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東京ミッドタウン日比谷、有隣堂の新業態「ヒビヤ セントラル マーケット」に注目。南貴之が手がける小さな街のような複合型店舗とは?



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有隣堂が、クリエイティブディレクター南貴之をプロデューサーに迎えた新業態「ヒビヤ セントラル マーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)」を3月29日、東京ミッドタウン日比谷3階にオープンする。

ヒビヤ セントラル マーケットは、237坪のフロアに9つの店舗が軒を連ねる、小さな街のような複合型店舗だ。食事や酒、本や衣服などが揃えられ、誰もが郷愁や親近感を抱き、居場所を見つけられるように編集。様々なカテゴリーの道を会してそこに行かないと体験できない“目的がなくてもいられる居場所”を目指すという。

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まず象徴的なのは、本棚の壁に囲まれた空間に、海外のバザールのように世界中の洋服や雑貨、ヨーロッパで集めたアノニマスなヴィンテージが並ぶ「ライブラリー(Library)」だ。什器のヴィンテージ家具は商品でもあるので、購入可能。もちろん売れたら、その什器も入れ替わるので、来店するたびにお店の表情が変わるというのも面白い。

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また、駅のキオスクのようなカウンター形式の売店が並ぶエリアには、「有隣堂」、熊本のスペシャリティコーヒー「アンドコーヒーロースターズ(AND COFFEE ROASTERS)」、架空の運送会社をイメージしたモバイル型コンセプトストア「フレッシュサービス(FreshService)」だ。昭和レトロな電飾看板が懐かしくも新しい。

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そして、店の奥には代々木上原にビストロ「メゾン サンカントサンク(MAISON CINQUANTE-CINQ)」などを手掛ける丸山智博による居酒屋「一角」がオープン。唐揚げにハイボール、蕎麦をはじめ、フレンチのエッセンスも少し加え、日本酒はもちろんワインやクラフトジンにも合うメニューを展開する。こちらも空間は懐かしく、提案は新しい。

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店内中央には、「フリーマンズ スポーティング クラブ(FREEMANS SPORTING CLUB)」にも関わる藤井実が監修し日本最高峰の衛星管理を誇る「理容ヒビヤ」を展開。オフィスワーカー向けの理容やグルーミングだけでなく、女性向けのお顔そりサービスも行う。商業施設であることを忘れるかのような、映画セットさながらの店の佇まい。待合席には、漫画「ゴルゴ13」が全巻揃っているというから、また面白い。

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このほか、札幌のヴィンテージアイウエアショップ眼鏡店「フリークエンス(Fre’quence)」の柳原一樹によって集められた、フランスのデッドストックのヴィンテージフレームが揃う眼鏡店「コンベックス(CONVEX)」、南貴之自身が手がける渋谷・神宮前のセレクトショップ「グラフペーパー(Graphpaper)」も出店。アドバイザーの二村毅と共に選び抜いたクオリティの高いものに加え、日比谷という立地ならではのアイテムも取り扱う。また、軍用テントのファサードが印象的なポップアップスペース「Tent gallery」では、独創的かつ多様な展示や企画を行う。オープニング企画として、20世紀を代表する建築家・デザイナーである名匠ジャン・プルーヴェの展示企画「JEAN PROUVÉ」を開催する。

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有隣堂の松信健太郎・専務取締役は、「『日本で一番新しくてかっこいい書店を作る』という思いで出店申し込みを決断しました。有隣堂はこれまでにさまざまな地域で、その地域特性を活かした新しい書店を提案してきました。『東京ミッドタウン日比谷』にどんな書店を作るか、コンセプトを練っている時期に、南貴之さんに出会い、初めてお話をさせて頂きました。南さんが考えるおもしろいお店とは、『いままでにない店』という、シンプルで、しかし本質を鋭くついた、その考え方に共感し、感銘を覚えました。そして、この店を、南さんにプロデュースして頂きたいと決めました。この時、僕の仕事は『日本で一番新しくてかっこいい書店を作る』ことから『南貴之の世界観を存分に出してもらうためのサポート』に代わったわけです。ただ、一つ悩んだのは本の扱いです。当初は書店での出店を考えていたため、108年に亘って本を売ってきた当社が本を扱わない店を作ることは勇気のいることでした。しかし、南さんの世界観を100%出すために、こちらからの注文はなるべく少なくしたかった。悩んだ後、南さんに「本は売らなくてよいです」と言いました。有隣堂は『本』という『モノ』だけではなく、『モノ』を通じて『情報』や『娯楽』、あるいは『夢』を売ってきたと考えています。書籍が売れなくなってきて『書店』を再定義しなければならない時期でもあり、あえて本にこだわることもない、それよりも南さんの世界を存分に発揮して頂きたい、と思いました。しかし、南さんは『本は必要だから売ります』と言ってくれた。これは嬉しかったですね。『HIBIYA CENTRAL MARKET』は今までにない店を目指しているから実際にどんな場所になるかはできてみないと分からない。できてからも変わり続ける。そんな店だと思っています。僕も楽しみにしています」と出店までの経緯をコメント。

hibiya-central-market_logoヒビヤ セントラル マーケットのロゴ

また、プロデュースを手がけた南貴之クリエイティブディレクターは、「『東京ミッドタウン日比谷』という巨大な商業施設の、さらに中にある複合施設『HIBIYA CENTRAL MARKET』は、カオティックな市場や街のような場所になりました。商業施設はあまりにコントロールしすぎると、どこも似たような風景になってしまいます。だからあえてコントロールしすぎることなく、“そこに行かないと体験できないようなもの”を作らないといけないと思いました。『HIBIYA CENTRAL MARKET』は、僕がこれまで国内外で見てきた色々な記憶の集積やつぎはぎです。何か用事がないと来られない・買い物をしないといけない、というわけではなく『目的がなくてもいられる居場所』でありたい。『店』はサービスや商品を得る場所ですが、その前に『人が集まる場所』であるべきだと思っているからです。海外のマーケットを訪れると、通路にまで人や店がせり出して、勝手に椅子やソファーを引っ張り出してきておじさんたちが昼間からダベっていたりします。それが彼らの日常で、市場の活気に繋がっている。色々な物や人が入り混じっている様が興味深かったんです。日本の公道は整備されていて、なかなかそういった景色は生まれないので、『HIBIYA CENTRAL MARKET』の“私道”を生かして、そんな“目的がなくてもいられる居場所”を作りたいと思っています」と開発にかける想いをコメントしている。

1909年創業の老舗書店・有隣堂と、ファッション業界を代表するクリエイティブディレクター・南貴之によるヒビヤ セントラル マーケットは、F.M.J.magazine編集部が東京ミッドタウン日比谷で見た中でも、最注目の出店テナントだった。そこはいまの東京の気分を感じる、一度は訪れたい最新スポットといえるだろう。

ヒビヤ セントラル マーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)
住所:東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷3階
営業時間:店舗スペース 11:00〜21:00、飲食スペース 11:00〜23:00(L.O. 22:30)
(ランチタイム 11:00-14:00 / 喫茶 14:00-17:00 / 夜 17:00-23:00)
TEL:03-6205-7894(代表番号)

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