東急不動産が、渋谷区代官山町にて推進している新たな複合施設「(仮称)代官山町プロジェクト」の新築工事に着工したことを発表した。竣工は2023年秋予定。
計画地は、代官山駅至近であり八幡通り・代官山通りに面すフラッグシップ性のある立地に位置。代官山は、発展を続ける渋谷をはじめ恵比寿・中目黒へも徒歩圏内でありながら、賑わいと落ち着きがバランスよく共存する街であり、また、同社が開発の重点拠点とする広域渋谷圏内の魅力ある街の中でも、時代に合わせた変化も柔軟に受け入れてきた、独特の存在感と個性を放つ街であると考えることから選定された。
同社がこの場所に提案するのは、賃貸住宅、オフィス、商業施設で構成する複合施設を建築し、「暮らす」「働く」「遊ぶ」 の異なるシーンがシームレスに融合する”新しいライフスタイル”だ。コロナ禍において多様化する生活様式やライフスタイル、価値観の変容の背景から、これからの時代に求められる複合施設は「異なる用途が存在する」ことだけでなく、「各用途が融合し、施設全体で拡張した暮らしの選択肢を提供する」ことが必要だと考えた。同プロジェクトを通し、個々の用途にこだわらず施設全体が生活の場となるようなこれまでにない新しいライフスタイルの提案を目指していく。
デザイン設計を手がけるのは、建築家・隈研吾氏。街の自由とサステナビリティを象徴する緑あふれる様々な形状の小さな木箱を積み上げたデザインにより、「街の緑につながり、木々が織りなす木漏れ日からひとりひとりの暮らしが垣間見える、木々の成長と共に変わりゆく時代に寄り添う新しい拠点の姿」を表現。真ん中には空とつながるアトリウムが設けられており、そこから街へとつながり共創していく様子をイメージ。代官山の緑豊かな街並みに合わせ、屋内にも屋外にも豊かな緑を取り入れて彩を加えることで、心地よい生活シーンを提案する。
隈研吾氏は同プロジェクトにあたり、「コロナは建築と都市の歴史にとって大きな転換、折り返しポイントになるであろう。コロナ以前の建築のテーマは「集中」であった。都心部に集中させることが効率的であり、幸福であると考えられていた。コロナのあと、われわれは都市の様々な活動を分散、多様な存在へと作り変えていかなければならない。『代官山町プロジェクト』はそのような新しい試みの一つのモデルとなるであろう。」と想いを語る。
(仮称)代官山町プロジェクト
住所:東京都渋谷区代官山町119番他
敷地面積: 約 4,084m²
延床面積: 約21,875m²
構造規模:鉄筋コンクリート造 地上10階、地下2階
用途:賃貸住宅、店舗、事務所、駐車場
基本設計:隈研吾建築都市設計事務所
実施設計:株式会社竹中工務店・株式会社東急設計コンサルタント 共同企業体
施工者:株式会社竹中工務店
竣工:2023年秋(予定)