アーティスト・田名網敬一氏による個展「TANAAMI!! AKATSUKA!! / That‘s all Right!! 」が、渋谷パルコ 4階「パルコミュージアムトーキョー(PARCO MUSEUM TOKYO)」にて、開催中。会期は、1月21日から2月13日まで。
同展は、田名網氏が生前に親交があった赤塚不二夫氏への想いを馳せて鋭意創作を続けて生まれたスペシャルコラボレーション。二人は、田名網氏の秘めた尊敬の念によって細く長く結ばれていることで知られる。70〜80年代によく新宿や六本木のバーで一緒に酒を飲んだ記憶を語る田名網氏は、幼少期に漫画家に憧れていた自分のプライドが邪魔をして、当時プライベートな時間を共有する関係性までは築けなかったと語る。しかし、「信じられないくらい良い人だった」と田名網氏が語る赤塚氏の存在は、「バカは真面目に」という赤塚氏の精神と共に、田名網氏の作品にも深く刻まれている。
2015年にバンク ギャラリー(BANK GALLERY)にて開催された赤塚氏の生誕80周年を祝した展覧会「赤塚不二夫のビチュツ展」や、先日「フジオプロ」の旧社屋解体に伴い開催されたフジオプロ旧社屋をこわすのだ!!展「ねぇ、何しに来たの?」にも作品を寄せている田名網氏だが、同展は赤塚りえ子氏の協力のもと赤塚氏の代表作である「ひみつのあっこちゃん」や「天才バカボン」などの原画をモチーフに、ペインティング、コラージュ、ネオン、インスタレーションと様々な形式で新たな作品を制作した。
中でも「天才バカボン」のエピソード「整形手術の熊さんなのだ」に登場する顔を家にされてしまった男のキャラクターが田名網氏の手によって茶室として生まれ変わったインスタレーション作品、イヤミの象徴的なフォルムと赤塚作品の最大の特徴でもある漫符、オノマトペを抽出して制作されたネオン作品は、同展覧会最大の見どころだ。また、同展企画に合わせて、集英社による特装版作品集「That‘s all Right!!」(999部限定・税込 9,990円)の出版及び集英社マンガアートヘリテージ(SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE)によるプリント作品もリリース。これらのプリント作品は、70年代から「プレイボーイ(PLAY BOY)」など、数々の集英社雑誌のアートディレクションを手掛けた田名網氏と集英社の再タッグを象徴する印刷メディアとして、グラビア印刷の技術を駆使した過去に前例のないアート作品として印象的だ。
「TANAAMI!! AKATSUKA!! / That‘s all Right!!」展示概要
会場:PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO 4F)
住所: 東京都渋谷区宇田川町15-1
会期:2023年1月21日(土)〜2月13日(月) 11:00〜21:00
※入場は閉場の30分前まで ※最終日18時閉場
入場料:一般 500円(税込)/小学生未満無料
主催:PARCO
企画:NANZUKA
協力:集英社