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【コラム】常識を覆す世界初の本屋 「文喫 六本木」で見つけた、“ストレスレス”になれる本5選



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お気に入りのチェアでのリラックスタイムにあってほしいのは、寝食を忘れるほど読みたくなる本。忙しい毎日だからこそ、お気に入りの本の世界に浸ることは何よりも贅沢な時間だ。それも、いつもとは違った角度から選んでみると新たな世界が広がるはず。今回は、昨年末に東京・六本木にオープンした、入場料のある本屋「文喫」店長 伊藤晃さんに、“ストレスレス”をテーマに精神、物質、自然などの角度からおすすめの本をご紹介頂いた。

Photo: J.L.F.S Text: Madoka Takano Edit: F.M.J.magazine


#01 新しいコンセプトの本屋「文喫」とは

“文化を喫する”「文喫」は、青山ブックセンター六本木店跡地に2018年12月オープン。入場料のある本屋として話題を集めた

“文化を喫する”「文喫」は、青山ブックセンター六本木店跡地に2018年12月オープン。入場料のある本屋として話題を集めた

本を“選ぶ”ということを体験する

─ 入場料のある本屋とは、かなり新しい試みかと思いますが、どのようなコンセプトでオープンしたのでしょうか。

「本と出会うための本屋」というテーマにもあるように、自分のお気に入りの1冊を“選ぶ”ということを体験する施設として始まりました。喫茶室も設けているのですが、ただ本を読みながら飲食をするためのものではなく、空腹で本を選ぶための集中力が途切れてしまうことをさせないための装置なんです。いわゆる“ブック&カフェ”とはニュアンスが少し違っていますね。

今回、ご協力いただいた「文喫 六本木」店長・伊藤晃さん。実際に店舗でも要望に応じた選書サービスを提供している

今回、ご協力いただいた「文喫 六本木」店長・伊藤晃さん。実際に店舗でも要望に応じた選書サービスを提供している

─ じっくり選んでほしいということなのですね。有料にしたこともその一つでしょうか。

この本屋に来ることは、博物館や美術館と同じくらいの価値があることとしてとらえています。そのための環境を整えていることもそうですが、入場料をいただくことで品揃えの自由度が高くなります。通常本屋では、売り上げを考えてランキング上位から本を並べていくのが普通なのですが、ここでは5年に1度売れるか売れないかというような本も取り扱っているのが特徴ですね。

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入場料1,500円(税別)の有料エリア

入場料1,500円(税別)の有料エリア

─ 他では出会えないような珍しい本に出会えるのが魅力的ですね。本は各1冊しか置かないそうですが、その狙いは?

1タイトルにつき1冊にすることで、同じ本を3冊置くよりも3倍の出会いがあることになります。100坪という小さな店舗ですが、通常の本屋だと1万冊のところ、3万冊という濃厚な品揃えになっています。陳列方法も分かりやすいカテゴリー(料理・歴史・ファッションなど)で並べていますが、逆に中分類と小分類はあえてしないようにしています。なぜなら本を探している過程で思いがけない新しい本との出会いがあるかもしれないので。アナログで本屋に行く価値ってなんだろう、と考えたときに、それは偶然な出会いなのではないかなと。

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1階エントランスに雑誌が並ぶ「展示室」エリアは入場無料。企画展示される書籍の購入も可能

1階エントランスに雑誌が並ぶ「展示室」エリアは入場無料。企画展示される書籍の購入も可能

─ 本屋さんへ行く楽しさを改めて思い出させてもらえそうです。12月のオープンから約半年経ちますが、利用されるお客様はどのような方が多いのでしょうか?

男女比は5対5くらいで、世代的には通常の本屋は40~50代が多いと思うのですが、ここは30代の方が多い印象です。平日は周辺で働く方から、土日には地方から来ていただく方もいたり、意外だったのは付き合いたてのカップルが多いことですね。映画館と同じように、本を読んでいれば間が持つのと、クッションのあるフラットなシートがあってくつろげることも良いのでしょうか。また、小・中学生が一人で利用する場面もあったりと様々です。

利用者は珈琲と煎茶がおかわり自由、本格的なフードも食べられる。写真は、牛ほほ肉のハヤシライス 1,080円とナポリタン 半熟卵のせ880円(共に税別)

利用者は珈琲と煎茶がおかわり自由、本格的なフードも食べられる。写真は、牛ほほ肉のハヤシライス 1,080円とナポリタン 半熟卵のせ880円(共に税別)

─ 日本初の本屋だと思うのですが、世界でも珍しいのではないでしょうか?

おそらく世界でも他に無いのではといわれています。古城の中にある本屋さんが、古い建築を保存するために料金をとっているというのはあるそうなのですが、サービスとして入場料があるというのは聞いたことがないですね。ただ意外と書店業界では、入場料があってもいいのではという議論は以前からありました。が、絶対失敗すると言われていて、なかなか実現には至りませんでした。

─ アイデアはあったとしても、それを実現したことが凄いですよね。この場所(青山ブックセンター六本木店跡地)でオープンしたことにも意義があるように感じます。

ここにオープンできたということは、街から本屋さんが減らなかったということになるので、それがすごいなとは思いますね。

#02 ストレスレスになれる本

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─ それでは、いよいよ伊藤店長的ストレスレスになれる本5選をご紹介いただけますか。

ストレスレスになる方法、と聞いて思い浮かんだのは3つの角度から考えられるということでした。ひとつは精神的な面から、もうひとつは物質的なもので満たされる、最終的には自然に還る。この3つの視点で選んでみました。

Book 01. 『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』橘玲(幻冬舎)

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共感できれば自己啓発本はもういらなくなるはず

ビジネス書や自己啓発書は毎日のように出版されて世の中に溢れているのですが、それに比例して成功者が増えているのかというとそうではないような気がしていて。それを実践したからといって変われた人ってなかなかいないのではないかと。私自身も挫折したときにこの本を読んだのですが、それはどうしてなのかというのがこの本には書かれています。橘さんの文章で面白いところなのですが、「遺伝子的に決められているから、それができないのはしょうがない。」でも、しょうがないからどうしようもないで終わりではなくて、「その中で幸せを探していくにはどうしたらいいのか。」というのが書かれています。この本に共感できれば自己啓発本はいらなくなるはずです。最後の自己啓発本として、いま店頭で開催しているビジネス本企画展でも私のおすすめとしてご紹介しています。

Book 02. 『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ』高村友也(ちくま文庫)

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最終的にはこういう生活もあり!?

生活する環境を考えたときに、都市生活はストレスがかかりますよね。実は私も茨城から六本木まで毎日通っているのですが、地方で暮らすことってストレスレスなんです。その最終段階まで行ったのがこの本で、人との交流さえもやめて、自分ひとりで小屋を建てて暮らそうという本です。著者は東大を出ている方なのですが、「トイレを作ると法律違反で市役所からクレームがくる、でも逆にそれを肥料にしてしまえば問題ない」だったり、とても興味深いことが書いてあります。最終的にこういう生活もありだな、というのがわかれば心に安定がもたらされて、それまでは頑張れるのではないでしょうか。

Book 03. 『それでも私が捨てられなかったもの』やましたひでこ(イースト・プレス)

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自分を本当に幸せにしてくれる”物”とは

ミニマリズムという言葉が流行っていますが、私はその真逆をいっていて、発売日を心待ちにするほど物を持ちたいタイプなんです。物って人を幸せにすると思うんですね。この本の著者のやましたひでこさんは断捨離で有名な方なのですが、そのやましたひでこさんが捨てられない物って興味ありませんか?自分を本当に幸せにしている物。物の魅力に気づいて、自分を幸せにしてくれる物って何なのだろう、というのを考えてみるきっかけにしてみてはいかがでしょう。

Book 04. 『生き物としての力を取り戻す50の自然体験』カシオ計算機 監修, Surface&Architecture 編(オライリージャパン)

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魚の耳石を見つけて自然に還る

ストレスが溜まる時というのは、生き物としての力が弱っているときなのではないでしょうか。そんな時に読みたい本がこちらで、自然に還ってストレスを発散する50の方法が書かれている本です。たとえば、「半月で地球の公転を実感しよう」とか、「河原に行って石を立ててみる」などが書かれています。なかなか思いつかないようなものが載っていたりもするんですよ。「魚を食べて魚の耳石を見つけよう」とか。やっぱり、自然に還るのは重要じゃないかなと思います。これをひとつずつ実践していったら豊かになれるのではないかなと。

Book 05. 『[北欧流] 焚き火のある暮らし』エイヴィン・ベルク 著, 井上廣美 訳(原書房)

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最大のストレスレスは焚き火

最後は焚き火の本です。私も毎週焚き火をしているのですが、ストレスレスには焚き火が一番だと思っています(笑)。焚き火だけってなかなかやらないかもしれないですが、庭で火を燃やして延々と火のゆらぎを見るってすごいことですよ。この本にはノルウェー流の焚き火の方法が書かれているのですが、「この木を燃やすとこんな効果がある」だったり、焚き火の歴史、焚き火って面白いよ、という入門書のようなものです。読み物としても面白いですし、焚き火好きにはたまらない1冊です。

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─ 伊藤さんの話を伺うと、どの本も読んでみたくなるものばかり。文喫もまさにそんな、本への興味が溢れてくる場所でした。家でのリラックスタイムをより充実させる1冊をお供に、ストレスレスな時間をお過ごしください。

STORE INFORMATION.

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文喫 BUNKITSU
住所:東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビル1F
アクセス:地下鉄日比谷線・大江戸線六本木駅 3・1A出口より徒歩1分
営業時間:9:00~23:00(L.O.22:30)
TEL: 03-6438-9120
座席数:90席
入場料:1,500円 / 平日19:00以降は1,000円(共に税別)

新連載「ストレスレスなこと」────
いま、働き方改革、地方移住といった生き方や暮らし方の価値観が急速に変化しています。読者が求める暮らしのキーワードを「ストレスの無い=ストレスレスな時間」と設定。そんなたいせつな時間を作り出す、至高のツールとして長く愛される、ノルウェーの家具メーカー「エコーネス(EKORNES‎)」のストレスレス®チェアと共に、いまの時代に即したストレスレスな生き方や暮らし方のヒントを探っていきます。本企画は、エコーネス社が運営するストレスレス®チェアのWEBマガジンstressless® Moment(ストレスレス®モーメント)との連動企画です。ストレスのない快適で心地よさを演出するコト、自分らしく人生を楽しむヒトなどを紹介するコンテンツが充実。こちらもぜひご一読ください。

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連載:コピーライター小藥元の「美ンテージ採集」

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