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【特集】ストレスレスなひと ── 鳥越 俊太郎(ジャーナリスト)



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<インタビュー>STRESSLESS PEOPLE

【特集】ストレスレスなひと ── 鳥越 俊太郎(ジャーナリスト)


今回はジャーナリストの鳥越俊太郎さんが登場。2005年の大腸がん発覚から肺と肝臓への転移という壮絶な闘病生活と4回の手術を乗り越えた鳥越さん。寛解した現在の生活は元気そのもの。美しいロマンスグレーと堂々たる体躯は、とても78歳とは思えないほど若々しい印象です。一方でがん治療や闘病における不安や恐怖は、計り知れないものがあるはずです。これまでストレスとどう向き合ってきたのでしょうか。そこには鳥越さんならではの意外な答えが待っていました。

Photo: MARIKO TOSA Text: KEI OSAWA Edit: YUKI SUGAWARA


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PROFILE:とりごえ・しゅんたろう_1940年3月13日生まれ。福岡県出身のジャーナリスト。京都大学文学部を卒業後、毎日新聞社に入社。その後さまざまな支局を経て、88年より雑誌『サンデー毎日』の編集長に就任。毎日新聞退社後はジャーナリストとして、書籍を執筆しつつ、ニュース番組のキャスターやコメンテーター、ラジオパーソナリティとして幅広く活躍している。

ストレスレス®チェアは長時間のリラックスに最適。シックな黒の見た目も気に入りました

── ご自宅でリラックスできる空間はどこですか?

一番はベッドですね。ベッドサイドにテーブルがあって、そこに薩摩の芋焼酎とアミノバリュー(栄養ドリンク)が置いてあるのですが、寝る前に『焼酎のアミノバリュー割り』を飲んで寝るという、それが最高にリラックスなシチュエーションですね。僕は夜中の3~4時に目が覚めることが多いので、そこから起きて食事をとって2~3時間くらいDVDで映画を見て、もう一度寝るっていう生活が多いです。睡眠は一度に6~7時間とるというのではなく、2~3時間を細かく分けてとるのが基本。あともう一つのリラックス空間は書斎。本棚の前に大きな机とリクライニングチェアがあるのですが、そこに座ってひたすらぼーっとするのが好きです。物を考えない時間は実にストレス解消になります。

── そのリクライニングチェアに座って、何をしているときがリラックスできますか?

読書もそうですが僕は趣味で俳句をやるので、ぼーっとしながらそこに座って俳句を作ったりしています。そのときはリラックスしていますね。今回準備していただいたこのストレスレス®チェアもリラックスできそうで、良い俳句が浮かびそうな気がします。取材が終わったら、改めてゆっくり座らせてください(笑)。

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── 鳥越さんは体を鍛えてらっしゃいますが、それもリラックス方法の一つですか?

そうですね。普段は「トータルワークアウト」(パーソナルトレーニングを中心としたジム)に通っています。トレーニング時間がおよそ1時間半で、その前後に20分ずつくらいマッサージを受けて。

── ジムで体を鍛えるようになったきっかけは?

70歳の年を迎えたときに、これからは老化が進む一方なので、下半身を鍛えていないと長生きできないと思ったのが最初です。それからは毎週2〜3回しっかりと通っています。ジム通いを始めて2年目に、ホノルルマラソンを完走しました。

── 70歳で始められてから、2年でホノルルマラソンってすごいですね。何かを始める際、ある程度目標を立てて始めるのですか?

そういうとかっこいいですが、そんな大そうなことではないですよ。僕は昔から努力をすることが大嫌いでした。でもこれまでの人生で、例えば受験も就職も、特に苦労をすることなく進むことができました。こう言うと嫌味だとか言われますが、じゃあ何で全てすんなり通ってきたかといえば、僕はほかの人よりもものすごく好奇心が強いんです。恐らく人一倍強い好奇心で、受験も就職も乗り越えてきたのだと思います。努力することってストレスになるじゃないですか。僕はそういうのはイヤだったので、できるだけ努力をしない。だから好奇心の赴くまま、学校の授業はちゃんと聞いていて、それ以外に努力はしませんでした。ただ、好きな本や新聞など授業以外に興味のあることには目がいきますから、そこではちゃんと知識を得ていました。新聞も毎日読んでいましたし。だからジムへ行くことが目標のために努力している行為かと言われると、僕にとってはそういう感じではないんですね。単純に自分の体に筋肉をつけていく過程が楽しい、ただそれだけです。

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愛する妻と一緒にいる時間こそが、最もリラックスできる時間

── そういった好奇心は、つねに持っているものですか?

もちろんそうです。なくなったら死ぬときじゃないですか。好奇心って、若いときはものすごくもっているじゃないですか。でも年齢とともにだんだん失われてきますよね、高齢化=好奇心の薄れっていう。だから若さを保つには好奇心をもつことだと思います。実年齢は78歳ですが、精神年齢は18歳ですから(笑)。年齢を重ねた人間に対して「あいつはいい感じで落ちついたね」とかってよく言うけど、それは僕から言わせれば褒め言葉でも何でもない。いつだってきょろきょろしながら生きていかなきゃ。前方から美女が歩いてきたら、やっぱりきょろきょろしないと(笑)。そこで振り向かなくなったら終わり。

── 最初にがんが発覚して、それを知らされたとき、どんな気持ちでしたか?

そのときはそんなにショックではなく、俺もとうとうがんになったかという感じでしたね。何故がんになったかは自分でもわからないです。よくストレスががんの原因だと言われますが、ストレスなんてなかったですから。自分の性格はどちらかというといい加減、よく言えばネアカ、楽天的、極楽とんぼというタイプで。

── がんをわずらう前と後で、ご自身の中で変わったことはありましたか?

特にないですね。大病をわずらうとよく「人生観が変わった」なんていう人もいますが、人生観はそう簡単には変わらないですよ。人間は生きているけどやがて死ぬという、絶対に変わらない真実の前にどう生きていくかっていう。生と死をどう受け止めるかって、人それぞれちがうじゃないですか。いずれやってくる死の前で、あわてずに従容として迎えられるかどうかっていうことでね。もちろん、健康には気を遣うようにはなりましたけど。あと老化というものは抗えないものですが、今まで以上にストレスを抱え込まないようにはなったと思います。人間のもっている一番大事な力は免疫力で、これは誰もがもっていて、自分の体の中にある病などをなおしてくれる力です。がんはもちろん、病気に最も有効なのが免疫力ですから。だからこの力を高めるべくすごしています。高めるのに一番有効なのは笑うことです。

── 笑うことで免疫力が高まるということは、精神と肉体の繋がっているということですね。

そうですね。心や気持ちなど色んなことがありますが、そういう肉体的なものではないもの、そういうものが肉体に影響を及ぼすことはあると思うし、その逆もあると思う。ストレスというのもそういうものですよ。

── では、鳥越さんがよく笑うときはどんなときですか?

それはもちろん妻と一緒にいるときですよ。リップサービスではないですよ、いないと生きていけないですから(笑)。妻は私がイラク戦争のときにイラクに行くと言っても反対しませんでしたし、がんとわかったときも泣きわめいたりしなかったですから。私自身のストレスの無い生活の一旦は、妻の存在がおおいにあると思います。よく二人で旅行に出かけます。ぱっと思いたって仙台や伊豆の温泉宿に一泊で行ったり。あと船旅も大好きで、つい先日も二人でクイーン・エリザベスに乗ってクルージングに行ってきました。

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今後も好奇心を持ち続けることで、ストレスレスな生活を送りたい

── 実際にストレスレス®チェアに座ってみての感想をお聞かせください。

リクライニングもできるし、頭と首の位置を固定しながら高さや角度を調整できるので、それぞれの負担も軽減しますし長時間リラックスするには最適ですね。自宅には横になってテレビを見るためのソファがあって、それはイギリス製のわりと高価な革製のものなのですが、なぜか頭と首と肩の位置がどうにも落ち着かない。脊柱管狭窄症を患っていて首の痛みがいま一番のストレスなんです。なので、頭と首をサポートしてくれるものは自分がまさに求めていたものですね。できることならこのストレスレス®チェアで、ぼーっとしながら映画やテレビを見たり、俳句を作ったりしたいです。あと見た目も良いですね。革の高級感もそうですが、私はスーツでも何でもブラックが好きなのでこれはぴったりです。

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── 今最も熱意をもって取り組んでいることは何ですか?

まず月に一回、俳句の句会がありますので、その作品作りですね。あと実は今、映画を作りたいと思っているんです。それはなぜかといえば自分は新聞記者、テレビのニュースキャスター、ラジオやネットのパーソナリティまで表現媒体は一応全部やらせてもらって、最後に残ったのが映画なんです。映画は人間が創り出した表現の形とて、僕にとっては一番興味深いものなんですよね。僕は監督はできないので、自分で構想を考えて関わりたいと思っています。今は原作を探しつつ、監督や脚本家を決めようとしている段階まできています。

── ではジャーナリストとして熱意をもって取り組んでいることは?

それはもちろん日々起こっているすべてのニュースです。政治、経済、社会、呼吸をすることと同じように毎日ニュースに触れて生きてますから、つねに注視しています。最近はテレビにはあまり出ていないので表現の場が少ないですが、自分が興味をもったことや意見を言いたいときはブログで書くようにしています。

── 今後、一人の人間としてどうありたいですか?

どうありたいと言ったって、残り時間はそう多くないですからね(笑)。極端な話、東京オリンピックまで生きていられるかわからないということも、考えようによってはあるわけで。ただ母は95歳まで生きて僕もその長寿の遺伝子を受けついでいるので、僕も95歳までとはいわず、それに近い年齢まで頑張りたいですね。その残りの時間に何をするかということが、これからの人生の最大のテーマです。あと本を何冊書くか、そして俳句を何本作るかとかやりたいことは尽きないですね。少なくとも、探究心や好奇心はこれまで以上に持ち続けると思います。

── 背筋はしゃんと伸び髪はロマンスグレー、78歳にしてますます意気軒昂な鳥越さん。もちろん、現役のジャーナリストとしてメディアを通じて今なお自身の意見を発信し、気になるニュースがあれば徹底的に追求し続ける姿勢も、今なお健在。そんな鳥越さんに、現役記者としてつねに好奇心を持ち続けること、また人に会って話を聞くことは疲れませんかと質問をしてみました。すると「疲れるなんて言っていられないよ、楽しいんだから」とひと言。自分たちもまだまだ精進せねばと、気を引き締めたスタッフ一同なのでした。

今回のストレスレス®チェア

── 今回、鳥越俊太郎さんに座っていただいたのは、ストレスレス®の中でハイエンドモデルの「ストレスレス®マジック」です。背骨ラインを境に左右に分かれたクッションがマジックのように両側からしっかり体を包み込み、適切な位置でサポートします。

■チェア
ストレスレス®マジック(M)シグニチャー
張地:本革 (ノブレス/ブラック)/脚部:ウッド(ウェンゲ)
W84 H102/112 D77 SH47

■サイドテーブル
ストレスレス®USBテーブルA
ガラス/ウッド(ウェンゲ)
W:52 H:50/73 D:42

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「ストレスレスなひと」とは────
いま、働き方改革、地方移住といった生き方や暮らし方の価値観が急速に変化しています。読者が求める暮らしのキーワードを「ストレスの無い=ストレスレスな時間」と設定。そんなたいせつな時間を作り出す、至高のツールとして長く愛される、ノルウェーの家具メーカー「エコーネス(EKORNES‎)」のストレスレス®チェアと共に、新しいモノやコトを“生み出すヒト”に焦点を当てた、インタビューを敢行。その言葉を通して、いまの時代に即したストレスレスな生き方や暮らし方のヒントを探っていきます。本企画は、エコーネス社が運営するストレスレス®チェアのWEBマガジンstressless® Moment(ストレスレス®モーメント)との連動企画です。ストレスのない快適で心地よさを演出するコト、自分らしく人生を楽しむヒトなどを紹介するコンテンツが充実。こちらもぜひご一読ください。

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