分が一からやっている今の環境とのギャップはすごく感じます。プロデューサーと社長は立場が違うので。プロデューサーならクリエイションをしていればよかったですが、社長は全部見ないといけないし、社長としてのほうが全然難しいなと思いました。私自身、社長になりたかったわけではないんです。でも、皆が感じていることかもしれませんが、大きな会社でのしがらみは私も感じていて、それが今は自分で決めた道を自分でやっていけるのでちゃんと後悔もできる。それはよかったかなと。でも、やってみるとやっぱり難しさは感じています。

ー コレクションのテーマは設定されていないとのことですが、どのようなイメージでクリエイションされているのですか?
松本:その時の気分ですかね。私とデザイナーの気分がすごく似ているので、今季はこうだよね、みたいな話をしながら感覚で決めています。コレクションもまだ出ていない時期から作り出すんですけど、自分たちの気分からそんなにずれることもないので。もともと、クラネはわかりやすいトレンドは入れていなくて、どちらかというとフォルムやシルエットとか、全体感のバランスで今年らしさを表現するブランドです。

| メンズコレクション「CLANE HOMME」を2016FWよりスタート

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ー 「CLANE HOMME」は、ブランド2年目にしての立ち上がりですが、CLANEを始めた時から構想はあったのですか?
松本:HOMMEの構想自体は、たぶんあったのかな?くらいの感じです。前のブランドの時から実はメンズもすこし興味があったんです。買い付けに行くときもメンズのお店もまわるようにしていて、”こういうメンズがいたら絶対かっこいいじゃん!でも日本には全然売ってないし”って思ってて。その時自分はレディスをやっていたし、やったこともなかったので実際にやろうとはならなかったのですが。でもCLANEをお披露目した時に、業界のメンズの方々から反応がすごくよくて。大きいサイズがあったら着たいとか、メンズをレディスに落としたみたいだね、とかいう声も多くて。じゃあメンズもやっちゃおうかな、という思いつきみたいなところからスタートしました。

ー すごいスピード感ですね
松本:CLANEができて半年で(笑)。だから最初レディスだけでもすごくバタバタしてて、メンズもはじめるからってスタッフのみんなに言ったら、こんな忙しい時にこの人はなに言ってるの?みたいなテンションで猛反対されて(笑)。でもやるって決めたらやるからと。まずはスタッフの皆にも感覚を掴んでもらうためにも、2016年のSSでファーストコレクションとしてソフトローンチをしてはいたのですが、今年のFWコレクションから正式に立ち上がります。

ー お客様や周囲の反応はいかがですか?
松本:HOMMEが店頭に並んでから、男性のお客様がかなり来店してくださって。インスタグラムや雑誌にもあまり載せていないのに、何で知ってくれたんだろう?って私も思うんですけど。あと、HOMMEのお客様は、ファッション感度の高い方が多くて。バイヤーさんも感度の高いセレクトショップさんにオーダーを頂いてるので、今後に期待しています。

ー カップルや夫婦で着てほしい、みたいな意識はしていますか?
松本:そんなに意識はしてないんですけど、自然とそうなってきている気はしています。例えば、カップルで来店されて、彼氏さんは買うつもりなかったけど彼女を待ってるうちに買っちゃった、とか、展示会ではタレントさんが旦那様用にオーダーして気に入ってくださったり。”女の人が好きなメンズ服”だと思ってて。派手すぎないし、いきすぎてないし。ファッションがすごい好きってわけじゃない男性からも理解できて、とり入れやすい服だと思います。

| 藤原ヒロシ「FRAGMENT DESIGN」とコラボレーション、二人の意外な関係

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ー 今回のコラボは、WWDジャパンの誌面でのアプローチがきっかけとお聞きしました
松本:そうなんです。それからヒロシさんとご飯に行った際に、「君から変な手紙が届いたんだけど」って言われて(笑)。ジョークで終わるのかなと思ってたら、数日後には「こんなんどう?」ってメールがきてコラボが実現しました。

ー 意外な組み合わせですよね
松本:実は元々、ヒロシさんと地元が伊勢で一緒なんです。中学校が一緒で、小学校も隣だったりで。ヒロシさんがそのことを知ってくださっていて、the POOL aoyamaのレセプションにお伺いした時に、初めてご挨拶しました。それから、地元仲間みたいな感じでプライベートで仲良くさせて頂いています。伊勢のローカルの喫茶店には、私とヒロシさんのサインが並んでたりするんですよ。面白い関係ですし、縁を感じますね。

ー 展開アイテムは?
松本:MA-1とTシャツです。ヒロシさんが、1年前CLANEで作ったMA-1をなにも言わずにECで個人的に買ってくれてたんですよ。ギャザーが入ってるディテールを気に入ってくださったみたいで。それが今回のコラボに繋がってるというのもあるんです。最初はMA-1だけだったのですが、ヒロシさんがグラフィックを作ってくれて、それがすごいかわいかったので、Tシャツも作ることになりました。

| 2児のママになる、松本恵奈のクリエイション

ー お二人目を妊娠中とのことですが、プライベートと仕事の両立が大変かと思いますが、どのようにバランスを取っていますか?
松本:意外に全然大丈夫なんですよね。大変なのは、時間が足りないことくらいですかね。とにかく時間があったら仕事をしていたいと思っちゃうタイプなんで。でも、子どもの時間と仕事は分けたくて。家では仕事をしないし、できるだけ土日は休むようにしています。旦那さんも保育園に送ってくれたり、いろいろサポートしてくれるので、大変だけど、全然苦ではないです。

ー ママの視点はクリエイションに影響していますか?
松本:少しは入っていますね。子供がいたらしんどい服は着たくないじゃないですか。すごく動きづらい、重い、かたい、当たると痛いとか。私は前からそういう服は好きじゃないし、リアルに着られる服じゃないと自分も買わないので。それくらいの感じが好きですね。ママの視点を意識しているとしたら、ヒールでもスニーカーでもどちらでも合うようには意識してます。あとはやっぱり、私の背後にはお客様の目線が絶対あるので、仕事の時も育児の時もとかを考えながら、つくるようにはしてます。

ー プライベートで最近気になっているモノ・ヒト・コトはありますか?
松本:全然ないなー(笑)。私、たぶん自分が思ってる以上にすごい忙しくて、遊んでる時間もそんなにないし、ちょっとでも時間があれば仕事しようって思ってしまうんです。好きなことを仕事にしてるからだと思うんですが。やりたいことをやれているから、ほかに何かやりたいとは全然思わないです。強いていうなら、カメラが好きとか。でもそれも、自分が撮れたらブランドのECで使えるな〜とか思って、なんだかんだで仕事に繋がってたり。あとは、いま思うのはお腹が大きくなってきたので、妊婦服を買いに行きたいです(笑)

ー 最後になりますが、今後のCLANEについてお聞かせください
松本:今はまず、目の前にあることをコツコツと、とは思いますが、常に面白いこととか、ブランドとして発信できることはしていきたいと思っています。(既に)考えていることはありますが、たぶんやると思うのでまだ言えません(笑)。あとはせっかく自由になったので、個人的にもいろいろ面白いことをやっていきたいですね。

| TOPICS

藤原ヒロシ主宰「FRAGMENT DESIGN」と「CLANE」のコラボアイテム、9月リリース

MA-1とTシャツの2アイテムを展開。9月7日から13日まで開催される伊勢丹新宿店ポップアップにて先行発売後、9月14日よりCLANE 表参道、新宿、銀座の各店、オフィシャルオンラインストア、ZOZOTOWN、一部セレクトショップにて販売予定。行列・完売必至のアイテムとなりそうだ。

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CLANE/FRAGMENT PROJECT MA-1 46,000円(税別)/CLANEのMA-1の特徴であるバックギャザーディテールに、 フロントはB-15のディテールをミックス。袖には、プロジェクトオリジナルマークをプリント。3サイズ、ユニセックスで展開。

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CLANE/FRAGMENT PROJECT T-SHIRTS 8,900円(税別)/CLANEオリジナルTシャツのデザインをベースに、 フロントにライトグレーで統一されたプロジェクトオリジナルマークの刺繍がインパクト大。こちらもユニセックスで展開。

CLANE DESIGN Co.,Ltd  03-5464-2191
公式サイト

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