高島屋は、消費者目線でのオムニチャネル戦略を加速する。9月にはオンワードホールディングスと組んで、実店舗とネット販売チャネルを融合させる共同プロジェクトに乗り出しているが、11月からは高島屋の地方・郊外店に「ショールームストア」を設置。普段は取り扱いのない化粧品や食料品などを展示し、タブレット端末を介して「高島屋オンラインストア」に送客する取り組みをスタートする。
オンワードとは、9月から高島屋新宿店に入る同社の主力婦人服ブランドのショップにタブレット端末を導入し、欠品している商品などについて同端末から高島屋のグループ会社が運営する衣料品通販サイト「セレクトスクエア」経由で購入してもらうタブレット接客を始めた。実店舗は品ぞろえや在庫数が限定的なため、豊富なEC在庫を活用することで色やサイズ違いを含めた店頭欠品時の売り逃し防止につなげる狙いだ。
高島屋が新たに始める「ショールームストア」については、取り扱いブランドや商品数が少ない地方・郊外店の顧客から手にとってみたいブランドや商品をヒアリングし、当該アイテムなどを展示。店頭スタッフが携帯するタブレット端末を通じ、その場で「高島屋オンラインストア」での購入を促したり、帰宅後に通販サイトを利用してもらう。
対象店舗は高島屋の岡山、岐阜、米子、立川、柏、高崎の6店舗で、各店が50~100平方メートルの「ショールームストア」を設置。11月中旬開設予定の米子店を皮切りにオンライン送客を図る。
コスメや食料品、バッグなどの婦人雑貨をそれぞれ期間限定で、商品カテゴリーを絞って展開する計画で、例えばコスメは通販サイトでは200弱のブランドを扱うが、地方店では数十ブランドにとどまるケースもあることから、ニーズはあるとみている。
タブレット接客の事例ではないが、子会社が運営する商業施設「博多リバレインモール」で今夏の約1週間、高島屋オリジナルのランドセル100点を展示。高島屋店舗のない九州でランドセルの選び方やネットでの購入方法を案内し、一定の成果を得たようだ。