エイベックスは12月1日、本社ビルを南青山に移転し、新社屋(東京都港区南青山3丁目1-30)にて業務をスタートさせる。30日、メディア関係者向けにその一部が公開された。
17階建ての新しいエイベックスビルは、「コミュニケーション・コラボレーションが起きる」「働きがいのある」「エンタテインメント企業ならではの機能を備えている」の3つのテーマを主軸にデザイン・設計。1階から5階と17階をトランジットジェネラルオフィスがプロデュースとクリエイターキャスティングを手がけた。従来型のオフィスとは全く異なる全席フリーアドレスの執務フロアに加え、開放感のある最上階の17階・社員食堂「ザ・キャンティーン(THE CANTEEN)」、エンタテインメントに特化した2階のコワーキングスペース「エイベックス・アイ(avex EYE)」、4階はレコーディングスタジオ・レッスンスタジオ・映像スタジオを内包するなど、エンタテインメント業界における新しい働き方を実践できるオフィスを目指す。
今回の新社屋移転にあたり、「すべてはヒットを生むための改革です」と語るのは、松浦勝人代表取締役社長CEO。「いかにオフィスに多様な人を集めるか?」をまず考えたという。そういった意味でも注目は、2階のコワーキングスペース「エイベックス・アイ」だ。ここで働くのは、エイベックスの社員ではなく、スタートアップの企業や次世代のクリエイター。それは、「エイベックスが面白いと思う人」や「エンターテインメントの未来を変えたい人」だ。ここから、新規事業の創出を図る。ダイケイ・ミルズ(DAIKEI MILLS)による設計とクリエイティブチーム、セカイ(CEKAI)によるグライフィックデザインで空間が構成された。
17階の社員食堂「ザ・キャンティーン」は、アメリカ・西海岸をイメージしたテイスト。“Lodge by The Sea”をテーマに、西海岸のレコーディングスタジオにクリエイターたちが集まってくるような空気感を演出。食堂のほか、コーヒースタンド「POP-IN」も併設し、トランジットが手がける飲食店さながらのスタイリッシュな空間に仕上がった。インテリアデザインと設計は、ジャモアソシエイツが担当した。
働き方改革が大きな焦点となっている現代に合わせ、エイベックスも社内の構造改革を進めている。プロデュースを手がけたトランジットジェネラルオフィスの中村貞裕代表取締役社長は、「働き方についてさまざまな議論が起こっている中で、いかに“ポジティブなワーカホリック”でいられるかが大切だと私は考えています」とした上で、「会社も一つの“遊び場”にするということだと思うんです」と語るように、働き方と働く場は密接な関係にある、その一つのモデルケースとなるオフィスが南青山の一等地に誕生した。