遺伝子研究、解析を専門に行う検査会社ジェネシスヘルスケアは、設立15周年の記念事業として4月25日、個人の遺伝子情報を共有するための新サービス「ジェネシス ガイア(GenesisGaia)」を開始する。
ジェネシスガイアは遺伝情報のマーケットプレイスで、遺伝情報を研究に活用したい学術研究機関や製薬、食品関連などの企業と、遺伝情報の保有者である個人の利害が一致した場合、遺伝情報を企業などに提供することで、個人がポイントを受け取れるサービスだ。
遺伝子情報の提供には、同社が販売する「ジーンライフ(GeneLife)」ブランドの遺伝子検査キットで検査を行うことが必須となる。遺伝子検査キットには、遺伝的な疾患リスクなどを解析する「ジーンライフジェネシス(GeneLife Genesis2.0)」29,800円(税抜)をはじめ、自分の性格を遺伝子レベルで解析する「ジーンライフマイセルフ(GeneLife Myself2.0)」29,800円(税抜)、自分にあったダイエット法が分かる肥満遺伝子検査3,980円(税抜)や、自分のルーツについて解析する祖先遺伝子検査9,800円(税抜)など様々な商品の中から選択できる。
検査キットを購入した際には、付随サービスとして専用モバイルアプリを利用することができ、アプリでは自分の遺伝子検査の結果レポートへのアクセスに加え、提供先企業や団体の選択などができる。そして、協力する研究・開発に応じてポイントを得ることができる。このポイントは当面、遺伝子検査キットなどの商品交換での使用に限定されるが、年内には他のポイントプログラムへのポイント変換も可能になる予定だ。
モバイルアプリは4月25日にジーンライフの顧客5,000人に先行配布版を配布し、6月中に一般向けに完成版の提供を開始する。ポイント還元率もその際開示される。
ジェネシスガイアを利用する学術・研究機関や企業にとっては、遺伝情報の絞り込みが効率的にできるため、研究の効率化や製品開発期間の短縮が期待できる。遺伝情報については、遺伝子多型のほか、アンケート調査などで回答を得た個人の性別、年齢、居住する都道府県、喫煙や飲酒などの生活習慣、過去に患った病気などの条件から該当者を匿名で検索することもできる。さらに、個人の同意があればその個人に連絡することも可能となる。例えば、特定の遺伝的特徴を持った人だけを治験の対象にする場合に対象者の絞り込みが簡便にできるようになり、治療薬の研究期間短縮が期待できるということだ。
世界的に遺伝情報を個別化医療や予防医療に役立てる機運が高まる中で、ジェネシスガイアは日本で遺伝情報にシェアリングエコノミーの概念を導入する先駆的な事例となる。