長年、ファッションバイヤーとして活躍をしてきた金子恵治が、ヴィンテージディレクターの河田新平と共に、2025年春夏よりファッションブランド「ファウンダ(FOUNDOUR)」をスタートする。ヴィンテージを中心とした過去のアーカイブからいま気になるアイテムをピックアップし、そこから服づくりのアイデアを膨らませ、パタンナーや工場といった最高のチームと共に形にする。
ファーストシーズンでは、街仕様にアレンジした南極観測隊のアノラックや、ポリエステル 100%の生地でつくったダブルフェイスの後付けパーカ、MA-1の生地で仕立てたベイカーパンツなど、アメリカのヴィンテージをベースに、モダンな感性を加えた18型の服がラインナップ。3月1日にオフィシャルオンラインストアにて発売予定だ。
「FOUND=探し出す」、「OUR=チーム」という言葉を組み合わせた造語がブランド名の由来だ。ファウンダがつくるのは、単なるヴィンテージのレプリカではない。金子の言葉を借りるとすれば「スタイリングの物語を発見する服」を目指す。日々上質な服に囲まれる中で、いつの間にか自身の中で王道が生まれ、スタイリングに対するアイデアが凝り固まってしまったと金子は話す。
ファッションの楽しさは、目的も由来も異なる服を組み合わせ、そこに自分なりのストーリーを紡ぎ出すところにあるはずだ。そうした原点に立ち返り、ヴィンテージやメゾンブランドといったいい服にも合わせられる“はずし”となる服をつくる。
たとえば、一見すると普通のブロード地のシャツでも、パターンやディテール、縫製に理由を与えることによって、遜色なくいい服と合わせられ、それぞれが引き立て役になることもあるはずだ。バイヤーとして培ってきた審美眼を活かして“いま着たい服”を探し出し、アイテムの文脈を掘り下げ、そこに服づくりの理由を見出す。そして、ファッションの楽しさを再発見できる形で提案していく。
金子恵治は、「『スーパーに売られている普遍的な食材も、一流シェフの手にかかれば美味しい料理になる』これは、ぼくが大事にしているアイデアです。それをファッションに置き換えるならば、『普遍的な生地を使って、最高の仕立てで服をつくる』ということ。目指すのは上質なものづくりではなく、上質に合わせられる日常の服づくりです。
なんてことない普通のブロード地のシャツも、ディテールやパターン、縫製に理由があれば、ヴィンテージのデニムと合わせても不思議とまとまりが生まれ、着こなしを引き立てます。ファッションという玉石混交の世界からおもしろい服を探し出し、その文脈を紐解きながらアイデアを膨らませる。そして、そこにありそうでなかったユニークな閃きを加える。長年、バイヤーとして培ってきた視点がそこには活かされます。
“いい服”の定義はひとそれぞれですが、凝り固まったアイデアを解きほぐし王道とはちがう根本的なスタイリングの楽しさを提案したい。それがファウンダというブランドです。」とコメントしている。