エルメス(HERMES)が11月3日、京都・祇園にエルメス祇園店(京都市東山区祇園町南側570番地8)をオープンする。
このブティックは、2017年7月31日までの期間限定。11月3日から9ヶ月にわたって、エルメスのものづくりの精神や世界観を様々な形で展開していくという。その第一弾として、オープンから11月30日まで、エルメスのアイコンとも言えるスカーフの「カレ」にフォーカスしたイベント「HERMESMATIC」が行われる。店内では、一つとして同じものはない限定300枚のディップダイの「カレ」と、16-17AWシーズンのアクセサリーも展開される。
ブティックを構える地は、景観保全修景地区に指定されている祇園の中心を通る花見小路沿い。八坂神社や建仁寺にも程近く、周りには由緒ある茶屋や料亭が立ち並ぶ。ブティックオープンの発端は、建築様式“京町家”が形成された江戸時代中期、同地で創業した大丸が2017年に300周年を迎えるにあたって、失われつつある“京町家”を保存・活用しようと始めた「町家プロジェクト」にある。一方で1837年、馬具工房としてフランスで創業したエルメスは、その伝統と共にある美しい手仕事を頑なに守りながら革新を続け、時を超える価値を生み出してきた。今回、日本とフランス、異なる文化を持ちながらも、伝統と革新、職人の技、ものづくりへのこだわりが京都とエルメスを結び、伝統的な町家を舞台とした期間限定ブティックが実現した。
改装前は、住居や茶屋として利用されていたというこの町家は、花見小路に馴染んだ情緒ある佇まい。入り口の引き戸を開けて、暖簾を潜り、エルメスの世界へ誘われる――。
釘や接着剤を一切使わず、格子状にはめ込み組み立てた「木組み」という伝統的な技法が用いられた壁面。京友禅着物の老舗 千總が1枚1枚グラデーション染めを施したシルク布を用いた什器。建築家・鬼木孝一郎率いる鬼木デザインスタジオが手掛けた内装設計には、随所にものづくりに対する誠実な精神が宿っている。
1階フロアの中央カウンターでは、エルメスを象徴するオレンジカラーに染まった洗濯機と乾燥機が出迎える。これは、エルメスが今回用意したとっておきのおもてなし。日本では初となる「HERMESMATIC」イベントだ。今まで長年愛用してきた、あるいは大切にクローゼットにしまっておいた、はたまた祖母や母から受け継いだなど、様々な想いの込められた自身の「カレ」を持ち込むと、無料で後染めを行ってくれるという同サービス。ピンク、ブルーの2色からカラーを選び、預かりから約2週間後、染めを施し新しい命が吹き込まれた「カレ」が手元へ返ってくる(店頭持込/受渡のみ受付)。
続いて奥の階段で2階へ上がると、京都に縁のある著名人の愛用する「カレ」をディップダイした、全19品が一堂に展示されている。中には、書家の川尾朋子、騎手の武豊、株式会社スマイルズ代表取締役社長の遠山正道、ファッション・ジャーナリストの生駒芳子などが参加しており、会場ではディップダイ前の「カレ」の写真と共に、各人のエピソードを読むことができる。
今後もエルメス祇園店では、町に寄り添い、季節や時節に合わせ、常に変化とウィットに富んだ提案が行われて行く。12月にはクリスマスシーズンに向け、スカーフ、アクセサリーといったアイテムが展開される予定だ。
【店舗情報】
エルメス祇園店
期間:2016年11月3日~2017年7月31日
(「HERMESMATIC」は11月30日まで、2階の展示は11月20日まで)
住所:京都市東山区祇園町南側570番地8
営業時間:11:00~19:00
[元記事:京都祇園の伝統的“町家”がエルメス期間限定ブティックとして再生]
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