パリの有名セレクトショップ「コレット(Colette)」が昨年末、20年の歴史に幕を閉じた。若手の無名デザイナーとラグジュアリーブランドの商品を分け隔てなく並べ、週替わりでショーウィンドウを飾り、音楽イベントやブックサイン会を開催するなど、常に話題を振りまいてくれた存在だった。コンセプトストアの走りとしてファッションシーンを牽引したコレットの閉店に、今後のパリ全体の盛り下がりを懸念する業界人もいた。しかし、12月20日の閉店から約2週間後、コレットの元従業員が新しいショップをオープンさせるとのニュースが入ってきた!
それが、シャネル(CHANEL)など高級ブティックが軒を連ねるカンボン通りに、1月8日プレオープンを迎えた「ヌー(nous)」だ。フランス語で“私たち”を意味する同店は、コレットのハイテク兼ウオッチ担当として14年間キャリアを積んだセバスチャン・シャペル(Sebastien Chapelle)と、コレットのストリートウエアとスニーカー部門を担当として9年間キャリアを積んだマルヴァン・ダイン(Marvin Dein)が中心となり立ち上げられた。“世界中の才能と厳選したアイテムをキュレーションすること”をミッションに掲げ、メンズアイテム中心に展開される。
約150㎡の店舗は、コンクリートの壁に黒を基調としたインテリアで、シンプルにまとめられている。プレオープン当日は、中国のスマートフォンメーカー「ワンプラス 5T(OnePlus 5T)」の限定色販売とあって、開店前から行列を作っていた。同スマートフォンの他に、バンフォード(bamford)によってカスタマイズされたロレックス(ROLEX)など、エクスクルーシブもファンにはたまらない商品だろう。取り扱い商品は、ボーン・アンド・レイズド(Born x Raised)、ネイバーフッド(NEIGHBORHOOD)、デス・バイ・ドールズ(Death By Dolls)などのストリートウァアやデザイナーズブランド、コンバース(CONVERSE)やヴァンズ(VANS)のスニーカー、アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の絵や荒木経惟の写真がプリントされたザ・スケートルーム(THE SKATEROOM)の限定スケートボードなど。ミゼンスィル(Mizensir)のキャンドルやマガジン、アイウエア、カメラなどの雑貨・機器も並ぶ。
今後はエクスクルーシブやコラボレーションにも力を入れ、若いクリエイターのサポートに力を注ぐという。コレットとは全く異なるコンセプトで、ストリートカルチャーと強く結び付いたストアの誕生だ。コレット閉店で大きな変化が予想されるパリの流通、同店のみならず今後も動向に注目していきたい。
ELIE INOUE
[元記事:コレット元従業員が立ち上げたパリのショップが話題!]
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