最近、朝すっきり起きられている方はどれだけいるだろうか。忙しくて日中ふと眠くなる、時間としては寝ているはずがなんだかすっきりしない、という方にもご参考いただきたいのが今回のコラム。上質な睡眠とはどのようなものなのか、またちょっとした意識の変化で睡眠の質が上がるコツについて、「オルハ(oluha)上質睡眠専門店」の睡眠改善インストラクター 國井 修さんに話を伺った。
Photo: J.L.F.S Text: Madoka Takano Edit: F.M.J.magazine
#01 上質睡眠専門店オルハ(oluha)とは
“いい睡眠をとるきっかけに”
ー 2014年にオープンしたオルハですが、オープンに至ったきっかけを教えてください。
弊社は65年前に日本で初めて羽毛寝具の製造販売を始めた会社なのですが、商品を研究していく中で、できるだけ快適な眠りをつくるにはどのような寝具がいいのか、上質な睡眠とはどういうものなのか、を常に考えてきました。そうして長年かけて得てきた情報を一般の方々に知ってもらいたい、いい睡眠をとるきっかけにしてほしい、との想いでこちらのお店ができました。
ー こちらではどんなサービスを受けることができるのでしょうか。
こちらにいらっしゃる方は、自分にあった枕を見つけたい、敷き寝具(ベッド)を見つけたいなど寝具を探しにいらっしゃる方がほとんどですが、寝具は使う方の性別、体型や年齢によって合うものは違ってきます。そこで、寝姿勢圧の測定(センサーの上に寝るだけで寝た時の姿勢と体の凹凸の圧力がスクリーンに映し出される)を行い、選び方の目安などをお伝えしています。さらに、上質な睡眠は寝具を変えただけでは十分に得られるものではなく、生活リズム全体(ライフスタイル)が関わってくるものなので、そのアドバイスも行っています。
ー 例えばなかなか寝付けない、などの悩み別にアプローチ方法が違うのでしょうか。
寝付けない、と一言で言っても、その方が忙しく働く20代なのか、日中昼寝をしたりする70代なのか、などライフスタイルによって原因は違ってくるので、ここでは睡眠状態をチェックする30の質問に答えていただいて、その方に合ったアドバイスを行っています。
「オルハ(oluha)上質睡眠専門店」の睡眠改善インストラクターで一般社団法人日本快眠生活研究所の富眠プロデューサーも務める、國井 修さん
“パフォーマンスをあげるための睡眠”
ー では、オルハさんが考える上質な睡眠とは?
「いかにいい朝を迎えられるか」だと考えています。分かりやすくいうと、子どもの時の夏休み2日目の朝のような感じでしょうか。”さあ、今日は何をしよう””朝ごはんは何を食べよう”と朝から元気いっぱいなイメージです。睡眠の役割としては、寝ている間に体をメンテナンスしてくれる、記憶したものを定着させる、そして次の日をいい生活に導けるものという役割があるのですが、最近ではスポーツ選手もいいパフォーマンスをするために、いかにいい睡眠をとるかということに注目しています。睡眠を利用してパフォーマンスを上げる、とも言えるでしょう。
“朝は光を浴びて朝食をとる”
ー 個人ごとにアドバイスが違うということですが、一般的に、上質な睡眠のためにできることはあるのでしょうか?
上質な睡眠のためには朝、昼、夜でそれぞれポイントがあるのでご説明しましょう。まず朝は、「光を浴び」て、「朝食をとる」こと。光は体内時計の中の、脳の時計のスタートボタンを押してくれます。そして、朝食をとることによって末梢時計と言われる内臓の時計が動き出します。また、脳の時計のスタートボタンが押されてから14~16時間後にメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が始まり、その1~2時間後に自然な眠気がやってくるので、朝に体内時計を合わせることが大事になります。
店内では、睡眠に関する専門書籍も多数並ぶ。これらは実際に販売している
ー 分かってはいても、忙しくて朝食を食べる時間がない場合は最低何を摂ればいいのでしょう?
朝食の中でも重要なのはたんぱく質です。肉、魚、卵、豆、乳製品などのたんぱく質に含まれるトリプトファンという成分が睡眠ホルモンの「メラトニン」の材料となるからです。理想の朝食は、旅館の和朝食のスタイルですが、難しい場合はバナナや納豆、ゆで卵、ツナサンドなどと牛乳やヨーグルト・チーズなどを組み合わせてとることを心がけましょう。
“昼は活動的に過ごす”
ー たんぱく質を意識してとればいいことが分かりました。では昼のポイントは?
そして昼は活動的に過ごすことです。朝にとったトリプトファンは、活動することによってハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンに変わります。活動とは、ジョギングやサイクリング、ウォーキングなどのリズム運動が効果的なのですが、時間を取るのが難しい場合も多いかと思います。その場合は、オフィスのエレベーターをやめて階段を登ってみる、電車は一駅前で降りて歩くなど、生活の中で自分なりの工夫をして運動するといいと思います。
その次にスキンシップも重要なので、できるだけ会話をすることも意識してみてください。
“夜は入浴と五感を刺激”
ー ついつい一人でデスクにしがみついてしまがちですが、コミュニケーションも大事なんですね。逆にプレゼンなどがあるときにはアドレナリンが出過ぎてしまう時もありますよね。
そうですね。夜にはいかにそういった昼間の活動の状態から自律神経を落ち着かせるかが大事になってきます。そのための一つ目はまず、入浴です。睡眠の時は1日のうちで体温(内臓の体温である深部体温)が一番低い状態にあります。入浴によって体温を少し上げてあげることで、睡眠時の体温との落差が大きくなり、眠りやすくなるのです。適温は38〜40℃、時間は10~20分がおすすめです。額に汗がうっすら出てきたくらいを目安にしてみてください。逆に熱い温度のお湯は交感神経(ストレス神経)が優位に働いてしまうのでおすすめしません。
二つ目は、五感を使ってリラックスすること。特に脳に直接作用する鼻と耳からの刺激で副交感神経(リラックス神経)を優位にしていきましょう。自分の好きな香りでよいので、リラックスできる香りのアロマオイルを炊いて、波の音や水の流れの音などの自然音が入った音楽を聞きます。スイッチが切り替わるように、2〜3分でリラックスできますよ。
ー 全て行うのは難しくても、頭に入れておいて意識するだけで違いそうですね。では最後に、上質な睡眠のためのお勧めグッズをご紹介いただきます。
#02 上質な睡眠のためのおすすめグッズ
01.薬用ホットタブ重炭酸湯(入浴剤)
薬用ホットタブ重炭酸湯 / プレミアムホットタブ重炭酸湯Bio 各10錠 1,000円、30錠 2,500円(共に税別)
先ほど紹介した38~40℃の湯温は、少しぬるめに感じる温度なのですが、こちらの薬用ホットタブ重炭酸湯やプレミアムホットタブ重炭酸湯Bioという入浴剤を使えば、重炭酸イオンが温浴効果を高め血行を促進してくれるので低めの温度でも体をあたたる効果が高いため、おすすめです
02.羽毛足首ウォーマー
羽毛足首ウォーマー ¥2,871(税別)
「冷え」に関するツボが集中する足首を効果的に暖めるウォーマーです。先ほどの深部体温の話で、手足から熱を放出することで深部体温が下がり、いい眠りにつながるという話をしましたが、靴下を履いて寝たり、電気毛布をつけて寝ていることはそれを妨げてしまうのでおすすめしません。そんな冷えが気になる方におすすめなのがこの羽毛の足首ウォーマーです。羽毛の温かさが足首をやさしく包んでくれます。寝るときだけでなく、冷房の効いたオフィスやスポーツ観戦などにも使う方が多いんですよ。
03.羽毛ケラチン入りヘアケアアイテム
オルハ ヘア シャンプー300ml ¥3,000、トリートメント 300ml ¥3,500(共に税別)
羽毛ケラチンというたんぱく質が配合されているシャンプー&トリートメントです。長年羽毛の研究をしてきた中で開発した店の新商品なのですが、羽毛から抽出されるケラチンは、毛髪の保護、補修作用に優れていて、しっとりしなやかで指通りのよい、さらさらでつやのある美しい状態に導いてくれます。
ー 今回取り上げたのは睡眠に関するごく一部の部分で、ダイエット効果への期待をはじめ様々な角度から注目が集まっている、という國井さん。睡眠寝具を販売することよりもむしろ、睡眠というものへの知見を広めるために活動をしている印象を受けた今回の取材でした。まずは今日の夜の上質な睡眠のために行動を起こしてみてはいかがでしょうか。
STORE INFORMATION.
oluha 上質睡眠専門店
住所:東京都中央区銀座1-8-19 KIRARITO GINZA(キラリト ギンザ) 3F No.302
営業時間:11:00~20:00
定休日:12月31日・1月1日・2月第3火曜
TEL:03-5579-9710