【七十二候とは?】
私達は季節を大きく4つに分け、季節の訪れに気づき楽しんでいます。
古くから親しまれてきた暦「二十四節気・七十二候」をご存じでしょうか?
昔の人は季節を72種にも分け、5日ごとに変わる季節を楽しんで生活していました。
一年に72もの季節に分けて生活をおくっていた感覚とは?
季節の移り変わりを感じながら生活をおくる心地良さとは?
そんなコトを考えながら、花屋の目線で、季節にあった草花を探して紹介します。
|第四十一候 天地始めて寒し(てんちはじめてさむし)
8月28日〜 9月1日頃は、旧暦では「天地始めて寒し」。
夏の暑さが和らぎはじめ、徐々に秋へ向かう気配が感じられる頃です。日本では台風シーズンの到来。「台風」は英語の「Typhoon(タイフーン)」に「「颱風(たいふう)」と明治末期に気象用語として定められた事が由来となっています。昔の人は「野の草を吹き分けるような強い風」から、「野分(のわけ・のわき)」とよんでいたそうです。
野に咲く秋の草で思い浮かぶのは「秋の七草」。山上憶良が万葉集で詠んだ句が由来と考えられていて「ハギ、オバナ(ススキ)、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ」の七種になります。春の七草粥とは異なり、口にはしませんが、冬に向かう前に美しさを愛でる秋の花としていい伝えられてきています。
秋の七草の一つ「藤袴(フジバカマ)」は万葉の時代から人々に親しまれてきた植物です。残念ながら現在の日本では自生に適した環境が少なくなり、準絶滅危惧種に指定されています。
写真は蕾の状態のもの。咲く時は蕾の先端から、糸のような雌しべがでてきて、不思議な様子で咲いていきます。
flower & photograph by yosuke sugawara