創業68年の歴史を持つ京都発の小川珈琲が新業態とし、「オガワコーヒー ラボラトリー(OGAWA COFFEE LABORATORY)」を東京・桜新町に8月1日にオープンした。
同社は1952年に京都で創業。以来、時代に求められる本物の価値を提供するコーヒーロースターとして、また生産者と消費者をつなぐコーヒーサプライチェーンのハブとして、珈琲文化の創造と持続可能な社会に貢献することを目指してきた。
旗艦店となる同店は、「京都の珈琲職人」として、そのヴィジョンを具現化する目的で誕生。クリエイティブディレクターには、数々のショップディレクションや空間デザイン、ブランディングに携わる南貴之氏を迎える。
位置するのは、東急田園都市線の桜新町駅から徒歩約3分。古式神道を受け継ぐ大神の宮として地域の人々に親しまれてきた「桜神宮」裏手の住宅街に佇む。空間の中央には、茶室のようなにじり口のある「蔵(コーヒー豆の貯蔵庫)」をシンボルとして配置。その周囲に浮造りのカウンターを回遊させ、キッチンと客席を緩やかにゾーニング。ガラス張りの焙煎室とともに、客席のどこにいても珈琲職人の「所作」が見える空間を目指した。
また、和紙を使い左官仕事で壁面を仕上げ、床材に京都の廃線市電の敷石を使うなど、モダンでありながらも職人の手の痕跡が残るディテールで伝統的な日本の美意識を表現。加えて、ガラスのファサードから差し込む自然光を活かし、ライティングを最小限に抑えることで、時間の移ろいを感じられる空間が誕生した。目指したのは、伝統と革新というアンビバレンツな要素の融合。そんな同社の思いをデザインチームの建築デザイナー・関祐介氏がカタチにし、内装デザインを手がけた。
店内では、常時21種以上のコーヒーを備える他、毎週入れ替わるトップグレードススペシャルティとして、栽培や精選方法にこだわり、生産者とともに作り上げた希少銘柄や各国の品評会で買い付けたコーヒー豆をラインナップ。店内でローストするシングルオリジンや同店独自の深みとコクのある味わいを堪能出来る多種多様なブレンドを、好みの抽出方法(エスプレッソ・ プワオーバー・エアロプレス)で楽しめる。
ジャパンラテアートチャンピオンシップ優勝を始め数々の賞を受賞した衛藤匠吾氏を始め、トップレベルの技術を有するバリスタによるとっておきのシグネチャードリンクやコーヒーカクテルも提供。店内には、シェアロースターとして利用可能な店内焙煎機と、ワールドバリスタチャンピョンシップの競技会水準のトレーニングが実施できるステーションを用意することで、さまざまな知見が集い、コーヒーの楽しみ方を追求する拠点を目指した。
料理は「シェルシュ」の丸山智博氏を監修に迎え、コーヒーとのペアリングを重視して炭焼きをコンセプトにメニューを開発。スペインのジョスパーチャコールオーブンを採用し、朝のトーストからディナーの肉料理まで、原始的でありながらも旬の食材の美味しさが際立つ、五感に訴えかける料理が楽しめるのが魅力だ。
こだわりの豆は、南米、中米、アジア、アフリカなど世界約20カ国、約500農園で育った生豆からブレンド。同店では常時21種のシングルオリジンとブレンドを用意し、より直感的・視覚的にコーヒーを選べるよう、定番ラインナップの味覚が俯瞰できる「フレーバー コンパス(FLAVOR COMPASS)をカウンターメニューに記載。さらに各銘柄についてより深く知れる生産国・農園・精選方法等のデータや珈琲鑑定士やバリスタが味わいや生産者への思いを綴ったディスクリプションカード「ビーン(BEAN)」も製作。また、オンラインショップでもコーヒー豆を販売し、自宅でもその味を楽しめるようになっている。
オガワコーヒー ラボラトリー
住所: 東京都世田谷区新町3-23-8 エスカリエ桜新町 1F
TEL/FAX:03-6413-5252
営業時間: 7:00~22:00(L.O.21:30)
オープン日: 2020年8月1日