エアビーアンドビー(Airbnb)が、新たなサービス「トリップ(Trips)」を発表した。
これまで、旅行者の宿泊先として、空いてる部屋や空き家を貸したい人をつなげるプラットフォームを構築し、新たなトレンドを生み出した同社。そのプラットフォームを活用し、新たに仕掛けるのは、旅行者とその現地の人との交流を通じて“体験”のシェアを繋げるサービスだ。
体験は、現地のエキスパートが企画する手作りのアクティビティ。「侍の剣術ワークショップ」「パリでバイオリンの製作」「ケニヤでマラソンへの参加」といった数時間で終わる単発のものや、「マリブでクラシックカーについて学んで実際に運転する」という、数日間におよぶものも用意。個人のリコメンドとイベントを通じ、現地の人々しか知らない穴場スポットの発見、他の旅行客や現地の人々との交流など、スペシャルな体験を提供する。現在予約が可能な300万件もの「リスティング(部屋)」にトリップを加えることで、ユニークな旅行体験に導くという。
トリップは、世界12都市(ロサンゼルス、サンフランシスコ、マイアミ、デトロイト、ハバナ、ロンドン、パリ、フィレンツェ、ナイロビ、ケープタウン、東京、ソウル)における500あまりの「体験」とともにスタート。これら12都市に加え、大阪など世界39都市でもホストを募集。品質基準をクリアすれば、自身の「体験」を新たなホストとて掲載できる。また、ゲストが非営利団体を通じてコミュニティに何らかの還元を行うことで、社会貢献体験としても利用できる。
「Airbnbはこれまで部屋の代名詞でした。当社は本日、お客様の滞在先、アクティビティ、出会う人々をすべて1つの場所にまとめられるトリップを発表いたします。私たちは、どの旅行の中心にも人を取り戻すことで旅行を再びマジカルなものにしたいと考えています」と、ブライアン・チェスキー(Brian Chesky)CEOはコメントする。
なお、トリップは、「体験(Experiences)」、「スポット(Places)」、「ホーム(Homes)」という3つの主要エリアとともに開始。スポットは、現地の人がおすすめするショップやスポットを紹介する「ツウのリコメンド」情報とレストランをAirbnbアプリで直接予約できるように。また、ユーザー同士の出会いを繋ぐ「ミートアップ」、「音声ガイド」ツアーのサービスも世界で順次展開。世界191カ国で300万件もの部屋の予約可能な「ホーム」とともに今後は、レンタカーサービスやフライト予約、フードデリバリーなどを提供する「フライト(Flights)」と「サービス(Services)」が加わる予定となっている。
シェアリングエコノミーの潮流は、いまや体験のシェアにも及んでいる。2017年の新たなトレンドとして、世界を巻き込む注目の新サービスといえそうだ。