石川県・金沢市の中心地である香林坊に、蒸溜所併設のブティックホテル「香林居(こうりんきょ)」が、10月に開業する。7月1日より、宿泊予約および各コンテンツの予約が開始した。
コンセプトは「新しい金沢時間を処方する」。兼六園や金沢21世紀美術館に程近い場所に位置する同ホテルは、古くから九谷焼をはじめとする世界の工芸品を扱うギャラリー・眞美堂のビルをリノベーションし建設。もとの建築にある特徴的な意匠のアーチをモチーフにした内装と空間演出が特徴となっている。
ホテル名「香林居」のネーミングにある”居”とは、そこにあること、構えること、振る舞うことを意味。美の集積地としての歴史性を継承する香林坊の地に、居る。宿泊、飲食、処方体験など、新しい金沢時間を処方する場所を意味。自然、文化、歴史的と様々な美の背景を持ち合わせる香林坊という地に、新しい価値を未来へ継承していきたいという思いのもと、誕生する。
1階の蒸溜所では、石川県・白山を拠点に活動する「アースリング」と提携し、精油の精製を行う。蒸溜には、白山の水と森林素材を使用。同じく白山の水を使用した「水」および「透明性」をコンセプトに掲げる独自ブランド「ペトリコール(Petricol)」の製品を併設ショップにて販売。ペトリコールの製品は、アメニティとして各客室でも用意する他、蒸溜の過程で生じた芳香水はルーフトップサウナ&バスのアロマウォーターや、客室常備のリフレッシャーなどにも活用。また、小型蒸溜機により利用者が直接蒸溜を楽しめる機会も用意。その他、石川県・白山のクロモジを原材料に使用した香林居オリジナル蒸溜酒オー・ド・ヴィーを「mitosaya 薬草園蒸留所」とのコラボのもと開発。爽やかで透明感のある香りをもつオー・ド・ヴィーは客室内ミニバーで楽しめる他、1階ショップでも販売を予定。
10階のルーフトップにはサウナ&バスを用意。1階の蒸溜機から抽出されたアロマウォーターを使った本格ロウリュを楽しめる。また、北陸地方において初となるメディテーションフローティングも導入し、光や音が遮断された空間で浮遊する深い瞑想状態を体験。日常から離れたリラックスしたひと時を過ごせるのが魅力だ。また、宿泊者以外でもビジター利用が可能となっている。
リノベーション以前から印象的な存在だった半地下空間には、タイワニーズ・キュイジーヌ「カーチ(karch)」が開業。プロデュースを手掛けるのは、金沢を拠点に活動する「スクロ(SKLO)/ 四知堂kanazawa(スーチータンカナザワ)」の塚本美樹氏。塚本氏は客室内に設置する日用品の監修も行い、世界各地のヴィンテージ品からモダンプロダクトに至るまでさまざまな美品のキュレーションを手がけている。
ホテルの制服と館内着は「ジル サンダー(JIL SANDER)」のウィメンズデザインチームに所属した経験を持つ「ハルノブ ムラタ(HARUNOBUMURATA)」デザイナーの村田晴信氏が担当。制服についてはホテルのテーマの一つでもある”ユートピア”という言葉から着想を展開。スタッフの装いがその理想郷へ人々を引き込み、ホテルの世界観を共有するための装置として機能することを目指しデザインされた。館内着についても、装いを通じてホテルの世界観を感じられるようなデザインを目指した。
「香林居(こうりんきょ)」
グランドオープン:2021年10月1日
プレオープン:2021年9月17日
住所:石川県金沢市片町1丁目1-31
階数:地下1階、地上10階
客室数:18室
館内施設:客室 / レストラン / ショップ / フローティング / ルーフトップサウナ&バス
統括・施工:西松建設株式会社
ブランディング・トータルプロデュース:株式会社サン・アド
ホテル運営・コンセプト開発・企画プロデュース:株式会社L&Gグローバルビジネス
建築設計:ひとともり一級建築士事務所、株式会社ユウプラス