ユナイテッドアローズは、2023年5月に発表した中期経営計画の主要戦略の一つ「UA CREATIVITY戦略:既存事業の成長拡大を続けながら、ブランド力を強化していく取り組み」のもと、「ユナイテッドアローズ 原宿本店」全館のリニューアルを行い、4月25日に「TABAYA United Arrows」としてオープンする。和と美意識と豊かな生活を表現する“世界中の本物”をユナイテッドアローズの審美眼でセレクトし、ウェアやアクセサリーなどの服飾雑貨、日用品、工芸品、美術品などを展開するほか、館内にカフェ・バーも併設。同日にECサイトも開設する。
1989年の創業以来、ファッションを通して新しい生活文化を創造するセレクトショップとして海外諸国の多くのものや文化を日本国内に紹介してきた同社は、その一方で、日本人の高い精神性や美意識を企業のアイデンティティに据え、和にまつわる商品も積極的に取り扱っている。先だって2024年11月には、伝統的な和文化を象徴する日用品や工芸品を取り扱う海外向け越境ECサイトも開設した。
「TABAYA United Arrows」のステートメントは「史上最上級のユナイテッドアローズ」。日本の歴史の中で、高い精神性の上に磨き上げられた美意識や極めた技、自然からの恩恵や豊かな想像力を背景に、日本の文化が影響を受けたもの、与えたものを国や地域、年代ジャンルを問わず見極め、納得し、認めた本物だけを展開する。「TABAYA United Arrows」により和と美意識と豊かな生活を表現し国内外に伝えていく。
「TABAYA United Arrows」は、地下1階、本館1、2階、アネックス1、2階にわたるフロア構造だ。スペインの建築家リカルド・ボフィル氏による外観建築は従来のままに和との親和性と融合性を表現している。
「ロエベ(LOEWE)」、「ザ・ロウ(THE ROW)」、「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」「セッチュウ(SETCHU)」、「コモリ(COMOLI)」、「ミオ ハルタカ(MIO HARUTAKA)」など国内外のブランドを展開。また、日本のモノづくりの精神に基づき丁寧な縫製と素材選びにこだわったユナイテッドアローズのスーツ、ジャケット、シャツなどのドレスアイテムや、和文化を表現する民芸品なども取り扱う。
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PARK SUNGKUKの作品
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KIM SOOYONの作品
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HONG DUHYEONの作品
また、国内外の様々なジャンルのアーティスト作品の展示販売を月替わりで行う。初回4~5月の回は、伝統的な和文化の形成に大きな影響を与えたアジア諸国への敬意をもとに、韓国の伝統工芸作家のPARK SUNGKUK、KIM SOOYON、HONG DUHYEON等、7名の作家による作品の展示販売を行う。
新しいコンセプトのカフェ・バーは本館に移設され、座席数を増やし、ゆったりとした空間で和を軸とした食事、ゆずや抹茶といった和の食材を使ったスウィーツ、ソフトドリンク、日本酒やカクテルなどのアルコール類も提供する。
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中川木工芸
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開化堂
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辻石斎
京都を拠点に伝統工芸を受け継ぐ活動グループ「GO ON」に所属する「細尾」、「中川木工芸」、「金網つじ」、「公長斎小菅」、「開化堂」、「朝日焼」の各種工芸品のほか、老舗グラスメーカー「木村硝子店」のグラス、石川県加賀市を拠点とする山中塗の名工「辻石斎」の漆器、伝統造形職人と織りなすプロダクト「ars」のオブジェ、陶器作家の内田智裕や高久敏士の作品、台湾発のブランド「ビー ドゥ ハブ(bi.du.have)」のコーヒードリッパー、香ブランド「キトワ(KITOWA)」のフレグランス等を展開。「ユナイテッドアローズ ボトルショップ」のラインナップとして、せんきんをはじめ厳選された日本酒各種を取り扱う。
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「ars」のオブジェ
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陶器作家 内田智裕の作品
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陶器作家 高久敏士の作品
「TABAYA United Arrows」の「TABAYA」は社名でもある「UNITED ARROWS」の和訳で、「ひとつの目標に向かって直進する矢(ARROW)を束ねた(UNITED)もの」という意味である。ブランドロゴとショッパーなどのアートディレクションを手掛けたのは、サン・アド アートディレクターの葛西薫。これまでも社のアイコンに活用してきた束矢の紋章をシンプルに整えてデザインし、この深い紺色を「TABAYAブルー」と名付け、ブランドカラーとした。
ショッパーやギフトボックス等の各種包材は、「TABAYA United Arrows」で取り扱う商品や販売員の所作の美しさと、手にしたときのお客様の高揚感を一層引き立てるデザイン・仕様を追究して制作。ショッパーはエンボスを掛けたような風合いに「TABAYAブルー」を高い彩度で表現できる紙の銘柄と斤量をセレクト。ショッパーサイズと持ち手のバランスは上質さ、自然な長さと持ちやすさを考慮。正面に折り目の付かない製袋方法にもこだわっている。