2005年にスタートし、今年で15周年を迎えた「グリーンルーム フェスティバル(GREENROOM FESTIVAL‘19)」が5月25日・26日に横浜赤レンガ地区野外特設会場にて開催された。最高気温30度を記録し、まるで真夏のような天気となった2日間。両日で合計約12万人が来場した。
初日にはグラミー賞を受賞したソウルシンガー リオン・ブリッジズ(Leon Bridges)、2日目にはトム・ミシュ(Tom Misch)がそれぞれヘッドライナーを務め、KICK THE CAN CREW、クレイジーケンバンド、THE BAWDIES、Caravan、Nulbarich、Emi Nakamura、SIRUP、FISHBONE、YUKA MIZUHARA、Aloe Blac、Corinne Bailey Rae、Tommy Guerrero、Chara、HY、EGO-WRAPPIN’、向井太一など、多岐にわたるジャンルから、国内外のトップアーティストが集結して行なわれた。
同フェスティバルの大きな特徴と言えるのが、入場無料のフリーエリアが設けられている点だ。「サーフマーケット」「アートギャラリー」だけではなく、会場を構成する8つのステージやラウンジのうち4つはフリーエリアに含まれ、来場者はもちろんのこと、赤レンガ地区を訪れた観光客へも開放的な雰囲気の中で開催された。
今回、編集部が特に注目したのは、都心から好アクセスの都市型フェスということもあってか、ベビーカーで来場するファミリーの姿も多く見られたということ。フリーエリアのひとつ、「ワークショップ」会場で行なわれたDJリトミックユニットJETMANによる「KIDS DISCO」では、音楽に合わせて満面の笑顔で踊っている大勢の子供達の姿も印象的だった。なお、有料エリアも小学生以下の子供は保護者1名につき1名入場無料になる。
DJ JETMANのMASARIは、「“子供がいるからフェスに行かない”ではなく、“子供がいるからフェスに行く”という方が増えて欲しいという想いでやっている」と語る。音楽フェス世代ともいえる子を持つ親の気持ちをよく理解する、なんとも頼もしい着想だ。それもそのはず、DJ JETMANは、実際に保育園の園長を務める現役保育士MASARI先生と幼児体育指導者DJ THEによるユニットなのだ。ステージのラストには、「(連れてきてくれて)ありがとうございました」という子供たちの掛け声で終わらせるのも先生らしい演出だ。
同エリアには無料で楽しめる大型エアー遊具や、授乳室・オムツ交換室も併設されていた
このほか、HYメンバーがプロデュースするHeartY Villageによる楽器を作って子供たちとセッションするワークショップをはじめ、恒例となっている「ハミングバード」ステージ横のツリーハウスでは子供たちが登って遊ぶことができたり、その横には涼をとるかき氷も販売。企業による各協賛ブースにも子供が楽しめるワークショップがあったりと、子連れでも楽しめるコンテンツが充実していた。
そして、ファミリーでも楽しめるフェスであることを象徴する演出がステージ上でも繰り広げられた。2日目の夕暮れ、メインステージに登場したCharaは、「みんなは誰ときているの?友達?家族?わたしにも大事な家族がいて・・・HIMIです」と紹介すると、愛息子である俳優の佐藤緋美がギターを抱えて登壇。
彼が生まれたときに贈った名曲「大切をきずくもの」を愛息子のギター演奏で披露した。その佐藤緋美も歌声を披露、夢の親子セッションが実現し、会場は驚きと感動に包まれた。「特別なことがしたいの」というCharaは歌い終わると、少し照れながらも嬉しそうにあらためて息子を紹介。そして、佐藤緋美も母を紹介。アーティストサイドも家族でフェスを楽しんだ。
グリーンルーム フェスティバルならではのグルーヴィかつメロー、そしてファンキーな空気感が充満した、最高の2日間が終演した。