LIFESTYLE

【RAMEN with you】第4麺 「ねじ式」@幡ヶ谷



1億2,000万人の中から、誰かと誰かが引き寄せられ出会うように、
全国3万5,000軒の中から、お気に入りのラーメンと出合うことも運命的です。
6年前、東銀座で一杯のラーメンを食べてから、美味しいラーメンを求め食べ歩き、
くぐった暖簾の数だけドラマがあります。
その感動をお伝えしたい、僕があなたを連れて行きたいお店がここにあります。

Photo & Text : Takahiko Makiba
 第4麺|20世紀最後の正統派美少女と呼ばれたあの人と行くラーメン

ゲスト : 品田ゆいさん / kurkku広報、reiluディレクター
90年代とは何か。

僕にとっては、青春を青春と知らず、走り抜けた後に気付いた甘酸っぱい記憶。
1999年7月、「ノストラダムスの大予言」の恐怖の大王は来なかった。

あれからもうすぐ15年、皆様ご存知のように、巷ではいたるところで”90年代的なもの”が再燃しています。現在発売中の「WWDマガジン」では、90年ブームを特集しています。ファッションやカルチャーを軸に、ヴィジュアルを交えた解説やファッショニスタの言論など、さまざまな切り口から当時を振り返り、それらが現代のトレンドに繋がっているかを検証しています。

    見開き.JPG藤原ヒロシ.JPG
         2014年5月27日(火)発売「WWDマガジン」90年代特集の巻頭特集

90年代と言っても、当時の年齢や住む場所によって人それぞれの記憶があると思います。まさに十人十色の90年代。僕は10代が90年代。終わらない宿題。こわれそうなものばかり集めてしまったけど、輝きは飾りじゃなかった「ガラスの十代」。この曲は80年代。
今では当たり前だけど、海外からやってきた90年代デビューの食品が数多くあります。本場メキシコの味とCMのダンスがセンセーショナルだったドンタコスを始め、ティラミスやナタデココ、タピオカにベルギーワッフル、パンナコッタまで。ナンテコッタ。

ドンタコス.jpg教室でみんなで踊ったドンタコスのCM
ティラミス.jpg子供ながら、ティラミスのココアパウダーの苦味で大人気分になったものです
ナタデココ.jpg最後に缶に残ったナタデココを吸い出すのも楽しかった

ナタデココの缶ジュースで思い出しましたが、当時の缶ジュース(←最近この単語聞きませんね)は個性的で印象に残るものが多かったですね。安室ちゃんのDyDoミスティオ、ビートたけしのUCCのジョルト・コーラ、サントリーの鉄骨飲料と熱血飲料、コカ・コーラが男子高校生とコラボした、島と大地の実りや、アンバサホワイトウォーター、キリンのポストウォーターなど。気付けばミネラルウォーターしか買わなくなった今に比べ、当時の自動販売機と対面するドキドキ感は比べ物になりません。

RAMEN_with_you_02_.png[左上から]ミスティオ、ジョルト・コーラ、鉄骨飲料・熱血飲料、島と大地の香り、アンバザホワイトウォーター、ポストウォーター

食品や缶ジュースを思い出していたらなんだかお腹が減ってきました。せっかくだから90年代のアイドルとラーメンを食べたいな。そうだ、20世紀最後の正統派美少女と呼ばれたあの人を誘ってみよう。

1999年11月、アルペンのテレビCMに加藤晴彦の相手役として登場し話題となり、彗星のごとく現れたのが品田ゆいさんです。現在は「reilu(レイルー)」というオーガニック化粧品のディレクターをやっています。因みに品田さんの90年代をひとことで言うと、アングラバブルだそうです。うわっ、なんかよく分からないけど響きが羨ましい!

RAMEN_with_you_03.png数々の表紙を飾った品田さん
RAMEN_with_you_04.jpgかの有名な「relax(リラックス)」も品田さんに大注目していた(relaxが2000年発行なのは見逃してください笑)

幡ヶ谷の商店街にある「ねじ式」との最初の出合いは、その近所にある蛤(はまぐり)出汁の有名店が定休日だったため、ふらりと入ったときでした。いわゆる”二郎インスパイア系”と呼ばれるジャンルのお店と紹介されますが、二郎系が得意ではない僕が大好きなので、それではない気もしています。

品田ゆい.JPGさすが元アイドル、カメラを向けると当時と変わらない笑顔です

品田ゆいさんと一緒にお店に伺った日はあいにくの雨。「はじまりはいつも雨」のメロディーが頭をよぎりますが、店内のBGMはROCKがかかっています。醤油が基本ですが、鶏白湯や味噌、つけ麺もあります。僕は店主おススメの味噌をチョイス。

第一印象は懐かしい味噌味、だけどどこか新しい感じです。スープは鶏ベース、乗っかっている肉も全て鶏。マイルドな味噌スープにとにかくモチモチとしている麺がよくからみます。シンプルな味噌の味、だけどとても丁寧に作られていてうまみもあってクセになる感じもあるのが不思議です。雨がどしゃ降りで客が並んでいなかったために、カウンター越しに店主に話を聞きました。全て鶏にしているところは他店との違いを出すことだったり、鶏ベースのスープや麺のチョイスも昼間の混雑時の提供時間を早くするためのものだったりと、なるほど色々と計算されているものだなぁと感心しました。

90年代は懐かしく青春のど真ん中なので、ついあの頃に戻りたいと思ってしまいます。しかし、ねじ巻き式の時計の針が逆には回らないように、思い出は思い出のまま閉じ込めて、これからもねじを巻き、新しい自分に出会い続けたいと思います。もちろん美味しいラーメンにもね。
味玉味噌らぁめん900円.JPG味玉味噌らぁめん 900円
鶏白湯らぁめん750円.JPG品田さんが注文したのは、鶏白湯らぁめん 750円

ねじ式
住所:東京都渋谷区幡ヶ谷2-47-12 田口ビル1F
TEL:03-3375-2242
営業時間:11:30~15:00、18:00~22:00
定休日:木曜
URL:なし
makibatakahiko.jpg
牧羽 貴彦 Takahiko Makiba
1982年8月27日生まれ
ナノ・ユニバースを経て、INFASパブリケーションズのWWD beautyへ。
そのユニークなキャラクターに業界内のファンも多い。Instagram上では、連載で紹介していないラーメンやその他のグルメも見ることができる。
Instagramアカウント @makibat

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