「グッチ(GUCCI)」は、東京・銀座のグッチ銀座 ギャラリーでの展覧会「横尾忠則 未完の自画像 – 私への旅」の成功を受け、アーティスト横尾忠則とのコラボレーションを東京から瀬戸内、大阪へと広げ、新たなインスタレーションを展開した。
4月より開催されている本展は、美術評論家の南雄介氏によるキュレーションにより、「未完」をテーマに構成されている。展示作品約30点のうち、新たに制作された6点は、自画像や家族をテーマとした作品群で、本展の中核を担っている。また、1970年の大阪万博で横尾氏が「未完」のイメージをシンボリックに提示した真っ赤な足場のインスタレーションは、グッチ銀座 ギャラリーの吹抜けおよび屋上で再現され、そのダイナミックな世界観が今再び大きな反響を呼んでいる。
この「未完」の精神は、「瀬戸内国際芸術祭2025」の開催地のひとつである豊島にも引き継がれ、5月22日には、横尾との最新コラボレーションとして、新たなアートウォールが公開された。
3年に一度開催される「瀬戸内国際芸術祭」は、瀬戸内海に浮かぶ島々を舞台にした国際的な現代アートの祭典だ。自然と共生する地域文化や歴史を背景に、国内外のアーティストたちによる多彩な作品が発表されている。グッチは今年、ファッションブランドとして初めて瀬戸内国際芸術祭の公式パートナーを務めている。
一方、横尾氏は2013年に、「瀬戸内国際芸術祭2025」の開催地・豊島に「豊島横尾館」を開館した。かつて民家だった建物をリノベーションし、横尾が全体コンセプトを手掛け、作品と建築、空間が一体となった体験型の展示空間は恒久的なアート施設として豊島の象徴的なスポットの一つとなっている。
このたびの新たなアートウォールでは、グッチ銀座 ギャラリーでの個展と連動し、「未完」を表現したインスタレーションが、さらに圧倒的な存在感を放つスケールで実現した。それは、日々刻々と変化する豊島の風景と呼応しながら、常に新しい表現の可能性に挑戦しながら変貌を重ねるという、横尾とグッチに共通するスピリッツを提示するものだ。さらに、この「未完」をテーマにしたインスタレーションは、グッチ大阪、心斎橋大丸 グッチショップ、心斎橋大丸 グッチ サテライトショップでも展開中である。こうした取り組みを通じて、ファッションとアートの開かれた対話の場を提供していく。
また、グッチは「瀬戸内国際芸術祭2025」において、UNHCRと写真家・ホンマタカシのコラボレーションによる作品展「SONGS – ものが語る難民の声」に協賛している。本企画では、ホンマタカシのレンズを通じて世界では1億2千万人を超えるといわれる難民の一人ひとりの物語に光をあて可視化している。UNHCRとの長年の協働を背景に、グッチは芸術を通じたポジティブな社会変革のきっかけづくりを支援している。