フォトレポート「GO OUT CAMP vol.9」でみた、 “キャンプ×フェス”の最新形
& いま最も注目のアウトドアファッションブランドとは?
先月10月5日(金)から3日間、静岡県富士宮市のふもとっぱらキャンプ場で開催された、アウトドアファッション誌「GO OUT」が主催する、”おしゃれでゆるいキャンプイベント”「GO OUT CAMP vol.9」をフォトレポート。
「GO OUT CAMP」は、2008年にスタートして以来、回を重ねるごとに来場者数が増え続けている、日本最大級のキャンプイベント。今年は6月に福島(「キャンプしようよ in 猪苗代」)、7月には京都で開催するなど、規模拡大を続けています。第9回目となった今回は全国各地から、延べ4,017人が参加。富士山のふもとで思い思いに過ごす広大なテントサイトをはじめ、七尾旅人やPHONO TONESなど10組のアーティストライブ、恒例のヨガワークショップや気球体験、ビームスのWEB担当 大関さんによる料理教室”GO OUT キッチン”、天体望遠鏡メーカー「vixen(ビクセン)」によるナイトハイク&星空鑑賞会、150名参加のキャンプ合コンや飛び入り参加のカラオケ大会まで、参加型コンテンツも充実した内容。また、今回初となった、屋内スペース”GO OUT HOUSE”でのアウトドア版クラブナイトや、屋外型アミューズメントパーク”Round Fuji”も大賑わいでした。
アウトドアファッション誌「GO OUT」が主催するイベントだからこその醍醐味が、人気アウトドアブランドを中心としたブース出展エリア「ブランドアベニュー」です。普段はありえない割引率で列が出来るほど人気になるブースや、この日のために開発された「GO OUT CAMP」オリジナルグッズを展開するショップもあり、来場客はアウトドアなショッピングを楽しみます。
「BEAMS」は「GO OUT」で毎号連載中。また、今年はこの他も全国の音楽フェスにも積極的に協賛している
[左]バンダナほか「GO OUT CAMP」オフィシャルグッズを展開 [右]「DINEX(ダイネックス)」とのオリジナルマグカップ |
初出展の「X-girl(エックスガール)」は、「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」とのコラボ商品の先行受注会も
「CHUMS(チャムス)」は、「GO OUT CAMP」に欠かせない常連ブランドとなっている
「KELTY(ケルティ)」は、恒例となったチャリティーゲームイベントを開催
シアトルのアウトドアブランド「MANASTASH(マナスタッシュ)」ブースには子ども達が集う場面も。
今回、F.M.J.が特に注目したのは、「Highland Park(ハイランドパーク)」。1970年代のアウトドアウエアが持っていた、シンプルで温もりのある素朴なテイストを今日に甦らせようと2012年秋冬にデビュー、今季で3シーズン目となる新進ブランドです。
商品は過剰に高機能なアウトドアウエアではなく、必要最低限のスペックを備えたアウトドアテイストの日常着として、20〜30代男性をターゲットに展開。その名の通り、Highland(郊外)やPark(公園)での使用をイメージしたクラシカルなデザインに、発熱素材や撥水素材、ストレッチ素材や吸湿速乾素材など、スポーツメーカー「ミズノ」の高機能素材を落とし込んでいます。オーバースペックによる高価格ではなく、買いやすい価格帯を考慮したラインアップで現在は、「BEAMS(ビームス)」や「FREAK’S STORE(フリークスストア)」「WISM(ウィズム)」などセレクトショップを中心とした展開となっています。
最注目ブランド「Highland Park(ハイランド パーク)」
他ブースとは明らかに違う、”魅せるVMD”でブランドを訴求
「GO OUT CAMP」初出展となった同ブランドは、物販中心の他ブランドと比較しても明らかに違う、”魅せるVMD”でブースを演出。その異彩を放つ存在感に編集部員も自然と惹き込まれてしまい、即座に取材依頼。それもそのはず、今回の出展は、アウトドア好きで高感度な顧客ターゲットに向けて直接ブランドコンセプトを伝えられる場として、ブランド認知獲得と、野外フェスシーンでのクラシカルスタイルを提案することに狙いがあったそうです。
1周年を迎えた今後の方向性としては、オーセンティックなスタイルを変えず、高機能素材を使いながらも温かみを感じられるウエアを目指すといいます。
「ディテールと品質へのこだわりを持ち続ける事でボリュームゾーンではなく、デザインと機能の両面でこだわりのあるウエアを求めている方に向けてものづくりを進めていきます。将来的には都会の中のアウトドアスペースでのコト提案やお客様とのつながりを検討しています。ブランドの考えに共感して頂ける方に向けて地道に真摯なアプローチをしたいと考えています。」(株式会社ステディ スタディ 伊藤 悠さん)
今後の出店に関するトピックとしては、
「現在は単品へのこだわりを持つことで商品ラインナップを絞っている為、Highland Parkブランド単独の直営店出店は考えていませんが、ブランドとして直接お客様とコミュニケーションが出来る場を作りたいと思っています。現在はブランドホームページやFacebook・ECサイトを通じてブランドの情報発信を行っています。」(同・伊藤さん)
先日、矢野経済研究所が発表した「国内アパレル市場に関する調査結果 2013」によると、ファストファッションブームが一段落する一方、品質重視の消費者層が主流になってきており、高品質の商品や機能性商品、また細部にこだわりのある商品などを提供するブランドが好調であるといいます。また、今後の成長のためにはターゲット層を絞り込み、同層のニーズを確実に取り込むブランド戦略が重要との分析がなされています。
まさにその事象を体現するかのような「Highland Park」ですが、プラス成長を続けるアウトドアウエア市場で今後どのようなポジションを確立し成長していくのか、同ブランドのマーケティング戦略に注目できます。
・「Highland Park」 http://www.highlandpark.jp/
全て体験するには1回の参加では足りないほどの、”外遊び”参加型コンテンツも盛りだくさん。一部ではありますが、その模様をフォトレポートします。
「GO OUT」ロゴのモニュメントで富士山をバックに記念撮影
ヨガスタジオ&ショップ「TOKYOYOGA」を運営する、TYG代表 chama氏による”朝ヨガ”
フリスビーの裏面にメッセージを書き込んで一斉に投げ合う”Catch&Throw”
スラックラインやクライミング体験ゾーンも
小規模で運営しているショップやブランド、クリエーターでも参加可能な”マーケット ヴィレッジ”では、大道芸も
フィナーレは豪華賞品が当たる”大抽選会”。竹下プロデューサー自ら抽選して会場を盛り上げる
「GO OUT」竹下プロデューサーは今回の感想を、「雨天予報にもかからず、晴天に恵まれ、過ごしやすい天候のなかで来場者の皆様には楽しんで頂けたかと思っています。毎回、来場者の方のキャンプサイト、ファッションのセンスが高くなっており、それを見ているだけで楽しめました。キャンプサイトに関しては、ミリタリー、オールドアメリカ、最新ギアなど、それぞれがテーマ性を持ったキャンプサイト作りがあり、新しいキャンプスタイルを発見できました。ファッションに関しては、デイリーなアイテムを上手く取り入れながらも、キャンプに合わせたスタイルを沢山見ることができました。毎回、来場者から刺激をもらえています。」とコメント。
今後の展開や構想については、「来年の”GO OUT JAMBOREE”は、4月11日(金)~13日(日)に行います。ここはより多くの来場者とともに楽しめるイベントを目指して、出演アーティストの更なるパワーアップを予定しているので、期待していてください。今年行った”GO OUT CAMP in 関西”に関しては多くのお客さまにご来場いただけましたので、来年もさらにスケールアップして行いたいと考えております。その他、九州をはじめ、全国の様々な場所でも展開を考えております。」とさらなる規模拡大を図る意向を示しています。
なお、雑誌「GO OUT」最新号は10月30日(水)に発売。記念すべき50号では「ダウン/フリース/ブーツ 冬のBEST 50」特集をはじめ、「朝霧JAM」などでの秋フェス STYLE REPORTのほか、今回ご紹介した「GO OUT CAMP vol.9」詳細レポートもご覧になれます。
・「GO OUT CAMP」 http://www.gooutcamp.jp/