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【コラム】輸入ポスター専門店 「ナップフォード・ポスター・マーケット」に聞く、アートポスターの魅力



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自宅の居空間を居心地の良いものにすることは、忙しく働いているからこそ大事にしたいこと。好きな家具のある空間は心地良いが、そこにお気に入りのアートが1枚あるだけで、脳に刺激も加わり、よりストレスレスな空間になる。今回は、世界中から集めたデザイン性の高いポスターを専門に扱う東京・参宮橋の「ナップフォード・ポスター・マーケット」をご兄弟で運営するの井上恭太(兄)さんと井上慶太(弟)さんに、ポスターの魅力と心地良い空間作りについて伺った。

Photo: J.L.F.S Text: Madoka Takano Edit: F.M.J.magazine


#01 ナップフォード・ポスター・マーケットとは

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“購入してすぐに飾れる額装スタイル”

ー まず初めに、お二人でお店をオープンするに至ったきっかけは?

弟の私がもともとデザイン会社をしていたのですが、2年目になって別のこともやりたいと思うようになりました。同じ時期に家をリフォームしまして、ポスターを飾りたいと思って調べたところ、日本に専門店が少ないことに気がつきました。ヨーロッパなどではよく見かけるポスター専門店が、日本にないのであれば作ろうと思ったことがきっかけです。

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また、美術館などでポスターなど購入した際に、額を探すのがなかなか手間だったこともあり、額も一緒に提案するのがいいんじゃないかな、と思って今の形になりました。その時、たまたま演劇をやっていた兄も別の事をしたいと考えていて、タイミングが合ったので誘って一緒にやることになりました。私は以前フランスに住んでいた経験から、いつかは海外に住みたいと思っていたので、海外とのつながりを持つため、というのも一因ですね。

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ー 海外での買い付けは、どこの国が多いのでしょうか?

買い付けは主にヨーロッパに年2回ほど行っています。先日はパリとコペンハーゲンに行って仕入れてきました。また時には直接アーティストさんへ交渉に伺うこともあります。国によって特色や空気感に違いがあるのが面白いですね。フランスはエレガントな雰囲気だったり、ドイツは力強いタイプで文字が記されていたりとか。

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“希少性の高いポスターとは”

ー お店で扱うポスターへのこだわりなどありますか?

基本的には有名無名問わず、部屋に飾ったらかっこいいんじゃないか、という視点で選んでいます。日本語で訳されていない無名の方の作品などもいいものは沢山あって、仕入れた後に調べることが多いですね。

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また、アート作品というよりは、アートにプラスして展示会や美術展の日付などの文字が合わせてデザインされている、広告用に作られたものを選ぶことが多いです。アート作品は印刷すれば大量に作れますが、ポスターはその展覧会の期間だけしか使われないので希少性が高くなります。購入した時に3万円だったものが次買う時に20万円になったこともありました。

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ー お店にはどんな方が来店しているのでしょうか?

以前は、デザイナーさんやインテリアコーディネーターさん、ショップの方など、プロの方がほとんどでしたが、日本でも住宅環境が変わってきたり、DIYをする方も増えたからか、最近は一般の方も多くなりました。出張のついでに来ました、という方や、海外の方も来てくださることもあるんですよ。その海外の方々も口々に『Great』とおっしゃってくださいます。

ー 逆に、日本のアーティストのものは扱わないのですか?

たまに扱うこともあって、以前に草間彌生さんの海外でのエキシビションのものや、荒川修作さんのミュンヘンオリンピックの時のポスターを扱っていたことなどもあります。

#02 ポスターの選び方、飾り方のポイント

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“家具などのインテリアに合わせるポスター”

ー 初めてポスターを選ぶ時の選び方のポイントはありますか?

最初の直感で気になったものをピックアップしてみてください、とアドバイスしています。背景やウンチクもありますが、やはり直感で選んでもらったものの方が長くお付き合いいただけるかなと思います。オンラインの画像を見て、「これを見に来ました」と来店しても別のものを買っていかれる方が結構多いんですよ。

ー ポスターをインテリアに馴染むようにするためには?

フレームの色もポスターの印象に関わってくるので大事な要素だと考えています。モノクロのポスターには黒いフレーム、ヴィンテージのものなら木目のもので柔らかく、ポップアートにはシルバーなど。また保存するために透明のアクリルで囲むものなどもあります。サイズが本当にまちまちで、70cm×50cmの一般的なサイズから、たまに70cm×51cmのものもあったりするので、ひとつひとつ受注生産で作っています。また個人的にですが、丸みのあるフレームがあまり好みでなく、店では全て角のあるものにしているのもこだわりです。シャープなフレームの方がインテリアに合うような気がしています。

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ー おしゃれに見える飾り方の秘訣はありますか?

店でも白壁のみのギャラリースペースにせず、あえて家具を置いて、実際に部屋に飾った時の大きさだったり雰囲気をイメージしやすくしているのですが、家にある家具に合わせたときにどう見えるか、ということをイメージをしてもらうことでしょうか。

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また、いくつかのポスターをランダムに置いていただくと海外のおしゃれな家のような雰囲気が作れると思います。1枚のポスターを中心に周りを埋めていくイメージで、空間が余った時はポストカードなど小物を合わせてあげるのもおすすめです。

#03 いま、おすすめのポスター

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ー 1点ものも多いかと思いますが、今のおすすめやお二人のお気に入りのポスターをご紹介いただきましょう。

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Jean Dubuffet / Galerie Jeanne Bucher 1967
Ustensiles, Demeures, Escaliers
サイズ:665mm × 460mm × 30mm
価格:138,600円(税込)

1967年にフランス・パリのGalerie Jeanne Bucherにおいて開催されたJean Dubuffet(ジャン・デュビュッフェ)展のエキシビションポスターです。この形で切り取られていて、外側の黒い部分は額の内側なんです。ポスターを浮かせて配置しています。エキシビション内容も含めて手書きでアートにしているのはなかなか珍しいデザインです。

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Ronan Bouroullec / ORANGE / BROWN / BLUE
OFFSET PRINT
サイズ:720mm × 720mm × 24mm ポプラ材ホワイトフレーム
価格:各40,700円(税込)

フランスの今一番勢いのあるプロダクトデザイナー ロナン&エルワンブルレック兄弟のアートワークです。1枚でも素敵ですが、3枚並べて飾るとよりおしゃれに見えると思いませんか?実は私が使っている机もブルレックのデザインなんです。

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Emil Ruder / BERLIN – die grösste Stadt Deutschlands
Gewerbemuseum Basel 1963
サイズ:H1,315mm × W924mm × D25mm アクリルフレーム
価格:495,000円(税込)

お店の奥に飾っている、ベルリンの文字がインパクトのある1枚です。1963年にスイスのGewerbemuseum Basel で開催されたエキシビション『BERLIN – die grösste Stadt Deutschlands』のポスターで、デザインは20世紀タイポグラフィで最も影響のあるスイスのタイポグラファー Emil Ruder。おすすめではありますが、手放したらもう入ってこないと思うので本音ではあまり売りたくないくらいお気に入りです。

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“ Trafic ” Jacques Tati
サイズ:H1,573mm × W1,153mm ※フレーム未額装
価格:110,000円(税込)

あともうひとつ、畳んでしまってあるのですがこちらのポスターもおすすめなんです。1971年に公開されたジャック・タチ監督/脚本/出演によるフランス映画「トラフィック」のシネポスター。写真だと分かりにくいですがかなり大きなものになります。車線で描かれた「Trafic」の文字とブルーの色が印象的です。

ー ポスターからデザインの仕事へのインスピレーションを得られることも多いという慶太さん。おしゃれな家具とデザイン性の高いポスターに囲まれた店内は、確かに心地良く洗練された空間でした。空間を埋めるためだけのものではなく、インテリアの主役にも、ヒントやひらめきを与えてくれるお気に入りのポスター。まずは1枚取り入れてみてはいかがでしょうか。

STORE INFORMATION.

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ナップフォード・ポスター・マーケット(KNAPFORD POSTER MARKET)
住所:東京都渋谷区代々木4-12-6
営業時間:月・火・金 13:00〜19:00/土・日・祝 12:00〜19:00
定休日:水・木曜
TEL:03-3370-2675

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