浴衣の売り上げが全国百貨店で1位の伊勢丹新宿店にて、男性スタイリスト10人がデザインしたメンズ浴衣と、東京を代表する四つのブランドによるウィメンズ浴衣をフィーチャーする二つのイベントが、19日スタートした。
1階ザ・ステージでは、日本を代表するスタイリストである大久保篤志、岡部文彦、熊谷隆志、祐真朋樹、長瀬哲朗、二村毅、長谷川昭雄、馬場圭介、山本康一郎、渡辺康裕ら10名がデザインした浴衣のポップアップショップがオープン。会場では各スタイリストがデザインした浴衣と共に、それぞれがスタイリングしたイメージ写真が展示される。
伊勢丹は、昨年初めてメンズ浴衣をクローズアップしたイベントを開催。「アンダーカバー(UNDERCOVER)」や「ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)」「マスターマインド・ジャパン(mastermind JAPAN)」ら10ブランドが登場。初日に完売商品が出るなど盛況で、本年はその2回目となる。浴衣はすべて仕立て上がりで、価格は3万9,900円から8万1,900円。各スタイリストがスタイリングした帯や雪駄も販売される。6月25日まで。
[元記事:日本一浴衣を売る伊勢丹新宿店で浴衣イベントスタート!スタイリストデザイン&東京ブランド出品]
本日6月25日(火)まで開催された本イベントは、まさに日本メンズファッション界を代表するトップスタイリスト 10名による豪華企画。業界の注目度も高く、各社メディアが積極的に取材を行っています。
スタイリストを起用した商品開発は今となっては決して目新しいことではありませんが、ここまで豪華な競演はなかなかお目にかかれない貴重なラインアップ。編集部も実際の商品を拝見させて頂きましたがそれぞれの個性・らしさが表現されており、新たな”ゆかた”の提案がしっかりと商品に落としこまれていました。
こうしたスタイリストを起用した商品開発のマーケーティング・メリットとして、豊富な知識と経験、独自の感性からくる客観性×主観性をミックスさせたファッションディレクションとスタイリング提案力、ニュース価値向上によるブランドへの注目率UPや既存商品では掲載が難しい新規媒体へのパブリシティ獲得、さらにはスタイリスト自身がブランドのスポークスマンとなり、プレスとしての役割を果たしてくれる効果も期待できます。また、そもそもの取り組み自体がブランドのファッションイメージ向上に寄与するという、ブランディング効果ももちろんあります。かつてユニクロが実施していた人気スタイリストコラボTシャツもそのわかりやすい成功例といえるでしょう。
レディスファッションにおいても、スタイリストがスポット的なコラボレーション商品にとどまらず、ブランドディレクション全体に関わる事例も少なくなく、最近では佐々木敬子氏プロデュースの「ザ ヴァージニア(ヒロタ)」や亀恭子氏による「aptm.945 TOKYO(サンエー・インターナショナル)」などがリリースされています。
このようなスタイリストによるブランドへの関わり方が拡がる傾向が加速しており、今後のブランドの動きにも注目されます。
尚、以下関連記事にて本企画に参加した各スタイリストのインタビュー記事をご覧になれます。