「アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)」による雑誌、アクネ ペーパー(Acne Paper)17号がローンチした。
2005年に創刊された同誌は昨年のリニューアルで、本と雑誌のハイブリッドとして、新しいフォーマットと500ページへの拡大という大胆なディレクションにより再構築を果たした。ヒストリー、ロマン、カルチャーアートジャーナル、ファッションエディトリアルなど、実験的かつ学術的な同号は、今年11月にミラノで行われる同誌のプレゼンテーションで100歳の誕生日を迎えるアート界の架空の人物「アティカス(Atticus)」の物語を中心に構成されている。
同号の目玉となる、アティカスが書いた回想録では、彼は、バランシン(Balanchine)、マース・カニングハム(Merce Cunningham)のもとでダンサーとして活躍し、その後、アート界の著名人になるまでの文化的な人生を5章に渡り、語っている。彼が尊敬し、出会い、親交を深めてきた巨匠、ダンサー、ミュージシャン、作家、デザイナー、建築家など、眩いばかりのギャラリーが、彼の人生の選ばれた瞬間を鮮やかに映し出している。
伝記の中心にあるのは、生涯の恋人であったDesmondとの関係であり、男を愛する男、女を愛する女が罪人とみなされていた時代を思い起こされる。また、彼は、劇的なエイズの流行と、それとともに亡くなった多くの才能に恵まれた人々を回想している。特別なポートフォリオでは、ダレル・エリス(Darrel Ellis)、アーチ・コネリー(Arch Connelly)、ジミー・ライト(Jimmy Wright)、ラリー・スタントン(Larry Stanton)が登場し、同ブランドは彼らの作品に敬意を表し、エイズの慈善活動のための特別なコラボレーションを展開。なお、同号では、ゲイとレズビアンの解放とLGBTQ運動の功績を記念し、1978年にギルバート・ベイカーがデザインしたオリジナルのレインボープライド旗の8色があしらわれている。
また、これまでで最も重要なアート号とし、50名以上の現代アーティストの作品を掲載。カイ・アルトホフ(Kai Althoff)、フェリペ・バエザ(Felipe Baeza)、マリア・バルトゥソワ (Maria Bartuszová)、ルイーズ・ボネット(Louise Bonnett)など、錚々たる顔ぶれにも注目だ。