“サードウェーブ・コーヒー”という言葉も定着しつつあり、コーヒーが一つのスタイルとしてより身近になってきた昨今。新たなコーヒースタンド「パーチ(Perch)」が7月15日、東京・代官山にオープンした。
パーチの本店は、用賀の「ウッドベリー・コーヒー・ロースターズ(Woodberry Coffee Roasters)」。昨年同じく用賀の大山通りに2店舗目をオープンしたばかりの、業界も注目のスペシャルティコーヒー専門店だ。
代表の木原武蔵さんは、5年前・21歳で開業、今回で既に3店舗目となる。短期間で店舗オープンに至った経緯を尋ねると、「一緒にやりたい、という人が集まって来るから、じゃあ新しいお店を作ろう、という事になって」と語る。その魅力はコーヒーの美味しさはもちろん、木原さんのコーヒーに対する熱い想いと人柄にもあるようだ。
コーヒースタンドは特別なものであるのではなく、一日の中でふっと羽を休めるように、”毎日通いたくなるコーヒースタンド”をつくりたい、という想いから生まれたのが、今回の新店パーチ。
DIYで作り上げたという白を基調とした内装は、それを感じさせないクオリティで、オシャレ空間に仕上がっている。特にスタンド奥にあるイートインスペースは、隠れ家的で心地いい空間。代官山「ガーデンハウス クラフツ」から仕入れているというパンと共にコーヒーを飲みながら、まさに”羽を休める”ことができそうだ。
パーチでは、ローカルコミュニティ作りに向けた新たな取り組みとして「ロイヤリティカード」というサービスを展開。来店時にカードを提示すると、全てのドリンクが50円オフとなるというものだ。
このサービスのもとになっているのは、同店でマネージャーを務める、松本悠汰さんがバリスタとして働いていた、オーストラリア・メルボルンのカフェの文化で「ローカルプライス」という制度。バリスタは毎日来るお客さんの顔を覚えて割引もするというもので、ローカル&フレンドリーな関係がそこには生まれるという。編集部も1枚頂いたが、自分もコミュニティの一員になったかのようで、ちょっとうれしい。
最後に木原さんは今後について、「スタイルとしてのコーヒーではなく、コーヒーの味を極めていきたい。例えば、100万円のワインもあるように、4,000円のコーヒーもこれから出てきていいと思う。コーヒーの上限をもっと上げていきたい。ワインのようにその土地その年にしか出会えないような特別な “美味しさ” を届けたい。いますぐは難しいが、輸入の仕組みや取引形態なども含めてコーヒーの常識を変えていきたい。」と熱い想いを語ってくれた。
コーヒーの可能性と、そこから繋がるローカルコミュニティの関係性。パーチは、コーヒーを通して私達に色々な”きっかけ”をつくってくれる、コーヒースタンドになっていくのかもしれない。
Perch by Woodberry Coffee Roasters
住所:東京都渋谷区恵比寿南3-7-1 代官山島田ビル1F
TEL:03-6451-0446
営業時間:8:00〜18:00
定休日:不定休
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