京都・新風館跡地にアジア初となる「エースホテル京都」がオープンすることが決定。2019年末の開業を予定する。
これはNTT都市開発が、京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町の新風館跡地で進める「新風館再開発計画」の一環。今回、エースホテルとホテル運営委託契約を締結したと発表した。
同社は、地域性を取り入れてロケーションごとに独自のデザインを施し、地域コミュニティや周辺企業とのコラボレーションにより新たな文化発信と地域活性化の拠点となってきたエースホテルと組むことで京都の地に新風を吹き込み、世界中から集まる旅行者や、地域の方々の交流拠点となることを目指すという。建物の建築デザイン監修は隈研吾建築都市設計事務所が手がける。客室数は213室を予定している。
エースホテルのブラッド・ウィルソン代表取締役社長は、「日本で事業を展開することは、私達の長年の夢でありました。京都の美と歴史に敬意を表しながら、世界に広がるネットワークと新しいカルチャーを育くむ空間を造るという、私達の共通の夢の完成に向けて、NTT都市開発や隈研吾氏をはじめとする、名実ともに優秀なチームとご一緒できることは、光栄であり身が引き締まる思いです」とコメント。
隈研吾は、「京都という場所とつながった、地域にひらかれたホテルを造りたいと考えた。まず、平安時代から様々な庭が造られてきたこの場所に、地域とホテル、そして現代と過去がつながる濃密な庭を造ろうとした。京都の和の伝統を引き継ぐ木組みと、日本の近代建築の巨人吉田鉄郎の設計した京都中央電話局の赤レンガがこの中庭で出会い、木とレンガが新しい会話を始めるだろう。京都らしい姉小路通、東洞院通に対しては、細やかなルーバーとメッシュで、それらの”通り”の繊細さに呼応した。そのルーバーとメッシュは、光と風をやさしくろ過する環境装置でもある。さらにコンクリートに酸化鉄を混入して、塗装に頼らない、暖かい発色を試みた。このように、隅々まであらゆるデティールとマテリアルにこだわって、建物と土地と歴史をひとつに繋げた。エースホテルもまた、地域とホテル、コミュニティとゲストをつなぐことで、ホテルというものの定義を変えようと試み、世界の街の空気を柔らかく変えつつある。その理念と建築とが共振することを願っている」とコメントしている。