【七十二候とは?】
私達は季節を大きく4つに分け、季節の訪れに気づき楽しんでいます。
古くから親しまれてきた暦「二十四節気・七十二候」をご存じでしょうか?
昔の人は季節を72種にも分け、5日ごとに変わる季節を楽しんで生活していました。
一年に72もの季節に分けて生活をおくっていた感覚とは?
季節の移り変わりを感じながら生活をおくる心地良さとは?
そんなコトを考えながら、花屋の目線で、季節にあった草花を探して紹介します。
|第四十二候 禾乃登(こくものすなわちみのる)
9月2日〜 9月6日頃は、旧暦では「禾乃登」。
稲や栗などの穀物が実る頃です。稲は刈入れが間近ですが、この時期はまだまだ台風が多く、収穫まで農家さんは気が抜けない時期となっています。あと少しすると「新米」を全国的に楽しめる時期がやってきます。秋ならではの旬の食材と一緒に口にできる日が楽しみです。
この時期の花市場はすでに秋の草花が増えはじめています。そのなかでもハッと心奪われるのは紅葉した葉達や、実を結んだ植物。この時期に一枝、ご自宅に飾ったら秋らしさを演出する事ができます。
その中から選んだ植物は「山保呂之(ヤマホロシ)」。
紫色の可憐な花を咲かせ、夏が終わる頃に実が赤く色づく植物です。
今の時期はちょうど、葉と花、グリーンの若い実、赤く色づきはじめた実、4種類を楽しめる状態で、生産者さんが出荷してくれます。こうやって見ると時間の経過が良く分かり、季節が移り変わる時期ならではの豊かな表情をしています。
ヤマホロシ以外にも「栗」「ビバーナムコンパクタ」「七竈(ナナカマド)」「蔓梅擬(ツルウメモドキ)」「山帰来(サンキライ)」等、実りの秋を感じられる様々な植物がお花屋さんに並びますので、お気に入りの「旬の植物」を探してみて下さい。
flower & photograph by yosuke sugawara