COLUMN

【コラム】七十二の季節を感じる – 南青山の小さな花屋 #02 涼風至 「無花果(イチジク)」



72seasons2-01

【七十二候とは?】
私達は季節を大きく4つに分け、季節の訪れに気づき楽しんでいます。
古くから親しまれてきた暦「二十四節気・七十二候」をご存じでしょうか?
昔の人は季節を72種にも分け、5日ごとに変わる季節を楽しんで生活していました。

一年に72もの季節に分けて生活をおくっていた感覚とは?
季節の移り変わりを感じながら生活をおくる心地良さとは?

そんなコトを考えながら、花屋の目線で、季節にあった草花を探して紹介します。

【立秋】
8月7日頃、二十四節気では「立秋」。夏は本格的に始まったばかりですが、旧暦では一足早く「秋」をむかえます。「秋分の日」は9月23日頃。何となく、秋分の日を夏と秋の境界線なのかな?と感じていました。

まだまだ夏は始まったばかりですが、暦の上では「秋」となります。

|第三十七候 涼風至(すずかぜいたる)

8月7日〜11日頃は、旧暦では「涼風至」。

「涼しい風が吹き始める頃」という意味です。「秋が訪れる気配を感じる頃」とも解釈できます。今の時期の気温の高さから、違和感を覚える人は多いのでは?「暦の上では秋ですが、全国的に猛暑日になりました。」と毎年決まり文句のように聞こえてくるほど。今の時代では、秋の気配はまだまだ遠くに感じます。

暑い夏に「涼しい風」で思いつくのが、夏の食事。「冷やし蕎麦」「冷やし中華」「素麺」「冷奴」などなど、体温を冷やしてくれる食事は有り難いものです。

この時期、興味深い“花”に関する食材は今から旬を迎える「無花果(イチジク)」。
「花が無い果実」と漢字で表します。花が咲かないのではなく、花が咲かないように見える果実という意味です。

イチジクの花は、実の中にあって、表からは花が見えません。
実際は、実の中の白い粒々のものがイチジクの花。

花を口にする、珍しい果物として、爽やかな旬の味も一緒に楽しんでみて下さい。

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flower & photograph by yosuke sugawara

SUGAWARA

SUGAWARA

投稿者の記事一覧

「SUGAWARA」東京 南青山の小さな花屋。
旧暦と呼ばれているものは、古代中国で生まれ6世紀頃に日本に伝来した「太陰太陽歴」。その後、日本の風土・季節にあわせて日本独自のものへと改編されていきました。
昔の人は季節を72種にも分け、5日ごとに変わる季節を楽しんで生活していました。江戸時代に確立した暦「本朝七十二候」にそって、季節の移り変わりを感じながら、生活をおくる心地良さ・草花を探してコラムにしています。

昔の人が一年に七十二もの季節に分けて生活をおくっていた感覚とは?
連載を通して72種類の季節と草花を紹介していきます。

Web 「SUGAWARA」公式サイト
Instagram @sugawara87

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