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【特集】ストレスレスなひと ── 星野 佳路(星野リゾート 代表)



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<インタビュー>STRESSLESS PEOPLE

【特集】ストレスレスなひと ── 星野 佳路(星野リゾート 代表)


今回は星野リゾート代表、星野佳路さんが登場。“リゾート運営の達人”という会社のビジョンを掲げ、数々の旅館やホテルを再生してきた敏腕社長として多くのメディアが注目。いまでは国内35・海外2の計37拠点のグループ施設を運営しつつ、さらなる新規プロジェクトも同時に進行するなど、多忙を極める星野さんが送るストレスレスな生活とは? 日常についてはもちろん、星野さんが抱くスキーへの愛情や話題の新ブランド「OMO(おも)」など星野リゾートの今後についても、あわせて語っていただきました。

Photo: MARIKO TOSA Text: KEI OSAWA Edit: YUKI SUGAWARA


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PROFILE:ほしの・よしはる_1960年4月29日生まれ。長野県出身の実業家。星野リゾート代表。1983年慶應義塾大学経済学部卒業、米国のコーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。1991年に星野温泉(当時)4代目社長に就任。最近は「星のや」「リゾナーレ」「界」に続く第4のホテルブランド「OMO(おも)」を展開。

ロッキングタイプのストレスレス®チェアは、リラックスしつつ仕事ができるのがいいですね

── 今日はロッキングタイプのリクライニングチェアに座っていただきましたが、ご自宅にはこういった椅子はありますか?

自宅のリビングにはソファが置いてありますが、このようなタイプのチェアはありません。このような椅子ですと、自身の好きな体勢でいられるので、身体が楽ですね。小まめに体重移動ができたり、角度を調整できたりするのも便利です。あとは物をこぼすことがあるので、サイドテーブルがあるのも有難いと感じます。

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── ご自宅のソファはどんなデザインですか?

キルト素材で洗えるようなものです。先ほども申し上げたように、私はよくコーヒーや食べ物をこぼしたり落としたりしてしまうので(笑)。あとは犬と生活をしていた時期もあり、余計に洗濯可能な方が都合が良かったのです。

── お部屋に対するこだわりはありますか?

強いこだわりは無いですが、テレビはあまり見ないです。くつろぐときはパソコンを見ながら、または読書をしながら、座っていたり横になっていたりすることが多いと思います。パソコンは1971年(初代ストレスレス®チェアの発売年)には存在しなかったため、このような椅子の使い方は想定していなかったと思いますが、今の時代はリラックスしながらパソコンで作業をする人は意外に多いのではないかと思います。

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── そのように椅子に座ったり横になってリラックスをしているときに、アイデアが浮かんできたりしますか?

そうとも言い切れません。しかし、アイデアはいつ浮かんでくるかわからないもので、ソファでは仕事をしているケースの方が多いと感じます。実際には(写真のように)リビングや、出張先のホテルのラウンジなどでくつろいでいます。Wi-Fiさえ入っていれば仕事はできますし、ニュースも見ることができます。こういうときはプレゼンテーションの準備をしているケースが多いです。

── 仕事をするにもリラックスをするにも、あまり環境にこだわらない?

そうですね。年間60日はスキーをすることを目標にしているのですが、そのために仕事はどこでも取り組めるようにしています。例えばニュージーランドに行くとおよそ3時間の時差がありますが、現地では午前中からスキーをし、午後4時に宿へ戻ると、日本時間の午後1時に行われる会議にスカイプで参加することが出来ます。

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── スキー以外の趣味はありますか?

リフレッシュする際もスキーに行きますので、それ以外の趣味と言われるとなかなか難しいです。今年は7月から一ヶ月間ニュージーランドへ、8月からはチリへ行きますが、そのためにこの5月と6月はめ目一杯仕事をする予定です。雪がある月はとにかく滑らせてもらって、雪がない月は仕事をするというのが基本です。しかし、だからといって、雪がなくスキーができない時期にストレスが爆発するということはありません。

── では普段、ストレスとはどう向き合っているのですか?

これは社員も知っていることであるとは思うのですが、私には好きな会議と嫌いな会議というものがあります。もちろん、仕事なので出席することもありますが、できる限り嫌いな会議は出ないと決めているのです。「3ない主義」といって「出たくない会議には出ない」「会いたくない人には会わない」「行きたくない場所には行かない」というもので、これを一生懸命実践しております。私の出席が必須の案件は別ですが、それ以外のものは別の方にどんどん依頼するようにしています。その基準の一つが、自分にとって“楽しい”と思えるかどうか。これを実践するだけでも意外にリラックスができているので、どうしても息抜きをしなければならないという感覚はありません。もともと、我慢して何かをするということが非常に苦手ということもあるのかもしれません。

── つまり、あまりストレスを感じないのでしょうか?

正確には、(ストレスを)自然に避けてきたということかもしれないですね。変に自分を追い込むということはなく、もともとそういう性格なのではないかなと思っています。

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スキートリップこそが究極の癒しであり刺激

── インターネットの反応などは見ますか?

気にならないので見ていません。トラブルが起きた時も、バタバタ感が妙に楽しいといいますか、普段とちがうルーティンが起こっている気がして、それほど嫌ではありません。会社が運営している複数のリゾートがあり、その各リゾートが様々な状況にあるわけで、中には現在業績が良くない施設もあります。しかし、そういう時の方がやる気が出るのです。だからふいに、とてもやる気が出てきたなと思う瞬間があるのですが、そういうときはだいたいトラブルが起きていたりします。

── なんだか不思議ですね(笑)。ピンチをピンチと思わないのですかね?

ピンチであるとは思っています。思ってはいますが、そのピンチに対してみんなで立ち向かっていくというところにエキサイティングなものを感じるのだと思います。

── ではご自身がストレスレスだなと感じる場所はありますか?

今年の2月にロンドンでプレス発表会、その後日にモスクワで講演があったのですが、その間の4日間を頂いてオーストリアでスキーをしました。海外にも良いホテルが多くあるのですが、向こうの素敵なホテルでくつろぐ時間はとても有意義でした。天候が悪いと滑ることができず、一日中ホテルに滞在することになるわけですが、ホテルで過ごす時間はストレスレスに感じました。

── 旅がもたらす究極の癒しとは何だと思いますか?

よく転地効果といいますが、旅によって色んな場所に訪れることで自分の発想も変わったり、リラックスできたり、そういった感覚はあるのかもしれません。様々な場所に滞在することは、私にとってとても大きな刺激になります。軽井沢でずっと運営をしていると、観光客の皆さんは浅間山が綺麗だとおっしゃいます。しかし、毎日軽井沢にいますと浅間山が目に入らなくなります。要するに、毎日同じ場所にいて同じ場所に通っていると、感動すべきところさえも目に入らなくなってきてしまうのです。そういう意味ではやはり、出張に行ったり雪山に行ったり、常に新しい場所へ行くことで感性が刺激されている感覚はあります。

── 最近オープンした『OMO(おも)』は、どのような想いから立ち上げたのですか?

都市をリゾートとして捉えようという考えからです。都市ホテルには二つのマーケットがあり、一つはビジネス客でもう一つは都市観光客です。今まで、両者は行動パターンやニーズが違うにも関わらず、同じホテルの施設とサービスを提供されていました。私たちがやってみたかった都市ホテルというのは、都市観光のお客様だけのニーズに応えるというもので、逆に言うとビジネス客は忘れようというものです。ビジネス客を一旦忘れると、観光客にとっては感動するようなサービスが生まれるものだと考えています。

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海外でも喜ばれる日本の”おもてなし”文化

── 会社としての今後の展望は?

会社の業績というのは「ここまでやればいい」ということはなく、私たちの一つのテーマは、サステナビリティ(持続可能な発展)です。単に業績を伸ばすことよりも、持続可能性を重要なテーマとしてとらえています。成長していくことももちろん大切ではありますが、どんどん時代が変化するこれからは、早く拡大するよりも持続可能性を高めたい。例えば、オリンピック後の日本のインバウンドはどうなるのか、また2025年以降、団塊の世代が後期高齢者に入ったときに国内旅行市場は減少をしていく可能性がありますが、そういう時代も収益を維持できるのか。懸念材料が実はいくつもあります。持続可能性を高めるために、今一生懸命取り組んでいることは、国内だけではなく、海外の拠点を増やしていくことです。円のみならず、ドルやユーロでも稼げる会社になりたいと考えております。海外拠点は今後3~5年くらいで徐々に増えてくる予定です。

── 宿泊客は日本人が多いのでしょうか?

そうですね。しかし、トマムでは、この冬初めて外国人のお客様が7割を越えました。海外の方たちの中で、星野リゾートに興味を持ってくださる方は増えてきています。バリは日本人客の比率は高いですが、香港、シンガポール、中国からの集客が増えてきていますから、海外の拠点が増加すれば徐々に日本以外からの集客力もついてくると思います。そこは今後の大きなテーマであると考えています。

── 海外の施設でのサービスやコンセプト作りは日本と同じですか?

同じです。地元に住んでいるスタッフたちにその土地の魅力の新たなアピール方法を考えてもらい、その土地らしさが引き立つサービスを提案していますが、重要なのはスタッフが楽しみながら仕事をしているということです。これはグローバルに共通な価値観だと思っており、やはりその土地で働いている人にとって魅力のアピール方法を考えるというのは楽しい仕事なのです。リゾートや観光はご当地自慢のような部分があって、自分の住んでいるところは素敵な場所であるということを知ってほしいと。ですから東京のオフィスのような、遠く離れたところにいるスタッフが考えるよりも、その地に住むスタッフが考える方が、効果的でお客様にとってもプラスだと思っています。これは私たちの大切にしている考え方で、海外でも活かすようにしています。

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── 人生を楽しむ上で大事にしていることはありますか?

あまり意識はしておりませんが、スキーの日数以外にないのではないかと思います。私にとって、これは大変重要です。会社には様々な部署があり、予算や財務計画など、立場的にはこだわらなければならない部分を人に任せることもあるのですが、スキーの日数だけはこだわっています(笑)。

── もし家業を継がなかったら何になっていたと思いますか?

プロのスキーヤーになりたかったです。プロスキーヤーという肩書きはいったい何だろうと、ここ数年真剣に考えているのですが、その定義がなかなか見つかりません。様々な人が様々な程度で自分がプロスキーヤーであると呼んでいるのです。だから私もあと10年程すればなれるのではないかと本気で思い始めています。

── 当日、「ストレスレス®ショールーム東京」まで自転車に乗って来られた星野さんは到着するやいなや、上着だけ着替えるとそのままインタビューに臨まれました。服装についてたずねてみると、「リラックスする際もそうですが、基本的には普段から家でも会社でもこういう動きやすい格好が多いです。本当に申し訳ないくらい、いつも同じ格好をしています」。そして、代表が率先してストレスレスな生活をしているので、社員の方も伸び伸びと仕事をしているのではとたずねると「いや、わからないですよ。私と話すだけでストレスになっている人もいるかと思います(笑)。しかし、そういうことが自分でわかりつつも全く気にしていないですからね」と、どこまでもストレスレスな星野さんでした。

今回のストレスレス®チェア

── 今回、星野佳路さんには、2つのモデルに座っていただきました。まず、ストレスレス®から新たに登場した、ロッキング機能付の新感覚チェア「ストレスレス®ビュー」。リクライニングに絶妙な揺れ心地をプラスしたバランスアダプトシリーズで、シートに腰掛ける人の体の動きに合わせて、レバーやハンドルなしに自動的にバランスをとり、ロッキングする(心地よく揺れる)機能を搭載。寝姿勢まで対応し、一度座れば、つま先から頭の先まで、この上ない心地よさを感じることができます。もう1つは、オフィスチェアの「ストレスレス®メトロ オフィス」。デスクに向かう体をしっかり優しく支えてくれます。

■チェア
ストレスレス®ビュー(M)シグニチャー
張地:本革 (パロマ/ヘナ)/脚部:ウォルナット
W84 H109 D84 SH47

ストレスレス®メトロ オフィス(M)
張地:本革 (パロマ/トープ)/脚部:スチール
W80 H122/129 D71 SH48/55

■サイドテーブル
ストレスレス®USBテーブルA
ウッド(ウォルナット)
W:52 H:50/73 D:42

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「ストレスレスなひと」とは────
いま、働き方改革、地方移住といった生き方や暮らし方の価値観が急速に変化しています。読者が求める暮らしのキーワードを「ストレスの無い=ストレスレスな時間」と設定。そんなたいせつな時間を作り出す、至高のツールとして長く愛される、ノルウェーの家具メーカー「エコーネス(EKORNES‎)」のストレスレス®チェアと共に、新しいモノやコトを“生み出すヒト”に焦点を当てた、インタビューを敢行。その言葉を通して、いまの時代に即したストレスレスな生き方や暮らし方のヒントを探っていきます。本企画は、エコーネス社が運営するストレスレス®チェアのWEBマガジンstressless® Moment(ストレスレス®モーメント)との連動企画です。ストレスのない快適で心地よさを演出するコト、自分らしく人生を楽しむヒトなどを紹介するコンテンツが充実。こちらもぜひご一読ください。

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連載:コピーライター小藥元の「美ンテージ採集」

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