矢野経済研究所は、「国内アパレル市場に関する調査結果 2015」を発表。アパレルメーカーや小売業へ2015年7月~9月の期間に行った独自調査をまとめた同レポートでは、国内アパレル総小売市場動向と予測をはじめ、アパレル関連企業の総売上高ランキングやメーカー、アイテム、ブランド、チャネル別など各市場動向をみることができる。
今回の調査結果サマリーは以下の通り。
| 2014年の国内アパレル総小売市場規模は前年比100.9%の9兆3,784億円、紳士服、婦人服、ベビー・子ども服のいずれも堅調に推移
2014年の国内アパレル総小売市場規模は前年比100.9%の9兆3,784億円であった。品目別では、婦人服・洋品市場が前年比101.4%の5兆9,086億円、紳士服・洋品市場が同100.0%の2兆5,476億円、ベビー・子供服・洋品市場が同100.7%の9,223億円であった。いずれの品目においても前年を下回ることなく、比較的堅調に推移した。
| 百貨店、量販店チャネルが落ち込むも、専門店や通販チャネルが市場を牽引
2014年について販売チャネル別に見ると、百貨店で前年比97.4%の2兆1,221億円、量販店で同96.2%の9,869億円、専門店で同102.7%の4兆9,014億円で、その他(通販等)で同104.0%の1兆3,680億円で、専門店とその他(通販等)チャネルが伸び、市場を牽引した。
| 今後もインターネット通販チャネルが拡大
長期的にみれば、国内アパレル製品・洋品の総小売市場は、少子高齢化や人口減少の影響により縮小していくと推測されるが、販売チャネル別でみると、アパレル各社におけるインターネット通販事業の強化とともに、オムニチャネル戦略が奏功し、インターネット通販が今後も伸びていくものと考える。
2014年の国内アパレル総小売市場規模は、微増ではあるが、ほぼ横ばいをキープ。消費税増税後の昨年4月以降は駆け込み需要の反動減や、西日本を中心とした冷夏の影響等による春夏シーズンの動きが鈍る企業が多く、また特に夏のセール時期の分散化といった要因等も重なり、中盤にはやや低調な推移を辿った。しかし、秋以降は、気温の低下が比較的早かったことで冬物衣料が順調に動いたアパレル各社も多く、都市部では訪日外国人客によるインバウンド消費の影響も見受けられるなど、後半にかけては比較的順調な売上を確保したアパレル各社も多かったとしている。
チャネル別の傾向では、サマリーにもあるように、百貨店・量販店の不振の一方、専門店とECの伸び。少子高齢化や人口減少の影響により縮小が推測される同市場において、アパレル各社におけるEC事業の強化とオムニチャネル戦略が奏功し、特にECチャネルが今後も伸びていくと分析している。
・矢野経済研究所「2015 アパレル産業白書」 http://www.yano.co.jp/market_reports/C57115900