いま手に取りたい、“FEEL-GOOD”な一冊をご紹介する本企画。今回は、昨年9月に発売された、建築デザイン事務所・パドル(Puddle)の加藤匡毅代表による初著書「カフェの空間学 世界のデザイン手法」をピックアップする。
本書は、世界中のカフェを集めた空間デザイン資料集で、新築・リノベーションを問わず、多様な39件の事例を掲載。建築家・デザイナーとして、「IWAI OMOTESANDO」や「ダンデライオン・チョコレート (Dandelion Chocolate)」など、国内外の商業施設、店舗の設計デザインを多数手がける加藤代表による独自の視点でそれらを紐解いていくのが特徴だ。ディテールを含む豊富な写真、平面図とスケッチを用いて読み解かれる優れたデザイン的工夫や、その場にとどまらない街に波及するデザイン。そこには知っていたはずのカフェにも、新たな発見があるはずだ。設計者をはじめとする業界関係者はもちろん、カフェオーナーやカフェ好きも楽しめる1冊となっている。
建築家の隈研吾は、「カフェという道具を媒介として、さまざまな“場所”が目の前に立ち現れる。こんなカフェ論は今までなかった。カフェを通じての“場所”の再生の先に、日本の再生の可能性が感じられた」と推薦文を寄せている。
期待されたTOKYO2020だったが、世界的になかなか思い通りにはいかなそうな2020年度の幕開け。リモートワークや店舗休業も“新たな出会いの時間をもらった”と前向きにとらえて、少し立ち止まり“インプットする時間”にあててみたらいかがだろうか。
「カフェの空間学 世界のデザイン手法」
著者:加藤匡毅・Puddle
出版社:学芸出版社
体裁:A5・184頁
定価:本体3,000円+税
ISBN 978-4-7615-3250-5
発行日:2019/09/15
装丁:赤井佑輔、清野萌菜(paragram)
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