近代建築の巨匠として世界的に知られてており、視覚芸術の他分野においても革新をもたらしたル・コルビュジエの「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」が、1月11日から3月23日まで、パナソニック汐留美術館で開催される。ル・コルビュジエの後期の絵画芸術に注目したはじめての展覧会として、活動前半期に焦点をあてた「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」展に続き、40歳代以降の円熟期の創作にスポットをあてる日本ではじめての試みだ。
同展覧会では、2020年から2022年まで国立西洋美術館の客員研究員として滞日したドイツの若手美術史家のロバート・ヴォイチュツケ氏がゲスト・キュレイターとして参画する。ル・コルビュジエによる国立西洋美術館の建築の新たな解釈を示した近著『未完の美術館』に基づく、これまでにない視点のキュレーションが新鮮だ。展覧会記念講演会は、1月12日に行われる。
会場構成は、ウルトラスタジオが手掛ける。向山裕二氏、上野有里紗氏、笹田侑志氏の3人のメンバーが、都市、歴史、物語などを手がかりにディスカッションを重ねて設計を行うスタイルを特徴としている。今回は、ル・コルビュジエの内装に着目して、「インテリア」「コーディネイト」「トランジション」をキーワードに、居住空間のなかに置かれた諸芸術の綜合をイメージした。
本展は、ル・コルビュジエ財団の協力のもと開催される。
画像:ル・コルビュジエ 《マッチ箱と二人の女》 1933年、森稔コレクション蔵