矢野経済研究所は、「国内靴・履物市場に関する調査結果2014」を発表。靴・履物及び靴業界関連企業(メーカー・卸売業・小売業)へ2014年12月~2015年4月の期間に行った独自調査をまとめた分析レポートとなっています。
今回の調査結果サマリーは以下の通り。
| 2014年度の国内靴・履物小売市場は、前年度比100.9%の1 兆3,870 億円の見込み
2013 年度の国内靴・履物の市場規模は、小売金額ベースで前年度比101.6%の1兆3,750 億円と2期連続で増加した。インポートブランド(シューズ)を中心とした高額商品が、富裕層や中間所得層、訪日外国人観光客への販売で好調に推移しているほか、カジュアルスニーカーのヒットもあり、市場規模は増加している。2014 年度も同様の傾向が続いており、同小売市場規模は前年度比100.9%の1兆3,870億円の見込みである。
| 2014 年度のアイテム別小売市場では、スポーツシューズが前年度比105.1%の見込み
2014年度の靴・履物小売市場をアイテム別でみると、スポーツシューズが好調を維持し、前年度比105.1%の5,780 億円の見込みである。スポーツシューズの中でも多目的シューズは、男女共にカジュアルスニーカーがファッションアイテムのトレンド商品となったため、好調な売れ行きをみせている。一方で、紳士靴は前年度比98.7%、婦人靴は前年度比97.0%と減少傾向が見込まれ、ベビー・子供靴は前年度比100.0%と横ばいの見込みである。
上記のなかでも特に注目は、スポーツシューズ市場の堅調。個人消費の回復に伴い、各メーカーのハイエンド商品や高価格帯モデルが好調に推移していることや、多目的シューズの中でカジュアルスニーカーが男女共にトレンドアイテムとして人気を集めていることが、市場の拡大要因としてあげられています。特に海外スポーツブランドのカジュアルスニーカーは人気が高く、日本人だけでなく訪日外国人観光客も購入していることも注目の要因です。また、2020年東京オリンピックの開催決定により、スポーツに対する消費者の関心は今後も高まっていくことが想定され、スポーツを核にしたライフスタイルの商品提案を行う企業の取り組みが増加し、スポーツシューズ市場は拡大が続いていくと予測しています。
同市場は、各ブランドや流通各社によるさらなる競争激化が予測され、そのマーケティング施策と動向によりいっそう注目することができます。
・矢野経済研究所「国内鞄・袋物市場に関する調査結果2014」
http://www.yano.co.jp/press/press.php/001393