画像:米ギルトグループ「ダイレクトレスポンス型広告」事例
米フェイスブックは「インスタグラム」ですでに米国など7カ国で展開する広告サービス「ブランド広告」を5月に日本でも導入。広告主が属性などでターゲティングした「インスタグラム」の利用者のフィード(写真・動画を一覧できる画面)に他ユーザーの投稿画像と並列で正方形の写真・動画として広告を挿入する形としていた。
9月9日からはこの広告の機能を拡充。「ブランド広告」について、広告で使用できる写真・動画の形をこれまでの正方形だけでなく「横長」も使用できるようにして、「クリエイティブの幅を広げることができるようなった」(同社)ほか、広告で使用できる動画の長さを30秒(従来は15秒)まで伸ばした。また、「マーキー」と呼ばれる広告主がターゲティングした利用者のフィードに1日で数回程度、当該広告を露出させることができる新たな広告商品も開始した。
さらに、広告の写真の中に商品購入や会員登録、アプリのダウンロードなどを促す「ボタン」を設置し、広告主のサイト内の商品購入ページやアプリのインストールページなどに誘導できる「ダイレクトレスポンス型広告」(画像は米国の事例=米ギルトグループの「ダイレクトレスポンス型広告」)や複数の写真広告をスライドショー式で表示し、2枚目以降の写真に”商品購入”などを促す「ボタン」を付けて広告主のサイトに誘導する「カルーセル広告」を開始した。
広告機能の強化に合わせて、広告出稿の方法も増やした。従来までは大手広告代理店経由でしか「インスタグラム」に広告を出稿できなかったが、9月9日から広告に関するAPIを公開したことで、セプテーニやトランスコスモスなど複数の広告代理店でも広告出稿が可能になったほか、広告代理店を介さず、フェイスブックが提供する広告管理ツールで広告主が自らが広告配信期間やターゲット、広告の種類などを決めて、「フェイスブック広告」と同じように入札形式で出稿できるようにした。また、「フェイスブック」と「インスタグラム」を横断してより効率的に最適化して広告を出稿できる仕組みも整えたという。
利用者が急増する「インスタグラム」を活用して販促や集客を行うところが日本の通販実施企業の間でも増えており、すでに一定の成果を上げている企業も出てきている。ただ、広告に関しては機能面や出稿の方法に制限があり、これまでは大手企業のブランディングでの利用に限られていたが、今回、「インスタグラム」側が広告機能を拡充したり、出稿方法を増やしたことなどで通販事業者などでも利用の幅が広がりそうだ。特に「ダイレクトレスポンス型広告」などはすでに展開している米国などの事例では成果が出ているようで今後、日本の通販事業者の活用が増え、注目されそうだ。
なお、今回の「インスタグラム」の広告の機能拡充は9月9日から日本を含む30カ国で開始し、9月30日までには全世界でスタートする予定としている。
[元記事:「インスタグラム」 広告展開を強化、”購入ボタン”の設置も可能に]