LINEは3月24日、千葉県浦安市で事業戦略発表イベント「LINEカンファレンス・トーキョー2016」を開催した。同日付けで既存のLINEアカウントの機能拡張を実施したほか、企業向けに「LINE」のプラットフォームをオープン化する戦略などが発表された。また、独自ポイントの開始や、今夏をメドにMVNO(仮想移動体通信事業者)事業に参入することも明らかにした。
LINEは企業が持つLINEアカウントの機能を拡張、3月24日から3つの新機能を追加した。
1つ目がネット販売機能で、実店舗などを対象とした廉価版アカウントの「LINE@」内で通販サイトを開設できるというもの。月額料金やシステム利用料は不要で、販売・決済手数料4・98%を徴収する。LINE執行役員でプラットフォーム担当の杉本謙一氏によると「『LINE』でプッシュ通知ができる業界最安のスマートフォンコマース」という。
2つ目の機能がクーポン。企業や店舗が「LINE」内のアカウントから配信しているクーポンを一元管理する。同機能により「企業は自社アカウントの『友だち』(フォロワー)以外にもクーポンを届けることができる」(杉本氏)。3つ目は「LINE」内でポイントやスタンプを集めて必要な時に利用できるショップカード機能で、現在地周辺の店舗を見つけたり、検索して対応店舗を探すことができる。
企業向けにプラットフォームのオープン化も行う。LINEがニュースや動画配信など自社サービス向けに展開しているプラットフォームの仕組みを強化し、ウェブ関連のサービス運営事業者に開放。パートナー契約を結んだ企業が、自社のウェブサービスとLINEアカウントを連携させることで、ユーザーの行動を「LINE」上で完結させることができる。開始は夏頃を目指しており、現時点では「オイシックス」や「食べログ」、「アットコスメ」など40社以上の企業が参画する意向という。
また、LINEのメッセージAPIを利用するには月額数百万円程度のアカウント費用とメッセージごとの従量課金が必要だが、フォロワー数10万人を上限に月額2万円でAPIによるメッセージ配信ができるお試しプランも開始する予定。
決済面ではジェーシービー(JCB)と協業し決済サービス「LINEペイ」の残高をJCB加盟店の支払いに利用できるプリペイドカード「LINEペイカード」(入会金・年会費無料)の発行を3月24日に始めた。同カードの申込件数は受付開始から3日間で10万枚を突破したという。
そのほか、同日付で「LINE」のプラットフォーム内で利用できるポイントサービス「LINEポイント」も開始。「LINEペイカード」での買い物などを通じてポイントを貯めることができる。貯まったポイントは1ポイント=1円としてLINEのオンラインショップで利用できるほか、1000ポイント以上で電子マネーに交換することができる。夏には外部企業のポイントプログラムや特典への交換開始も予定しているようだ。
さらに、今夏をメドに「LINEモバイル」としてMVNO事業に参入する。利用料金は1カ月500円からを予定し、「LINE」に加え「フェイスブック」「ツイッター」の主要機能を使い放題にする。
[元記事:LINE、「LINE@」に通販機能、今夏にプラットフォーム解放も]