インスタグラム(Instagram)上で投稿された画像にECへのリンクを直接貼ることができるショッピング機能「ShopNow」が日本でも解禁。すでに一部のECモールにて、テスト運用として展開がスタートしている。
現在運用が確認できるのは6社。「ジャーナルスタンダード(JOURNAL STANDARD)」や「スピック&スパン(Spick & Span)」などを展開するベイクルーズグループのアカウント「ベイクルーズ(@baycrews)」、ファッション通販の「ゾゾタウン(@zozotown_official)」や「「ギルト(@giltjapan)」、ハンドメイドマーケットの「ミンネ(@minne_official)」と「クリーマ(@creemajp)」といったECモール、ボタニカルシャンプーの「ボタニスト(@botanist_official)」だ。
今回のショッピング機能は、タイムラインで投稿された画像にタグ付けのように商品リンクを直接貼ることができる仕様。スマートフォンアプリのみの対応で、目印は買い物カゴのアイコンで、そのアイコンがついた画像をタップすると、商品画像をワンクッション挟むだけで、「購入する」ボタンからそのままECの購入ページにリンクする。これにより、ユーザーはインスタグラムで気になった商品を検索することもなく、ストレスフリーで即購入が可能となる。現状「ストーリーズ」で展開されているリンクの機能とは違い、アーカイブの画像にも適用でき、かつほかのサイトへの離脱も防ぐことができるので、EC事業者にとってもコンバージョンを高める大きな有効手段となりえるだろう。
画像:「ゾゾタウン(@zozotown_official)」
なお6月5日、ビジネスが利用できる新たなツール「ショッピング機能」として正式リリースされ、それと同時に、「ショッピング機能の導入に必要な条件」も発表された。
・ビジネスで、提供者契約とコマースポリシーに準拠した物理的な商品を販売している
・Instagramアカウントがビジネスプロフィールに移行済みである
・Instagramアカウントが所有権のあるFacebookページと接続されている
・Facebookページでショップセクションを追加もしくはビジネスマネージャでカタログを作成している(あるいはBASE、EC-Cubeなど、カタログ作成をサポートする国内事業者のECプラットフォームと連携する)
・上記の要件が満たされると、アカウント審査が行われ、製品のタグ付けができるようになります。
また、テスト運用に参加した、テストパートナー各社からのコメントも発表されている。
・株式会社ベイクルーズ EC統括 セールス&サービス Div. デジタルコミュニケーション Sec. 馬來 真知子氏
「ショッピング機能によって、ユーザーが知りたい、欲しいというモチベーションが高い状態のときに情報を提供できるようになることで、今まで以上に商品を知ってもらえたり、ブランドの世界観を伝えたりすることができるようになると感じています。また、これまでリーチできていなかった潜在顧客との接点を持つという意味でも期待しています。」
・株式会社I-ne BOTANIST ECセールス部 部長 小松 悠氏
「Instagramは、これまで認知・興味形成に強みがあると感じていましたが、ショッピング機能で購入まで繋げることで、顧客によりシームレスな体験を提供できるようになり、コミュニケーションをより強固にできると確信しています。」
・GMOペパボ株式会社 minne事業部 事業部長 阿部 雅幸氏
「minneはもとより多くの作家にとっても、Instagramはすでにブランディングや集客の重要な役割を担っています。Instagramで紹介した作品に対して “どうすれば買えますか” という購入者からの問い合わせも多かったため、ショッピング機能は作家・購入者双方の利便性を高めてくれるソリューションであると期待しています。」
・株式会社スタートトゥデイ ZOZOTOWN EC事業本部EC推進部 SNS担当 井上 沙紀氏
「Instagramはブランディングの形成という位置付けでしたが、ショッピング機能により、ひとつの販売チャネルとして活用できることを期待しています。商品の詳細ページから購入リンクへの遷移率は思った以上で、ユーザーの購入モチベーションと、ショッピング機能のユーザビリティの高さを感じました。」
さらに、ネットショップ作成サービス「ベイス(BASE)」では、ベイスの商品とインスタグラムを連携することでインスタグラムで商品を販売できる自社内アプリの提供を開始。あくまでベイスの出店者向けではあるが、インスタグラムの投稿に商品をタグづけして、BASEの商品販売ページへ直接リンクさせることができるので、販売促進の一助となる。
これまで2017年3月からアメリカで導入後、「リーバイス(Levi’s)」や「ギャップ(GAP)」など一部の海外では運用されていたため、日本での導入が期待されていた。今後、一般企業にも運用が開放されたことで、インスタグラムにおけるマーケティング活用とアカウント運用の重要性がさらに加速しそうだ。